悪性腫瘍29

【臨床症状】70代 検診でPSA高値 生検でadenocarcinoma GS 3+4 5/20

【問題】画像所見と診断名は?

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    • T2WI画像にて移行域に2.5×1.5cm程度の低信号域を認める
    • 同部位で拡散画像での信号上昇は認めないがADCの信号低下あり
    ※ 左上からT2WI、T1WI、T2-FS、下段左からDWI、ADC、造影後期像
    • またDynamic造影検査では同部位にやや早期濃染を認める
    • PI-RADSでは腫瘍の大きさが1.5cm以上であるため、カテゴリー4になる
    • リンパ節腫大は認めない
    • その後、生検を実施しadenocarcinoma GS 3+4 との診断となった
    ※ Dynamic画像は非提示

    【前立腺癌】

    ・前立腺癌(prostate cancer)は高齢男性に多く発生し、罹患者数でも上位の癌

    ・早期発見が出来れば予後は良い

    ・7割が辺縁域、3割が移行域に発生する

    ・主な検査方法はPSAや直腸診、CT/MRIなど

    ・PSAの一般的な基準値は4.0ng/mLだが、年齢によって3.0~4.0と幅がある

    ・PSAが100ng/mLを超えると前立腺癌が強く疑われ、場合によっては転移していることもある

    ・辺縁域に発生する前立腺癌は、慢性前立腺炎との鑑別が必要になる事があり、造影効果の強さやADCの低下程度を参考に判断する

    ・移行域に発生する前立腺癌は、BPH(前立腺肥大症)との鑑別が必要で、BPHは被膜の有無や内部に高信号域を含む低信号域を認めるのが特徴

    ・前立腺癌の病理学的悪性度はGS(Gleason Score:グリソンスコア)が使われる

    <Gleason Score>

    • 主なGlesonパターンと2番目のGlesonパターンからスコアを算出し合算する事で悪性度の指標としている
    • スコアによるgrade group:GG分類は以下の通り
    • GG1:GS=2~6
    • GG2:GG=3+4=7
    • GG3:GS=4+3=7
    • GG4:GS=8
    • GG5:GS=9または10

    ・MRIの読影所見を客観的にスコアリングしたものをPI-RADS(Prostate Imaging Reporting and Data System)と言う

    <PI-RADS>

    1. T2WIと拡散強調画像の所見によって移行域、辺縁域別にスコア化しカテゴリー分類(1~5)したもの
    2. 1が癌の可能性が低く、5はほぼ癌が存在する
    3. T2WIスコアは信号強度や大きさ、浸潤の有無で1~5に分類される
    4. DWIスコアはDWIでの高信号の有無、ADCの低下の有無、大きさなどにより1~5に分類される
    5. 辺縁域は拡散強調画像を重視し、DWIスコアが3以外はそのままPI-RADSカテゴリーも同様になる
    6. DWIスコアが3の場合は、Dynamic画像にて早期濃染があればPI-RADSカテゴリーが4、なければカテゴリー3となる
    7. 移行域はT2WIのスコアが重視され、T2WIスコアが3以外は、そのままPI-RADSカテゴリーも同じになる
    8. T2WIスコアが3の場合は、DWIスコアを参照しDWIスコアが4以下ならカテゴリー3、DWIスコアが5ならカテゴリー4とする

    参考書籍:知っておきたい泌尿器のCT・MRI 改定第2版

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