ついこの間、読んだ本に心理的安全性について書かれてたんよ。知ってる?心理的安全性?
初耳です。なんですかそれ?
やろな。ワシも知らんかったもん。
簡単に言うと心理的安全性っちゅーのは上下関係無く自由に意見が言える環境って事らしいねん。
こんなん絶対あらへんと思うやん?
でも天下のgoogle様がやった実験で心理的安全性が高い方が生産性が高いちゅー結果が出てるらしいねん。他には離職率が低かったり、収益性が改善されたり、上役からの評価される機会が従来よりも多くなったりと良い事ずくめやったらしいねん。
要因 |
結果 |
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心理的安全性を損なう要因 |
無知だと思われる不安 |
質問しづらくなる |
無脳だと思われる不安 |
ミスを報告しなくなる |
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邪魔をしていると思われる不安 |
発言をしなくなる |
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ネガティブだと思われる不安 |
意見を言わなくなる |
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心理的安全性を高める要因 |
話しやすさ |
何を言っても大丈夫な雰囲気 |
助け合い |
トラブルが起きても人を責めない |
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挑戦 |
とりあえずやってみる |
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新奇歓迎 |
個性が強くても排除しない |
ただこれは医療業界では厳しいやろな。特に昔ながらの感じでやってる組織にはな。
小さいグループから変えていくのが1番の近道かもしれんな。
さて、今日もレクチャーしてこか。行くで!
もくじ
髄膜炎(meningitis)とは
髄膜炎の概要
今日は髄膜炎についてやっていくで。
髄膜炎やけど、一言で髄膜炎と言ってもいくつも分類があんねん。代表的なものだけでも細菌性、無菌性、感染性、非感染性なんかがあって、これらは原因によって分けられてんねん。その中で覚えておくべき画像所見を呈するヤツもあるから、順に話していこかな。まずは髄膜炎の概要からや。
原因
髄膜炎ってのは、その名の通り髄膜に炎症が起きてしまってる状態や。原因はさっき言った通り細菌やウィルスやったり結核やったりするで。
感染元の種類
種類としては細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、無菌性髄膜炎、感染性髄膜炎、非感染性髄膜炎、こんなあたりやな。
感染性髄膜炎にはウィルス性、真菌性なんかが含まれて、非感染性には自己免疫性、薬剤性などが含まれるで。
ちなみに成人の細菌性髄膜炎の致死率は15~30%とも言われとる。結構高いねんで。
後は結核菌はヒトーヒト感染をするから注意や。最近は薬剤耐性がある結核菌も出てきてるらしいからな。とは言っても今の日本じゃ目にする機会はそれほどは多くないのも事実や。
教科書やサイトによっては表記に若干の違いはあるけども、基本的な特徴は次の通りやで。これらは最終的には腰椎穿刺にて診断するねん。
原因 | 特徴 |
---|---|
細菌性 | 頭痛、発熱、項部硬直、意識障害が特徴 肺炎球菌の頻度が高い 無菌性と比較して重症度が高い事が多い |
結核性 | 頭痛、発熱、嘔吐、意識障害、ものが2重に見えるなどが特徴 結核菌が原因 |
無菌性(ウィルス性) | 頭痛、発熱、嘔吐、項部硬直が特徴 クリプトコッカスやエンテロウィルスが多い |
非感染性 | 頭痛、項部硬直 自己免疫性、薬剤性などがあり細菌性と比較して症状や進行はゆっくりな事が多い |
この中で注意しなければアカンのが細菌性髄膜炎やとも言われとる。細菌性髄膜炎は治療しても致死率は20%前後っちゅー数字が出てんねん。加えて生存者の30%程度に後遺症(脳神経障害、認知機能障害、片麻痺など)が残ったりすんねんで。結構アカン病気やろ。
ちなみに、この中で細菌性髄膜炎とウィルス性髄膜炎は急性の経過を示すんやけど、ウィルス性髄膜炎は1週間程度の投薬で治癒する事が多いねんで。
画像所見
髄膜炎の画像所見
次に画像所見についてや。原因別で多少の違いはあったりもするんやけど、基本的な画像所見は決まってるから、まずは大枠を押さえておくべきや。
まず、FLAIRで脳表のくも膜下腔や髄膜の炎症性の滲出物が高信号として描出される点や。これは脳脊髄液に異常が無くても起きる事もあるから注意やで。あとは脳溝や脳槽も高信号になるで。
次に造影後の画像での髄膜の異常造影効果や。脂肪抑制のT1で撮影するとよく抽出されると言われてるからシーケンス選びもしっかりな。後は拡散強調画像での脳表の高信号や。これは膿瘍を見てるで。梗塞と間違わへんようにな。
せやせや、結核性髄膜炎は脳底槽からシルビウス裂にかけて厚い増高効果域を呈する事が多いという点も知っておくとええで。これらの所見を知っておけば検査の時も有効やからな。
簡単にやけど、まとめておいたで。
画像所見 | 備考 | |
---|---|---|
髄膜炎 | FLAIRでの脳表、くも膜下腔、脳溝、脳槽の高信号 造影後の髄膜の異常信号 拡散強調での脳表の高信号 | 結核性は脳底槽からシルビウス裂にかけて厚い造影効果を認める事がある |
髄膜の解剖
髄膜は硬膜とくも膜、軟膜を総称したものというのは知ってるよな?
硬膜をdura-mater、軟膜をpia-materと言うねんけど、この頭文字を取って硬膜優位の造影パターンをDA-pattern、軟膜優位の造影パターンをPS-patternに分けてんねん。各々のパターンで鑑別すべき疾患が違ってくるで。
ちなみに、DA-patternは低髄液症候群、腫瘍性、自己免疫性などがあって、PS-patternは髄膜炎、肉芽腫性、もやもや病なんかがあんねん。
ただ、これらは明確に分けられなくて混在するパターンも多くあるで。これらの見分け方やねんけど、造影される膜が硬膜に沿ったパターン、言い換えると脳表に沿って蛇行していないパターンがDA-patternや。
一方で脳表に沿った造影効果、言い換えると蛇行したパターンがPS-patternや。
それで見分けるとええで。
実際の症例
実際の画像を見ていこか。髄膜炎の症例や。左のシルビウス裂に造影効果を認めるで。精査の結果、結核性髄膜炎と診断されてんねん。
鑑別診断のポイント
鑑別診断について
さて、鑑別診断についてやけど、まず前提としてこれら画像所見から原因を特定するのは難しい事は知っておくべきや。鑑別には臨床所見や経過が重要になる事が多いわな。
その中でもFLAIRで同様の所見を呈す疾患は、くも膜下出血や癌性髄膜炎などがあるな。造影効果が同様なのは、低髄液症候群やサルコイドーシスなんかがあるわ。臨床所見と合わせて鑑別することが重要やで。
FLAIRによる髄液の高信号は高酸素投与下でも起きる事があるで。髄膜の増強効果は癌性髄膜炎や低髄圧症候群なんかでも認めるわな。これは臨床経過の確認が重要や。一応、合併症状から推測する事も出来るというデータもあるんやけど、まぁ技師はんはそこまではせんでもええと思うで。
ちなみに、肺炎球菌は肺炎や中耳炎に合併してる場合に多くて、痙攣や水頭症、脳血管障害の合併も多いと言われてるわ。
鑑別診断については下記でも話してるで。
まとめ
今日は髄膜炎についてレクチャーしたで。ポイントは2つや。
臨床症状とFLAIR、造影画像で硬膜の造影効果の有無
DS-patternとPS-pattern
上でも話したけど、原因までは画像診断では分からへん。せやけど少なくとも髄膜炎疑いとして引っかける事は重要や。それにはどんな画像所見なのかを知っておく必要があんねんな。スルーするとえらい事になるからな。
さて、今日はもう締めるわ。頭部の画像所見もだいぶやってきたな。
どこかのタイミングで復習しておくと、より記憶に定着するで。
ほな、精進しいやー!