整形３６

• 脂肪抑制の冠状断にて、内側側副靭帯の一部信号上昇と周囲の浮腫性変化を認める
• 上記画像所見と臨床症状から、内側側副靭帯損傷が疑われる
• 他、上腕骨小頭直下で骨挫傷を認めるが、明確な骨折所見は認めない

【肘内側側副靭帯損傷】

・上腕骨と尺骨を連結している靭帯で、内側にあるものを内側側副靭帯、外側にあるものを外側側副靭帯と呼ぶ

・外傷のような急性障害と、投球障害などの反復性ストレスによる変性による慢性障害がある

・MRIでは靭帯の連続性の欠如や走行の変化、断裂部の信号変化などが確認できる

・肘関節内側の屈筋損傷、屈筋兼付着部の剥離骨折を来すこともある

・外側では上腕骨小頭や橈骨頭への圧迫力による骨挫傷や骨軟骨損傷を来す事がある

・慢性の靭帯損傷では、靭帯の異所性骨化、線維性瘢痕による肥厚を認める事がある

・治療法は、症状や重症度により保存療法や外科的療法が選択される

骨軟部疾患の画像診断 第2版 より引用改変