【概要】
- 著者:橘 玲
- 発売日:2014年6月
- ページ数:240ページ
本の目次
PROLOGUE 私たちはみんなバカである1 POLITICS 政治
2 ECONOMY 経済
3 SOCIETY 社会
4 PSYCHOLOGY 心理
EPILOGUE 地獄への道は善意によって敷き詰められている
【結論(1番の訴求ポイント)】
世の中は簡単に解決できない事だらけ
世の中にはバカと呼ばれる人達がいる。
知能指数の低さではない。言うならば思考回路だ。
彼ら彼女らの特徴は、「全ての物事を直観だけで判断してしまう」点だ。
世の問題には簡単には解決できないものが多い。(解決できないから残っているとも言えるが)
複雑にいくつもの問題が絡み合っているケースもある。
でもこの問題に対しても直観だけで判断してしまう。
直観は個人のバイアスが多分に入っている(バイアスは思春期までに経験した偏見の塊と言われている)。
直観なので間違える事も多い。しかもその直観の根拠も客観的なものではなく、自分の都合の良い形にデフォルメされたものが多い。
間違いに気が付いて修正できればまだ救いようがあるが、バカはこれができない。自分の直観が正しいと思っている。間違えているなんて微塵も思っていない事も多い。
世の中はグレーな部分もある。そこが分かっていないのだ。
バイキンマンもこう言ったとか言っていないとか。
「正義とか悪とかは立場によって変わるんだよ。それぞれに正義があって、僕から見ればアンパンマンの方が悪なのさ。」
バカはこの視点が無い。
【ポイント】
利己主義
一方で、元々人間には直観で判断するものが正しいと思い込む習性があり、これを利己主義という。
これは古代で直観に頼って判断し、生命の危機を回避してきた事に由来している。
草原でに腹をすかせた肉食獣に合ってしまったら?
この肉食獣は涎を垂らしているように見える。そうか、お腹がすいているんだな。周りには自分しかいないし、僕を食べる気なのだろう。さて、戦うか逃げるか。それにしても凄い爪だ。あれで引っ掛かれたら痛いだろうな。戦うにしても武器らしいものも無さそうだし、逃げるしかないかな。でもどっちに逃げよう。最近運動不足で走れるか分からないな。っていうか、僕を食べても美味しくないと思うんだけど。。。
なんて呑気に考えていたら、即、食べられてしまうだろう。
思考をすっ飛ばして「逃げるんだ!」という直観が重要だった。昔は生き残るために必要な能力だったのだ。
しかし現代において、街中でライオンに遭遇する確率は限りなくゼロに近い。命の危機に瀕する事もそうそうないだろう。なので直観もその役目を終えつつあるのだが、人間はそう簡単には進化しないので、利己主義だけが残ってしまっているのだ。
現代においての問題点は、人の数だけ直観があるという事だ。
直観とは過去の自分の体験や経験がベースになっている。つまり経験が少ないと偏った判断になってしまう事がある。
昔は戦うか逃げるだけの選択肢だった。でも今は違う。自分の価値観というフィルターを通して見ている世界が人の数だけある。
各々の正義の元に物事を判断してしまっているのだ。
Xとかで度々炎上しているのもほぼ、これが原因な事が多い。他人に自分の正義を押し付けた結果だ。押し付けられた方はたまったもんじゃない。
回避策は、いったん自分で考えてみる事(つまり直観で判断しない事)で、本当にそうなのか、違う目線からの解釈の方法はないのかを考えてみる事だ。
自分と違った意見を見たら、無理やりにでも「なるほど、そういった見方があるのか」と思ってみる。
その上で、なぜそういった考えになったのか、相手のバックグラウンドを探ってみる。
そうする事で新しい一面に気が付くかもしれない。
直観バカからの卒業
利己主義は誰しもが持っている。そう簡単には人間は進化しない。
言い換えると誰しもがバカなのだ。
問題はその程度だ。
誰にも正義がある、もちろん相手にも正義がある。
直観バカは今日で卒業しよう。
本書には、政治、経済、社会などと関連付けて書かれている。興味が湧いたら読んでみるといい。