common disease26

【臨床症状】30代 帝王切開後 腹痛 10日前の受診時にはクラミジア陰性で抗生物質を投与される CRP:1.82

【問題】画像所見と診断名は?

CT_20240821140247_Image005
 
➡ 造影画像
CT_20240821140247_Image099
 

    ▶答えはこちら
    • 造影CT画像にて肝S5に約2cmの辺縁が濃染される結節影を認める
    • また隣接する上行結腸周囲の脂肪組織濃度上昇を認め、筋膜の肥厚も伴うのが確認できる
    • 他に子宮腔内に液体の貯留を認めるが、濃染効果はなし
    • 子宮壁は右側優位に濃染不良を認める
    • また少量の腹水もあり
    • 上記より画像上では、腹膜炎に伴う肝膿瘍、子宮留膿症と診断される
    • その後、治療目的に他院紹介
    • 帝王切開後の腹膜炎による肝膿瘍と診断され抗菌薬が投与され、改善を認めたため5週間後に退院した

    【肝膿瘍】

    ・肝膿瘍は細菌性と非細菌性(アメーバ性、真菌性)に分けられる

    ・症状は、発熱や肝腫大、腹痛などだが、非特異的な所見である事が多い

    ・感染経路は胆道性、門脈性、肝動脈性、隣接臓器からの直接性、外傷性、医原性などがあるが、原因が不明な特発性も少なくない

    ・胆道性は多発する事が多く、門脈性は孤立性(特に右葉)が多い

    ・門脈性は骨盤内や消化管の炎症を先行感染とする場合が多い

    ・アメーバ性は右葉後区域に好発し、単発で大きく円形(卵円形)の形態を認める事が多い

    ・治療法は抗菌薬の投与やドレナージなど

    ・画像所見は初期では充実性腫瘤と類似するが、膿瘍を伴う程度までになると、中心(膿瘍腔)が造影されないな単房性、または多房性の低吸収域を呈する

    ・周囲の肉が組織から成る膿瘍壁は造影でリング状の濃染を認め、平衡相にかけてリング状濃染が厚くなる

    ・その外側は反応性浮腫のために低吸収域になり、また区域性に造影効果を認める

    ※動脈相にて区域性に造影を認める理由は、炎症による門脈枝の狭小化や閉塞によって区域性に門脈血流が低下し、代償性に動脈血流が増加することによると考えられている

    ・これらを総合して、Duble target signと呼ぶ

    ・~30%程度に膿瘍腔内にガスを認める事もある

    参考書籍:すぐ役立つ救急のCT・MRI 改定第2版

    【子宮留水症/留膿症/留血症】

    ・子宮内腔が拡大する原因として、腫瘍による塞栓、奇形によるもの、炎症などによる分泌物の増加などがある

    ・内容物が液体のみなのか、充実部分が存在するのかを画像上で確認する

    ・留水症の場合は、水と同程度のCT値や信号強度を示し、内部は均一である事が多い

    ・留膿症の場合は、MRI画像で全体的に拡散強調で高信号(拡散制限)を認めるのが特徴

    ・留血症では、T1WIで高信号を認める事があるのと、一部で拡散制限も認める場合がある

    ・このため留膿症と留血症の鑑別は難しい事がある

    ・基本的に貯留物に造影効果は認めなく、内腔に造影効果がある場合は子宮内膜癌などの腫瘍の存在を考慮する

    参考書籍:婦人科MRIアトラス 改定第2版

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