悪性腫瘍41

【臨床症状】30代 女性 頚部リンパ節腫脹に気が付く

【問題】画像所見と診断名は?

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➡ 造影CT
CT_20241030170550_Image658
 

    ▶答えはこちら
    • 左側の口蓋扁桃の腫大を認める
    • また左頚部の左耳下腺から胸鎖乳突筋内側、鎖骨上窩にリンパ節腫大を認める
    • いずれも境界明瞭なリンパ節腫大で、癒合傾向を認めるため悪性リンパ腫が疑われた
    左側が単純の横断像、冠状断像、右側が造影の横断像、冠状断像 ※冠状断は非提示
    • その後、生検を行いDLBCL(diffuse large B-cell lymphoma:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)と診断された
    • FDG-PETを実施し、頚部得リンパ節に高集積を認めた
    左から造影CT、FDG-PETのMIP、FDG-PETのFusion画像 ※いずれも非提示

    【悪性リンパ腫】

    ・悪性リンパ腫は血液中のリンパ球が癌化した状態

    ・リンパ節や脾臓などのリンパ組織に発生するが、脳や腸管、肺、骨髄など非リンパ組織にも発生する

    ・原因はウィスル感染、自己免疫疾患、免疫不全などがあるが、原因が不明な事も多い

    ・男性に多く、70代以降に増加する

    ・CRPやLDH、可溶性IL-2レセプターなどのデータが診断の参考になる

    ・病理学的には70種類以上の分類があるが、大きく分けてホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに大別される

    ・非ホジキンリンパ腫は、さらに成熟B細胞リンパ腫と成熟T細胞およびNK細胞リンパ腫に分類される

    ・最も悪性度が高いバーキットリンパ腫では、進行が早く週単位で状態が変化する

    ・発生部位によりリンパ節に発生する節性、リンパ節以外の臓器に発生する節外性に分類され、頚部節性リンパ腫は無痛性で、頚部リンパ節が存在する場所に発生する可能性がある

    ・片側単発から両側多発まで様々である

    ・病期分類には、Ann Arbor分類や、Lugano分類がある(Lugano分類はAnn Arbor分類の修正版)

    Reprinted with permission from Cheson BD, et al., Recommendations for Initial Evaluation, Staging, and Response Assessment of Hodgkin and Non-Hodgkin Lymphoma: The Lugano Classification, J Clin Oncol. 2014; 32(27): 3059-3067.
    Lugano分類病変部位節外病変
    限局期Ⅰ期1つのリンパ節病変もしくは、隣接するリンパ節病変の集合リンパ節を伴わない単独のリンパ外臓器の病変
    Ⅱ期横隔膜の同側にある2つ以上のリンパ節病変の集合リンパ節病変の進展による、限局性かつリンパ節病変と連続性のある節外臓器の病変を伴うⅠ期またはⅡ期
    Ⅱ期(bulky)bulky病変を伴うⅡ期該当なし
    進行期Ⅲ期横隔膜の両側にある複数のリンパ節病変、または脾病変を伴う横隔膜の上側の複数のリンパ節病変該当なし
    Ⅳ期リンパ節病変に加えて、非連続性のリンパ外臓器病変該当なし

    ・治療法は化学療法と放射線治療で、ステージによって変わる

    ・画像所見は、境界明瞭で辺縁平滑なリンパ節腫大を認め、融合傾向があるのが大きな特徴

    ・通常は内部均一な事が多いが、高悪性度の場合は被膜外浸潤や、内部壊死、嚢胞変性を来す事もある

    ・3cm以上に腫大した頚部リンパ節で、壊死を認めなく、ADCが著明に低下している場合は悪性リンパ腫を疑う

    参考文献:日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版
    参考書籍:頭頸部の画像診断 改定第2版
         ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版

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