アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid angiopathy:CAA)

会心のボケをかましても全くウケへん時ってあらへん?

えっ、はぁ。会心の・・・ですか。

・・・時代がワシについてきてへんのかなぁ?

アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid angiopathy:CAA)とは

アミロイドアンギオパチーの概要

さて、今日はアミロイドアンギオパチーについて話していくで。

cerebral amyloid angiopathyの頭文字を取ってCAAとも言ったりする事があるんやけど、アミロイドアンギオパチーの大きな特徴としては脳表の多発する脳出血や。

髄膜や脳血管壁に限局したアミロイドーシスで、大脳の皮質、皮質下、髄膜の中小血管壁にアミロイドβが沈着すんねん。この時の脳内血管は中~小血管が多いで。

アミロイド沈着によって血管壁が脆くなると、脳出血を来す事があるんや。

ちなみに発生部位は、大脳基底核や視床、脳幹には少ない傾向があるで。

臨床症状と好発年齢

臨床症状については初期は無症状や。

ただ徐々に一過性の神経障害、認知機能の低下を認めたりする事があるで。

データ上は50歳以上に好発して、平均発症年齢は70歳前後や。加齢と共に発症頻度は上がっていくで。

高齢者の脳出血(皮質下出血)の2~4割を占めるというデータもあるで。

出血を繰り返す事もあって、くも膜下出血の合併頻度が比較的多いとも言われとる。

脳出血におけるアミロイドアンギオパチーの診断基準

CAAに関連する脳出血の診断基準ってのがあって、これはboston criteriaが有名やから下に載せておくで。

重要なのはprobable CAAとpossible CAAは画像診断で可能という事や。

確定診断には解剖が必要と言われてるんやけど、画像診断だけでいけるのはかなりメリットなんやで。

種類診断基準
definite CAA解剖が必要
脳葉型、皮質~皮質下出血がある
血管病変を伴う高度のCAA
他の原因病変が無い
probable CAA with supporting pathology病理が必要
脳葉型、皮質~皮質下出血がある
標本内に様々な程度のCAAがある
他の原因病変が無い
probable CAA画像診断で可
脳葉型、皮質~皮質下に限局する多発性の出血がある
55歳以上
他の出血源が無い
psssible CAA画像診断で可
単発の脳葉型、皮質~皮質下出血がある
55歳以上
他の出血源が無い
Linn J, Halpin A, Demaerel P, et al. Prevalence of superficial siderosis in patients with cerebral amyloid angiopathy. Neurology 2010; 74:1346.

Definite CAAとprobable CAA with supporting pathology解剖や病理が必要やから省くとしても、画像診断で出来るprobable CAAとpossible CAAについては簡単に纏めると下記のようになるで。

  • 脳葉、皮質~皮質下出血(単発ならpossible、多発はprobableで、小脳に認めてもOK)
  • 55歳以上
  • 他の出血原因なし

たったこれだけや。どうや?簡単に思えてくるやろ。これらがあれば出血の原因にCAAが疑われんねん。

アミロイドアンギオパチー関連白質脳症

他に追加する点としては、アミロイドアンギオパチー関連炎症/白質脳症(cerebral amyloid angiopathy-related inflammation/leukoencephalopathy)もあって、これは合併する事もあるで。

アミロイドβの沈着に対する炎症反応が原因で、臨床症状は認知障害や痙攣などや。

U-fiberを含んだ腫脹を伴う可逆性病変や、側脳室病変を中心とした加齢性白質病変(leukoaraiosis)に類似した所見を呈するで。

画像所見

アミロイドアンギオパチーの画像所見

次に画像所見についてや。

脳表(脳葉、皮質~皮質下)に単発や多発の微小出血を認めんねん。

微小やから通常のMRIルーチンやと写らへん事も多いで。その時はT2スターやSWIが有効や

皮質下出血の他、くも膜下出血や硬膜下出血、白質脳症、髄膜の増強効果を生じる事もあるで。

CAAは無症状時には微小脳出血の時だけの事もあるんやけど、逆のパターンで脳出血の原因精査でCAAと診断されるって事もあるで。

高齢者で脳表に限局するくも膜下出血で外傷が無ければ、CAAを選択肢に入れる事が必要やと言われとる。

アミロイドアンギオパチー関連炎症/白質脳症

参考までに炎症/白質脳症の画像所見についても話しておくと特徴は以下の通りや。

  • 片側優位にT2スターなどでmicrobleedsがあり、そこに皮質下高信号がある事
  • Microbleedsと臨床所見が合致する
  • T2強調やFLAIRで皮質下中心に左右非対称の高信号域

こんな感じや。Microbleedsって分かるか?微小脳出血やで。

気になった場合は、自分で検索かけてもらえると、該当症例の画像が出てくるで。

実際の症例

実際の画像を見ていこか。

CAA画像や。SWIで微小脳出血があるのが認められると思うで。他のシーケンスやと中々分からんな。

せやから高齢者のMRI検査の時は、T2スターをルーチンで加えてる施設もあると聞くな。

頭部MRI-アミロイドアンギオパチー
上段左からT2WI、T1WI、FLAIR、DWI、SWI、T1矢状断

鑑別診断のポイント

高血圧性脳症

鑑別診断には、高血圧性脳出血があるで。

基底核や視床付近の微小出血があるかどうかが鑑別のポイントや。当然血圧などの臨床データの確認は必要やけどな。

大まかに言うと、基底核や視床に微小出血があれば高血圧性脳出血、なければ(脳表に多ければ)CAAやで。

後は高齢者で非外傷性円蓋部のくも膜下出血の原因となるのはCAAが多いってのは先に話した通りやけど、他のくも膜下出血の原因としてAVM/AVF、動脈解離、血管炎、RCVS、PRES、高度動脈狭窄、海綿状血管腫、心内膜炎などがあるで。

逆に言うと、これらも鑑別対象疾患になるな。

微小脳出血がどこに分布しているかがキーや。

SAHからCAAと診断されるパターンもあるんですね。

まとめ

今日はCAA、アミロイドアンギオパチーについてレクチャーしたで。

脳表(脳葉、皮質~皮質下)の微小出血が代表的な画像所見

基底核や視床に出血がある場合は、高血圧性脳出血の方が疑わしい

こんな感じかな。高血圧性脳出血と鑑別が紛らわしい事があったりするからな。出血の位置を確認や。

ワシの説明は基本的にイメージ出来るように話してるつもりや。

言葉だけやなくてイメージも合わせて記憶した方が絶対に記憶に残るねん。これは確かやねん。

アメリカの国立訓練研究所がラーニングピラミッドっていうのを提唱してて、それによると文字情報よりも画像を組み合わせた方が2倍記憶定着率が上がったらしいから、ちゃんとエビデンスはあるんやで。

せやからボケもちゃんと相手の脳内にイメージできるようにしてんねん。

でも時代が追い付いてへんねんな。こればっかりはしょうがない面もあると思うとる。

(時代・・・かなぁ・・・)

今日はこのへんにしとこか。
ほな、精進しいやー!

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