common disease71

【臨床症状】40代 耳下腺付近の腫脹

【問題】画像所見と診断名は?

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➡ 冠状断
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➡ 造影
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    ▶答えはこちら
    • 左耳下腺に2*3cm大の分葉状の腫瘤影を認める
    • T2WIで高信号を示し、腫瘍周囲に低信号を認め被膜の存在が疑われる
    • 拡散強調、ADC共に高値を示し、不均一な造影効果を認める
    • 上記より多形腺腫が第一に疑われた
    • また腫瘤により顔面神経が前方に圧排されている
    • 対側の病変、ならびに優位なリンパ節腫大は認めない
    上段左からT2WI、T1WI、脂肪抑制、下段左から拡散強調、ADC、CE画像

    【多形腺腫】

    ・唾液腺腫瘍の中で最も頻度が高いのが多形腺腫で、唾液腺腫瘍の60%程度を占める

    ・30代以降に好発するが、発症年代は幅広く、やや女性に多い

    ・境界明瞭な無痛性腫瘍として緩徐に発育する

    ・被膜を認める事が多い

    ・良性混合腫瘍(benign mixed tumor)とも呼ばれ、腺上皮細胞、筋上皮細胞、腫瘍性菌上皮細胞が生産する粘液腫様、軟骨様基質の組織から構成され、多彩な像を呈する

    ・再発率は高く、悪性化する事もあり次の3病型に分類されている

    1. carcinoma ex pleomorphic adenoma:良性多形腺腫から癌が生じたもので、悪性転嫁率は経過が長いほど上昇する 経過観察中に急速な増大、疼痛、顔面神経麻痺を認めるのが典型例で、ADC低値が特徴的
    2. malignant mixed tumor:上皮成分と間質成分の両方に悪性所見を認める癌肉腫で、稀だが予後は悪い
    3. metastatic benign pleomorphic adenoma:組織学的に良性だが、遠隔転移を来す

    ・画像所見では、境界明瞭な類円形もしくは分葉状の腫瘤で、石灰化や骨化を認める事もある

    ・粘液腫様ないし軟骨様基質を反映して、T2WIでは高信号、T1WIでは低信号、ADC高値を示す

    Dynamic撮影では漸増性のパターンの事が多いが、上皮成分が多いと軽度のwash out型を示す事もある

    ・Warthin腫瘍との鑑別を要する事が多いが、T2WIの信号値、Dynamicで漸増性を認めるかどうがが鑑別のポイントになる

    参考書籍:頭頚部の画像診断 改定第2版

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