悪性腫瘍12

【臨床症状】70代 嚥下困難を自覚

【問題】画像所見と診断名は?

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    • 食道下部(Mt-Lt)に濃染される壁肥厚を認め、食道癌が疑われる
    • 該当部位において、脂肪層を認める事から周囲への浸潤は無いと判断できる
    • またリンパ節腫大なども認めない
    • 生検においてBCC(基底細胞癌)と診断
    ※ 単純、Dynamicの冠状断は非提示
    • 後日、病期診断のためのFDF-PETを施行
    • 概知の食道癌部分に高吸収域を認めるも明らかなリンパ節腫大や腫脹はなかった
    • その他の所見として、上行結腸に複数の憩室あり、大動脈の石灰化など

    【食道癌】

    ・食道癌(esophageal cancer)は胸部中部食道(middle thoracic esophagus:Mt)に多い

    ・90%以上が扁平上皮癌(SCC)

    ・初期は症状に乏しい事が多く、発見時には進行癌の状態の事も多い

    ・早期にリンパ節転移を来し、また解剖学的な位置から周囲(気管や大動脈)に浸潤する事もしばしば

    ・食道癌取扱い規約では、癌腫が粘膜内に留まっているのを早期癌、粘膜下層までに留まっているのを表在癌としている

    ・基底細胞癌は食道癌の~0.4%と稀ではあるが、SCCと比較して脈管侵襲が高度で広範なリンパ転移や血行転移を来し、予後が悪いと言われている

    ・その他の組織型は、Barret食道癌、未分化癌、癌肉腫、悪性黒色腫など特殊なものがある

    局所の診断は内視鏡がメインであり、画像診断は深達度や遠隔転移診断が主

    進行食道癌における深達度診断ではT4が重要(T3までなら外科的根治術が可能だが、T4になると適応外になるため)

    ・T4診断には腫瘍と隣接臓器間の脂肪組織の有無が重要

    ・また大動脈浸潤の評価では、腫瘍と大動脈壁との境界が不明瞭であり、かつ大動脈と腫瘍接触部の辺縁のなす角が90度以上であれば、直接浸潤ありと判断される

    ・長軸方向に3cm以上、上記所見があればより正診率が高くなるとされている

    ・1cm以下のリンパ節腫大でも転移している場合が多く、リンパ節転移診断ではFDG-PETが特異度が高いという報告も多数ある

    参考書籍:わかる!役立つ!消化管の画像診断

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