もくじ
【概要】
- 著者:楠木 建
- 発売日:2022年6月
- ページ数:240ページ
本の目次
1 絶対悲観主義2 幸福の条件
3 健康と平和
4 お金と時間
5 自己認識
6 チーム力
7 友達
8 オーラの正体
9 「なり」と「ふり」
10 リモートワーク
11 失敗
12 痺れる名言
13 発表
14 初老の老後
【結論(1番の訴求ポイント)】
ポジティブ思考ってどうなん?
俺(私)なら上手くやれる!あんだけやってきたんだ、絶対に成功するに決まってる!
大切な試験の前や大会の前に、自分に言い聞かせた経験がある人も多いだろう。
これはポジティブに考える事で、良い意味での自分の脳力を錯覚し、実力の少し上の力を発揮させる事だったり、不安を無くす事で、通常通りの実力を発揮できるるようにする目的がある。
いずれにせよ失敗した時の事は考えはダメとされている。
そして、世の中では(一般的に)ポジティブ思考が良いとされている。
絶対悲観主義は、ポジティブシ思考とは対を成す考え方である。
絶対悲観主義とは、あらゆる事において、上手くいかない事を前提として持っておく事である。
自分なんかが出来る訳ない。無理っしょ。
こう考えておく事で、実際にダメだった時のダメージを少なくする方法だ。
仮に上手くいったら、それはそれでOKだ。ポジティブ思考の時よりも、喜びが大きくなるだけなので、むしろメリットの方が大きいかもしれない。
ただ実際はやるべき事はやってからという前提にはなる点には注意したい。
【ポイント】
絶対悲観主義とは期待値のコントロール
ポジティブ思考と絶対悲観主義に共通するものは何だろうか。
それは期待値だ。
事前の期待値をプラス側に振ったのがポジティブ思考で、マイナス側に振ったのが絶対悲観主義だ。つまりこの両者は期待値の大小によって分けられている。
期待値とは、確率的に決まる数値の平均値とされている。簡単に言うと、一番出やすい値という事だ。
この期待値は自分の感情をコントロールする事で大きくも少なくも出来る。
絶対悲観主義はこの期待値を下げて物事に除むのが特徴だ。
期待値が低いので、失敗してもダメージが少ない。むしろ当たり前と思ったりする。偶然にも成功してしまうと、事前の期待値とのギャップから大きな喜びになる。
一方でポジティブ思考で期待値を上げてしまうと、失敗した時のダメージが大きい。そればかりか、成功した時の喜びも半減してしまうのだ。なので、筆者は絶対悲観主義は良い事ずくめだと言っている。
ただ事前の努力はしておく事が重要だ。やる事をきちんとやってから絶対悲観主義になる。やる事をやらずに絶対悲観主義では、ただの無能になってしまうので注意されたい。
絶対悲観主義のメリット
絶対悲観主義を実施する事で、次のようなメリットがあるとしている。
- 実行するまでがシンプルになる
- 実施する速度が上がる
- 成功した時の喜びが大きい
- 失敗耐性が付く
- 顧客志向になる
- 自分固有の能力が見えてくる
後半のメリットは少し違うような気もするが、前半部分は同意である。
未知な事にチャレンジする時は、最初から成功する確率は低い。経験が圧倒的に不足しているからだ。成功確率が低いという事は失敗をする事も多いという事。
失敗の度に凹んでいたら話にならない。早く立ち直って次へチャレンジする事必要になる。再トライのスピードが重要だ。ここで失敗耐性があれば立ち直りも早い。次の手も打てる。
何回も繰り返しチャレンジしていれば、いつかは当たりが来る。重要なのは、失敗しても反省や改善はしっかり行うという事だ。
絶対悲観主義の勘違いしやすい点として、自分の都合よく考えてしまうというのがある。これは注意が必要だ。
何とかなるでは、何ともならない事が多い。何とかなる場合は、それ相応の改善や努力を伴っている場合のみなのだ。
やるべき事をやって、成功は期待しない。
これが絶対悲観主義の正しい使い方である。
幸せの考え方
本書は絶対悲観主義は前半部分に書かれている。逆に言うと後半部分はそれ以外の事について書いてある。
その中で面白い考え方があったので紹介しておく。
それは幸せの考え方だ。
本書では微分の考え方と積分の考え方があるとしている。微分の考え方は最大値の大きさ、積分では積み重ねで評価する。つまり宝くじで1億を当てるのか、100万をコツコツ当てるのかの違いだ。どちらも最終的に2億円がゲット出来るとしたら、どちらがいいだろうか。
これは個々によって違うので正解は無い。
ただ個人的には後者の方も悪くはないのではないかと思う。確かに一度に最大値の幸福を味わった方がいいかもしれない。
でも人は慣れる。一度経験したら、2度目は初回ほどの幸せは感じない。
ならばハードルは低い方がいいのではないだろうか?
これは、あくまで個人の考え方なので、どちらが正解という事ではない。
【まとめ】
期待値をコントロールせよ
絶対悲観主義とは期待値コントロールの事である。
期待値を低く見積もっておく事で、その後の出来事に上手く対処できるようにしておくものだ。
人間には感情がある。
感情が入り込むと期待値コントロールが上手くいかない事がある。
ギャンブルなんかはその典型だろう。競馬で万馬券が取れる確率はかなり低い。でも期待してしまう。もしかしたらと考えてしまう。
ギャンブルだけではなく恋愛でもそうだろう。
やるべき事をやって成功は期待しない。
これが現代において、一番メンタルが健康にいられる方法なのかもしれない。