低酸素性虚血脳症(hypoxic-ischemic encephalopathy)と一酸化炭素中毒(carbon monoxide poisoning)

コレを見てみぃ!インスタのフォロワーが開始1年にしてようやく100人になってん!

100?10,000とかじゃなくて?

なんや、どうせこう思ってるんやろ。「100?少なっ!マジで100?

っていうか遅っ!

開始1年で100人とか遅っ!今時フォローバックかければ100人とか秒っしょ!これだから大正生まれは・・・」

ってな。ええねん。言わんでも分かるで。でもこの100人はようやく出来たフォロワーさんや。大切に育てるで。

そんで1年後にはインフルエンサーになってるねん!桑ンフルエンサーや。

さぁ、レクチャー始めましょう!

お、おう・・・自分、やるやんけ!

低酸素性虚血脳症(hypoxic-ischemic encephalopathy)と一酸化炭素中毒(carbon monoxide poisoning)とは

低酸素性虚血脳症/一酸化炭素中毒(carbon monoxide poisoning)の概要

さて今日は2つの疾患をやってくで。低酸素性虚血性脳症と一酸化炭素中毒や。

なぜ2つかというと特に意味はあらへん。気分的な問題や。似てるしな。では早速、低酸素性虚血脳症から行こか。

低酸素性虚血脳症

低酸素性虚血脳症とは読んで字の通り脳への酸素供給が少なくなった事、また血流障害によって起きる病態の事を言うねん。虚血部位によって障害程度が変わってくるで。

ほんで低酸素性虚血脳症には一過性全脳虚血と純粋な酸素欠乏(低酸素脳症)の2つがあるんや。

各々の違いは次の通りやで。

  • 一過性が心肺停止などで脳への血流が低下した状態
  • 基底核や海馬に左右対称性に壊死を認める
  • 酸素欠乏状態は血流は保たれているけど、血中酸素濃度が低下している状態
  • 中心溝周囲、鳥距溝周囲、横回などの大脳皮質に壊死を認めて、この時、海馬は障害される事は少ない

こんな感じや。

一酸化炭素中毒

次に一酸化炭素中毒について話していくで。

一酸化炭素中毒は酸素と結合出来るヘモグロビンが減少し結果的に低酸素脳症になる状態やで。淡蒼球、黒質網様部の壊死が特徴的と言われとる。

概要のまとめ

2つの概要が出そろったところで表に纏めておいたで。是非参考にしてな。

原因特徴
低酸素性虚血性脳症ショック、心肺停止など壊死が一過性なら基底核や海馬に左右対称性に認める
酸素欠乏は中心溝周囲、鳥距溝周囲、横回などの大脳皮質に壊死を認め海馬は障害される事は少ない
一酸化炭素中毒火災などで一酸化炭素がヘモグロビンと結合する事で酸素が供給できなくなる事淡蒼球、黒質網様部の壊死

画像所見

低酸素性虚血脳症/一酸化炭素中毒の画像所見

次に画像所見についてや。まとめた方が分かりやすいやろ。下記の通りやで。

場合によっては、CT画像上で脳実質のびまん性浮腫でくも膜下出血と同じような画像所見を呈する事があるから注意やで。

画像所見
低酸素性虚血性脳症一過性は大脳分水嶺領域に多発する梗塞像(T2強調、FLAIR、拡散強調像で高信号)を認め小脳も全体的に梗塞が生じやすい
低酸素脳症は基底核や大脳皮質に拡散強調像やT2強調、FLAIRで高信号を認める
CTではびまん性の脳腫脹やくも膜下腔の狭小化、基底核の不明瞭化などSAHに近い所見を呈する事もある
Grinker's myelinopathyが生じて大脳皮質がびまん性、左右対称性にT2強調やFLAIRで高信号になる
一酸化炭素中毒淡蒼球がT2強調やFLAIR、拡散強調で高信号になる(ADCは低下) 慢性期では空洞状病変になる 

経時的な画像所見の変化も載せておくで。これは低酸素脳症やけどな。

DWIT2WIT1WIFLAIR
急性期(~24時間)小脳半球、基底核、後頭、
頭頂領域の大脳皮質に高信号
DWIの部位に淡い高信号 DWIの部位に淡い高信号
亜急性期(24時間~) 大脳皮質の信号上昇 大脳皮質の信号上昇
慢性期(2週間~) 両側基底核に高信号大脳皮質に沿った弧状の高信号、
両側基底核に高信号
 

Pseudo SAH

Pseudo SAHは読んで字の通りや。本当はくも膜下出血ではないのに、あたかもくも膜下出血のような所見を呈する事や。

原因は低酸素脳症による脳腫脹で低吸収化すんねん。ほんで脳溝やくも膜下腔の狭小化をした結果、脳溝の血管が相対的に高吸収を示す事なんや。これがSAHの所見と似てる事があんねん。

特に鞍上槽のくも膜下腔の高吸収はホンマに似てる事あるから注意やで。

所見は同じようでも原因は全く違うねん。せやから間違えたりしたらアカンやつやねん。

ポイントは脳浮腫の有無やで。浮腫によって脳溝が確認出来るかどうかを見てみるんや。ちなみにこれは予後不良の所見や。

実際の症例

実際の画像や。この症例は適当な症例が無かったからRadiopediaから参照してるで。

この例は低酸素性虚血性脳症でPseudo SAHの例や。脳溝の消失と高信号を認めるやろ。あたかもくも膜下出血のように見えるな。

頭部CT-Pseudo SAH
Case courtesy of Craig Hacking, Radiopaedia.org

この症例も同様や。Pseudo SAHを認めるで。

頭部CT-Pseudo SAH2
Case courtesy of Hoe Han Guan, Radiopaedia.org

次は一酸化炭素中毒の例や。淡蒼球に高信号を認めるな。

頭部MRI-一酸化炭素中毒
左からT2WI、DWI、FLAIR、T2star
Case courtesy of Hidayatullah Hamidi, Radiopaedia.org

鑑別診断のポイント

CJD 低血糖脳症など

次は鑑別診断についてやで。

と言っても基本的にこれらは臨床的に診断がついている事がほとんどやから臨床経過を見れば鑑別に苦慮する事はあらへん。

しいていうなら、低酸素性虚血性脳症はCJD、低血糖脳症、自己免疫性脳症なんかと似てる事があるで。

一酸化炭素中毒の場合は、淡蒼球に高信号を示す疾患、Kearns-Sayres症候群や加齢性変化などがあるんや。

まとめ

という事で、今日は2つの疾患についてレクチャーしたで。ポイントは2つだけや。

臨床経過を確認する

各々の画像所見を知っておく(Pseudo SAHや淡蒼球の高信号)

画像所見については該当の箇所で復習しておくんやで。低酸素脳症の時のCT画像やと、高度にびまん性脳浮腫を認める事があって、これをくも膜下出血と勘違いしないように注意が必要やったのも忘れんようにな。

臨床情報が無い状態やと、一見してくも膜下腔が高吸収のように見える事があるからな。

さて今日はこのくらいにしとこか。あまり長くやっても疲れてまうからな。インスタのフォロワーさんにもコミュニケーションとらなアカンし。適度に休憩が必要や。

おっ!1人フォロワーが増えてるやん!コミュニケーションせな!

ってな訳で、もうレクチャーは終いや!

ほな、精進しいやー!