頭のよさとは何か

【概要】

  • 著者:中野 信子、和田 秀樹
  • 発売日:2022年3月
  • ページ数:232ページ

本の目次

序章  本物の「頭のよさ」を考える
第1章 「ど根性勉強」は学歴の高いバカしか生まない
第2章 女性・若者が絶望する国ニッポン
第3章 「知ること」は武器になる、「知らない」と騙される
第4章 知性とは、誰も知らないことを知ろうとする熱意である
第5章 愚かな知識人より、飢えた知恵者を目指せ

【結論(1番の訴求ポイント)】

前頭葉の活性化

頭のよさとは何か。

これを東大卒の2名がディベート形式で話していくのが本書である。

本書の中で重要な脳の部分とされているのが前頭葉だ。

前頭葉は、思考、自発性、感情、興味、関心、性格、理性などを司っていると言われている。

前頭葉の機能をよく見てみると、生命維持に必要なものはほとんど無いのが分かるだろう。極端に言えば、前頭葉が働いていなくても生きていけるのだ。(もちろん生きていくハードルは上がるが)

本書ではこの前頭葉の働きが頭の良さに関係してるとしている。それは決して学習知能が高いという意味ではなく、もっと人間的な頭の良さという意味である。

前頭葉を活用しているかどうか。

これが本書のキーワードである。

【ポイント】

頭が良いとは

頭の良さと頭の柔らかさは違う。

なんとなくイメージできる人もいるだろう。具体的な人物が思い浮かぶ人もいるかもしれない。

でもその違いを明確に言えるかと言われると、言葉に詰まってしまう人も多いのではないだろうか。

実は世の中は正解と不正解に分類できるものばかりではない。正解と不正解の中間といったグラデーションのような回答もある。そしてこのグラデーション回答の方が多かったりもする。

昭和の時は、夫が仕事をして奥さんが家事全般をやるのが当たり前だった。その当時はそれが正解だった。(むしろそれしか選択肢が無かったとも言えるが)

しかし今や、旦那が主夫になるという例もある。もっと現実的には、お互いで仕事と家事、育児を折半するケースも見られるようになってきた。これがグラデーションだ。仕事もやれば家事もやるパターンがある。どれが正解化は個々の家庭によって違う。

頭が良い人は一概に知識も豊富だ。しかし、それゆえに答えが凝り固まってしまう事も多く、なんにでも正解があると思ってしまう正解主義の場合も多い。

いつまでもサザエさんの家庭が正解だと信じて疑わない。

しかし時代の流れと共に答えは変わる。

答えが変わってきてるのに、それに気が付かない。

頭が柔らかい人なら気づき、違った考えも受け入れられる。つまり多様性を受け入れられる。無暗に他人の意見を否定したりしない。

頭の柔らかさは保ちたいものである。

前頭葉機能が低下すると

前述の通り、前頭葉には人間らしく生きるための役割が多く詰まっている。

ただし脳は使わないと衰えていく。脳を柔らかく保つためには、日頃から使っていないとダメだ。

最近、怒りっぽくなったなと思う人はいないだろうか?

それは前頭葉の機能が低下してきているサインかもしれない。

子供はよく感情的になる。いわゆる駄々をこねるというヤツだ。これは前頭葉の発達が未熟なために、感情のコントロールがまだ上手くできないのだ。

子供は良い。否が応でも成長していく。

ただし大人は違う。意識して使っていないと簡単に衰えてしまい、回復させるのにも多くの時間が必要になる。

街中で頑固な老人を見た事はないだろうか?もしかしたら、彼(彼女)らは、前頭葉の機能が低下しているのかもしれない。

一方で、考え方が柔軟でタブレットやスマホを若者並みに使いこなしている老人もいる。この違いは何だろうか?

そういう人は欲があるのだろう。

使えるようになりたい、どんなものか試してみたい。

こういうように、新しいものに対してもアレルギーが起きない人は脳が若いと言えるだろう。

あなたはどちらがいいだろうか。

知の運用

日本人は知の運用を知らないと言われている。

知識はあっても、それをどう生かすのかが苦手であるケースも多い。知識バカはその典型だろう。

実は頭の良い人と悪い人の差はそれほどない。少なくとも生成AIが出てきたように、知識というレベルではほぼ同じ土俵に立っている。どんなに難しい質問でも答えがあるものなら、AIが数秒で教えてくれるからだ。

では何が差になるのか。

それは欲だ。欲があれば、人間はあれこれ組み合わせてみたりする。実際に試してみたりする。

これが脳を若く柔らかく保つ秘訣でもある。

最低限のルールは守る必要があるが、もっと自分の欲に素直になってみてはどうだろう?

【まとめ】

認知的複雑性

頭の悪い人の特徴は、「変わりたくない」という思いが強すぎる傾向がある。

これは変化する事のリスクから来る行動なのだが、実は現代においては変化しない方が高リスクだったりする。

ある事に対して、違った見方をすればリスクがメリットに見える事も多くある。

これに気が付けるかどうか。

対象をどれだけ多くの視点やカテゴリーで分析できるかという能力を「認知的複雑性」と言うが、これが低いのだ。

現代において、これが正解という問題はほとんどない。10人いれば10通りの考えがある。

自分と違った意見に当たった時に、そういう考えもあるよねと思えるかどうか。自分の価値観に固執せずに考えられるかどうか。

頭の良さよりも、頭の若さを保ちたいものである。

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