common disease95

【臨床症状】60代 男性 検診精査

【問題】画像所見と診断名は?

CT_20240319104545_Image076
 
➡ MRI画像
MR_20240319104453_Image034
 

    ▶答えはこちら
    • 縦隔条件にて上行大動脈腹側に2cm程度の結節影を認める
    • 円形~楕円形で内部はやや高吸収であるが、石灰化は認めない
    • まずは胸腺腫を疑う
    • その他、肺野、縦隔リンパ節腫大、胸水などは認めない
    • 後日MRIが撮影され、同部位にT2WIで低信号の病変を認める事ができる
    • 被膜ははっきりせず、造影効果も不均一のように見え高リスク胸腺腫の可能性もある
    • 大動脈と接しており、血管浸潤も否定できない
    • その後、胸腺腫疑いにて腹腔鏡下切除術施行し、WHO分類でTypeB2と診断された
    左からCT、T2WI、CE画像

    【胸腺腫】

    ・胸腺上皮性腫瘍はWHO分類で、胸腺腫と胸腺癌に大別される

    ・胸腺腫はさらに病理形態によって、typeA、typeAB、typeB1、typeB2、typeB3に分類される

    ・typeAは腫瘍上皮細胞の形態が紡錘形、卵円形が主で、typeBは類円形、多角形を主とする

    ・またリンパ球の多寡によりB1~B3に分類している(B3になるにつれてリンパ球は少ない)

    ・50代以降に好発し、特に55~65歳に多く小児には稀

    ・前縦隔腫瘍の中では最も頻度が高い

    ・初期では特に自覚症状が無いため、検診などで偶然発見される事が多い

    様々な自己免疫性疾患を合併する事が知られていて、特に重症筋無力症は17~54%と合併頻度が高い

    ・typeA~B1までは5年生存率が90%と高いが、B2以降は70%程度に下がる

    ・画像所見では低リスク胸腺腫と高リスク胸腺腫の鑑別がメインだが、高リスク胸腺腫と胸腺癌の鑑別は困難な事が多い

    1. 低リスク胸腺腫は、辺縁平滑で境界明瞭な円形、もしくは楕円形の腫瘤で、全周性の被膜や内部隔壁を認め均一な造影効果(wash out傾向あり)を認める
    2. 高リスク胸腺腫は、辺縁不正で分葉状の腫瘤で、内部に嚢胞変性、壊死、出血などが見られる
    3. 被膜や内部隔壁は不明瞭である事が多く、造影効果も不均一
    4. 石灰化を伴う事も多く、粗大な石灰化は悪性度が高くなるにつれ高頻度
    参考書籍:困ったときの胸部の画像診断

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