ビックマック指数って知ってる?
ビックマック指数?
せや。簡単に言うと世界のビックマック価格で国の経済力や物価などを評価する事や。
日本は2024年時点でトップ40にも入ってへんねん。2000年前後はトップ5におってアメリカよりも高かったんやで。
日本って貧しくなってるんやなって実感してもうて・・・
もくじ
多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)とは
多系統萎縮症の概要
ちょっとセンチメンタルになってもーたけど、気を取り直して今日のレクチャーを始めてくで。
今日は多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)や。パーキソニズムを呈する神経変性疾患の1つやで。
MSAは、元々、オリーブ橋小脳萎縮症とShy-Drager症候群、線条体黒質変性症という別疾患があったんやけど、この3疾患について共存する事が多かったために、ひとまとめにしようとして出来た疾患名や。
現状ではMSAの中で、小脳症状が優位なのをMSA-C、パーキンソン症状が優位なのをMSA-Pとしてるで。
ちなみにMSAは脊髄小脳変性症の一つに分類されてんねん。
詳しくは下記の図で確認してくれや。

パーキンソニズムを呈する疾患一覧
参考までに、パーキンソニズムを呈する疾患一覧と病型を載せておくで。
一言で神経変性疾患と言っても多くのパターンと原因があって、実は画像診断が重要な役目を果たしたりすんねん。
- パーキンソン病(PD):Yahr分類
- 進行性核上性麻痺(PSP):PSP-RS、PSP-P、PSP-PFG、PSP-CBS、PSP-SL、PSP-C
- 多系統萎縮症(MSA):MSA-C、MSA-P
- 大脳皮質基底核変性症(CBD)
- 本態性(薬剤性)振戦
臨床所見
臨床症状は、パーキソニズム、小脳症状、自律神経障害、錐体路障害があって、これらは進行性で、かつ各々が様々な程度の症状と組み合わせて出てくるで。
MSA-PとMSA-Cは最初は別の臨床症状が出現すんねんけど、進行してくると共通の症状になってくるわ。
重症度分類
MSAにも重症度分類があって、PSPと同様に日本版modified Ranking Scale(mRS )で重症度分類がされるで。
0~6まで分類されてて、0が無症状で6が死亡や。詳しく知りたい人はmodified Ranking Scale(mRS)で検索すれば詳細が出てくるで。
ここまで技師はんが知っておく必要はあらへんと思うから、あくまで紹介までや。
原因
MSAの原因は、自律神経核や大脳皮質運動野の変性と言われとるわ。
変性脱落にはαシヌクレインの蓄積が関係してるんやけど、なんで蓄積するのかの大元の原因は分かってへん。
好発年齢は40代以降で、予後は良くあらへん。
治療法
MSAもPDやPSPと同じように根本的な治療法はあらへんねん。これが上で予後が良くないと言った理由や。
せやから投薬治療がメインになるんやけど、徐々に進行していってまうねんな。罹患期間は9年程度やと言われとる。
画像所見
多系統萎縮症の画像所見
MSAの画像所見についてや。これはMSA-PとMSA-Cでそれぞれ特徴的な所見があるから順に話していくで。
MSA-P
MSA-Pの画像所見は、何と言っても被殻の外側にスリット状の高信号域がある事や。これはT2強調で認めるで。
原因は被殻の萎縮や。上記のスリット状の所見に合わせて、萎縮を伴っているかどうかもポイントやで。
萎縮が無ければ生理的な可能性もあるからな。
他には、同部の鉄沈着の有無も原因やったりするで。これは基本的に両側性なんやけど、初期の場合は左右差を認める事も多い点に注意や。
MSA-C
MSA-Cは脳幹や小脳の萎縮と、橋横走繊維変性による十字状のT2強調画像での高信号や。
T字型に見える場合もあるで。これはhot cross bun sign:HCBSと呼ばれてるサインや。
他には中小脳脚も高信号になる時があるな。
各々の所見をまとめるとこんな感じや。
- MSA-P:被殻の萎縮と被殻外側にスリット状の高信号
- MSA-C:脳幹や小脳の萎縮と、橋横走繊維変性による十字状のT2強調画像での高信号(hot cross bun sign)
実際の症例
ほな実際の画像を見ていこか。
MSA-Pの症例や。両側の被殻の外側にスリット状の高信号と萎縮しているの分かるやろ。これがMSA-Pの特徴的な所見やねん。

こっちはMSA-Cの症例や。脳幹に十字の高信号を認めるな。これはHCBSやで。

鑑別診断のポイント
パーキンソニズム症状を呈する疾患の鑑別
鑑別診断やな。これは他のパーキソニズムを呈する疾患との鑑別が重要や。
下の表はPDやPSPの時にも出したものや。基本的にこれくらいは覚えておく必要があるで。
個々のレクチャーについても参照してみてな。
- パーキンソン病(PD):MRI上は特異的な所見がない
- 進行性核上性麻痺(PSP):中脳被蓋の萎縮と第3脳室の拡大
- 多系統機能萎縮症(MSA):基底核外側にスリット上、橋底部に十字状のT2高信号
- 大脳基底核変性症(CBD):左右対称性の前頭後頭葉~頭頂葉の萎縮 中脳被蓋の萎縮
- 本態性(薬剤性)振戦:DAT-SCANで被殻の集積低下の有無
まとめ
今日は多系統萎縮症をやったで。MSAの画像所見におけるポイントは1つや。
MSA-Pは被殻の萎縮と外側の高信号、MSA-CはHCBSが特徴的な所見
この辺りを覚えておくのと、他のPSPやCBDの画像所見を照らし合わせる事でパーキソニズムの画像診断能力は格段に上がるで。
ちなみに、本態性(薬剤性)振戦は基本的に画像に所見はあらへんくて、原因となる薬剤の使用を中止すれば症状も出へーんようになるで。
こんなふうに、まだ覚えなアカン事は沢山あるで。一番最初に画像を見るのは技師はんやからな。そこで所見に気がついてくれて追加撮影しておいてくれると、読影者としては、かなり助かるねん。
なんかビックマック食べたくなってきたわ。世界に比べて安いらしいから爆買いしたろかな。
ってな訳で今日はこれで終わりにするで。
ほな、精進しいやー!