common disease69

【臨床症状】30代 三叉神経痛

【問題】画像所見と診断名は?

MR_20240817120021_Image001
1 - 120

    ▶答えはこちら
    • 拡散強調画像で左小脳橋角部から橋前槽に及ぶ高信号域を認める
    • T1WIでは低信号、T2WIでは高信号、FLAIRでは低~等信号を認め、嚢胞性病変が疑われる
    • 各種シーケンスの信号強度や、発生部位からepidermoid cystが最も疑われる
    • また第Ⅴ、Ⅶ、Ⅷ脳神経は圧排され偏位しているように見える
    • その他に異常所見は認めない

    【類上皮腫/類表皮腫/類表皮嚢胞:epidermoid cyst】

    ・頭蓋内の類上皮腫は胎生期の神経管閉鎖時に迷入した外胚葉性上皮細胞から発生するとされている

    ・角化重層扁平上皮からなる壁と、ケラチンやコレステロールが主体成分で、真珠腫(pearly tumor)とも呼ばれる

    ・左右どちらかに偏在する事が多い

    ・後頭蓋窩に多く、小脳橋角部に好発する

    ・第4脳室、鞍上部、シルビウス裂、脊椎にも見られる事がある

    ・臨床症状は、三叉神経痛や顔面痙攣などで、無症状の事もある

    ・自然破裂により無菌性髄膜炎をきたす事がある

    ・画像所見では拡散強調画像の高信号が特徴的

    ・T1WIやT2WIでは脳脊髄液と同等の信号強度のため判別が難しい事がある

    ・通常、造影効果は認めないが、25%程度で辺縁に造影効果を認める場合もある

    ・10~25%で石灰化を認める

    ・類皮嚢胞、類皮腫とは名前が似ているが全く別の疾患なので注意する

    参考書籍:頭頸部の画像診断 改定第2版
         ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版

    PickUp

    1

    もくじ1 日本とアメリカの放射線科医数2 日本と世界の検査機器保持数3 読影医不足問題4 放射線技師 ...

    2

    もくじ1 基本的な読影の流れ2 頭部読影の流れ3 胸部読影の流れ4 腹部読影の流れ5 自分なりの読影 ...

    3

    精神と時と読影の部屋 読影力をつけるのは実際に画像を見ていくのが一番やで。 あれこれ考えながら所見を ...

    S