整形65

【臨床症状】80代 上腕軟部腫瘤精査

【問題】画像所見と診断名は?

MR_20241012162723_Image001
 
➡ 横断像
MR_20241012162723_Image058
 

    ▶答えはこちら
    • 上腕三頭筋内に6cm*4.5cmの腫瘤影を認める
    • T2WI、T1WI共に高信号で、脂肪抑制画像で信号が抑制される事、また内部に索状陰影を認め隔壁が存在する事が示唆され、脂肪種が第一に疑われた
    • その他に異常所見は認めない
    左からT2WI、T1WI、脂肪抑制画像の冠状断、横断像

    【脂肪腫】

    ・脂肪腫(lipoma)は、成熟脂肪細胞から構成される、全身に発生しうる病変

    ・筋肉内や骨内にも発生する事がある

    ・中年以降に多く発生する

    ・原因は不明だが、糖尿病や肥満との関連性があると言われている

    ・亜型として、傍骨性脂肪腫、血管脂肪腫、紡錘細胞脂肪腫、多形成脂肪腫、軟骨脂肪腫などがある

    ・画像所見は、皮下脂肪と同等の信号強度を示す事が特徴的

    【脂肪肉腫】

    ・脂肪肉腫(liposarcoma)は悪性線維性組織球種に次いで多く、40~50代に好発し四肢と後腹膜に多い

    ・小児の発生は稀

    ・組織型は以下の4型に分類される

    1. 異型脂肪腫様腫瘍(高分化型脂肪肉腫):大部分が成熟脂肪細胞から構成され、良性との鑑別が問題になる事もある
    2. 脱分化型:異型脂肪腫様腫瘍の一部に悪性度の高い多形性肉腫成分を発症したもの
    3. 粘液型:血管の発達した粘液基質内に異形を示す脂肪芽細胞がびまん性に増殖している状態で、中悪性度、全体の10%程度、四肢(大腿)に好発
    4. 多形型:脂肪芽細胞に加えて、紡錘細胞、小円形細胞から成る腫瘍で、高悪性度

    ・画像所見は、異形脂肪腫様腫瘍は、明瞭な脂肪を含み、内部に造影効果を有する厚い索状の非脂肪成分が混在する

    ・深在性、10cm以上の大きさ、内部に造影効果を有する結節や非脂肪成分がある場合は悪性の可能性を考慮する

    ・粘液型は、CTで筋肉よりも低吸収、MRIではT1WIで低信号、T2WIで高信号を認め、半数以上で脂肪成分を認めない

    ・内部不均一の造影効果を認める

    ・高悪性度脂肪肉腫に20%は脂肪成分が検出されない事があるので注意する

    参考書籍:骨軟部疾患の画像診断 第2版
         ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版

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