自分、ネッシーって知ってる?
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ん?なんやその顔は。まさかネッシー知らんのかい?結構有名やで? ツチノコと双璧を成すレベルや。
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・・・ま、まさか、ツチノコも知らんのか・・・
もくじ
虚血性大腸炎(ischemic colitis)とは
虚血性大腸炎の概要
とうとう、ここまで来たかって感じやな・・・
・・・さて、気を取り直して、今日は虚血性大腸炎や。
虚血性大腸炎は読んで字の通り、大腸への血流が途絶える事で炎症に発展する病気やねん。
腹部大動脈や上腸間膜動脈、下腸間膜動脈に明らかに閉塞を認めへん状態で腸管への虚血が起きて、腸管壁に障害が起きて炎症になるんや。
虚血になる原因は複数あるんやけど、高血圧などの基礎疾患の関連が高いと言われてるで。
一般的に高齢者に多い傾向があるんやけど、最近は年齢層が若年化してきてるって話も聞くな。
臨床重症度によって一過性(正常に回復するケース)、狭窄型(瘢痕が狭窄の原因となるも治癒するケース)、壊死型(腸管壊死にまで至るもの)の3つに分類されんねん。重症化して腸管壊死までになると、当然予後も悪くなるで。
下行結腸に多い傾向があるで。
大腸の解剖
大腸の解剖についてはこんな感じや。もし知らん人がおったら、これを機に知っておいてな。

虚血性大腸炎の原因
主なものとして、血管側の問題やと糖尿病や高血圧、動脈硬化あたりで、血管以外の原因は脱水や便秘なんかや。
このうちどれかで発症するんやなんくて、いくつかの要素が複合的に絡んで発症すると考えられてるで。
上記を見ると、基礎疾患の有無が関係しとるのが分かるな。生活習慣病は万病のもとや。
好発年齢は60歳以上やと言われとるが、冒頭で話した通り若い人にも発症するケースが多くなってきてるで。
臨床症状
症状は急性発症の腹痛、嘔気、下痢、下血や。この腹痛、血便、下痢を3大症状と呼ぶ事もあるで。
他の症状としては、体の左下腹部が痛む事が多いようやな。これは病変が左結腸優位に発症する事と関係してんねん。
腸炎に関しては、おおよそ右結腸は細菌による炎症が多くて、左結腸は血管などが原因の炎症が多いで。

治療法
治療法は基本的に保存療法や。食事制限と水分補給で腸を休ませて回復させんねん。
ただ中には絶食が必要なケースもあって、この場合は入院治療になるパターンが多いようやな。
炎症で狭窄したり壊死で穿孔してたりする場合は外科的手術が必要になるで。
ちなみに高齢者で動脈硬化性疾患と便秘を有する人は、壊死型のHigh Riskグループと言われてるんや。
このパターンの人が虚血性大腸炎になると、全身性炎症反応症候群や腹膜刺激症状の有無、画像所見で手術するかを決定すんねん。
これまでの内容を簡単にまとめるとこんな感じやな。
- 虚血性大腸炎
- 症状 :急激な腹痛、吐き気、下痢、下血
- 診断基準:急激な腹痛、血便、左側結腸優位の病変、抗生剤未使用、培養で細菌が陰性
- 治療法 :絶食、補液、腹痛に対する対処療法
画像所見
虚血性大腸炎の画像所見
次に画像所見についてや。虚血性大腸炎は左側結腸優位に画像所見が見られるで。
主な所見は次の通りや。
- 腸管壁の浮腫性変化
- 粘膜下層の壁肥厚(target sign)
- 周囲の炎症所見(脂肪組織濃度上昇)
- 壊死の有無
これらはCTでの所見やけど、注腸では母指圧痕増や嚢形成、内視鏡では発赤、浮腫、出血、管腔狭小化などがあるで。
まぁここまでは覚えとく必要は無いかもしれんな。ただCTの画像所見は覚えといてや。
実際の症例
50代の女性で下血精査でCTを実施してんねん。左結腸に浮腫を伴う壁肥厚を認めると思う。精査で虚血性大腸炎の診断となってるで。
特に単純画像やと軽微な所見は見逃しやすいから注意してな。

別症例や。40代男性で下腹部痛の精査や。下行結腸に粘膜下層の肥厚を認めるで。

鑑別診断のポイント
他の大腸炎疾患
上で少し出したけど左結腸優位に所見がある腸炎は他にもあんねん。主なもんは潰瘍性大腸炎、偽膜性腸炎なんかや。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は、粘膜肥厚と内腔狭小化、直腸から近位側結腸へ進行する事が鑑別ポイントや。進行すると結腸全体に波及するで。
偽膜性腸炎
偽膜性腸炎は直腸~下行結腸の腸管壁の肥厚と30%程度に腹水を伴う事、頻度は低いんやけど、アコーディオンサイン(著明な結節状ひだ肥厚)なんかやで。
NOMI(非閉塞性腸管虚血)
他にも結構あんねんけど、その中で覚えておく疾患にNOMI(非閉塞性腸管虚血 non-occlusive mesenteric ischemia)があるで。
これは上腸間膜動静脈に狭窄や閉塞が認められへんのに腸管虚血になる病気や。重篤な基礎疾患を持ってる人に発生するとされとるな。
腹痛が症状やったりするんやけど、初期は3割程度で症状も無いケースもあるで。これといった画像診断の特徴はあらへんねんけど、smaller SMV signが有効だったりするな。
通常の血管径はSMV>SMAやねんけど、虚血で動脈に血流が行かへんもんやから、SMVに血流が返ってこーへんくて、SMVが潰れて一見SMA経が大きく見える現象やねん。ちなみにSMAは動脈やから血管壁が厚くて、血流が少なくても血管経が潰れへんねんで。
ただこのsmaller SMV signもNOMIに特異的な所見じゃないから注意が必要や。
腸管虚血があって、SMV閉塞症が無い、絞扼なども無い場合にこのサインがあれば可能性があるって感じや。
この辺りを鑑別ポイントとして覚えておくと良えで。
各々をまとめるとこんな感じや。
- 潰瘍性大腸炎
- 大腸粘膜肥厚と内腔狭小化、1/4で回盲部に病変、直腸から近位側結腸へ進行
- Crohn病
- 腸管壁肥厚と狭窄、回腸末端に好発、Skip leasion
- 偽膜性腸炎
- 直腸~下行結腸の壁肥厚と1/3程度に腹水、アコーディオンサイン
- アメーバ腸炎
- 直腸~S状結腸、盲腸~上行結腸に好発
- 住血吸虫症
- S状~下行結腸に好発
- 非閉塞性腸管虚血(NOMI)
- 腸間膜動静脈に狭窄や閉塞無し、smaller SMV sign、腸管内ガスや門脈内ガスは腸管壊死のサイン
まとめ
今回の虚血性大腸炎のまとめや。ポイントは2つ。
虚血性大腸炎は左結腸優位に発症する事が多く、腹痛、血便、下痢が3大症状
浮腫性変化、粘膜下層の壁肥厚、周囲の炎症所見などが主な画像所見
こんな感じやな。
MRIよりはCTで診断される事が圧倒的に多い疾患やで。ある程度、特徴的な画像所見があるから覚えておくようにな。
今回は虚血性腸炎やったけど、腸炎には他にも種類があんねんで。まだまだ覚える事は沢山あるって事や。
こんくらいで根上げてたら今後持たへんで。最後までついてくるんやで!チュパカブラ!
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・・・ま、まさか、チュパカブラも知らんのか
・・・ほな、精進しいやー・・・