なぁ、肩痛の原因って何があると思う?
さぁ、腱板損傷とかですかね。
まぁ普通に考えるとそうなるわな。
でも肩に異常が無くて、他に原因があるとしたらどうや?
もくじ
Pancoast腫瘍(pancoast tumor)とは
Pancoast腫瘍の概要
今日はPancoast(パンコースト)腫瘍についてレクチャーしてくで。
Pancoast腫瘍ってのは肺尖部原発の肺癌のみに使われんねん。なんでここだけ別名がついてるかって話しなんやけど、肺尖部周囲には腕神経叢や傍脊椎交感神経幹、星状神経節があって、そこに病変が浸潤する事で肩や上肢の疼痛なんかが起きんねん。
肺野にできる肺癌やと、整形症状が出る事はほどんどあらへん。あっても骨転移による疼痛や。でもPancoast腫瘍は肩痛なんかがおきんねん。
そんな訳で原因は肺癌なんやけど、臨床症状から整形領域で検査しても異常なしになる事があんねん。せやから判明した時点で進行してしまってるパターンも多いんや。
組織型は扁平上皮癌が多いと言われてるけど、腺癌や大細胞癌の事もあるで。主な概要は下記の通りや。
- 肺尖部原発の肺癌の事をPancoast腫瘍と呼び、組織型は扁平上皮癌が多い
- 肺尖部腫瘍が腕神経叢や傍脊椎交感神経幹へ浸潤、圧迫をする事で、Pancoast症候群と呼ばれる肩や上肢の痛み痺れや、眼瞼下垂などのHorner(ホルネル)症候群が起きる
- 腕神経叢に浸潤した場合、まずC8、T1の神経に影響が出るため4指、5指の痺れや痛みが出現する
- 咳嗽や血痰などの症状が無い場合も多く、整形領域で受診/通院をしている場合もある
- なおPancoast症候群は臨床症状の原因が肺腫瘍、胸膜腫瘍、転移、血液腫瘍、炎症性疾患、感染性疾患などの時に使われ、Horner症候群を含む事もある
- Horner症候群 眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥凹、一側顔面発汗低下が主な症状で、交感神経遠心路の障害によって起きる

Pancoast腫瘍の原因と治癒率、病気分類
これは肺癌と一緒や。肺癌のページを参考にしてくれや。
画像所見
これも肺癌に準じるで。
扁平上皮癌の場合は、辺縁が比較的平滑で分葉状の腫瘤影や。周囲に対して圧排しながら発育していって、内部に壊死による不正な空洞を認める場合もあるで。
腺癌の場合は、すりガラス陰影やスピキュラ、胸膜嵌入像なんかや。
小細胞癌の場合は、境界明瞭な類円形や多角形腫瘤を認めるで。
実際の症例
次に実際の画像や。50代男性で右背部痛精査でPancoast腫瘍と診断された例や。
別途、Horner症候群も合併してたとの記載や。FDG-PETの画像も載せておくで。右肺尖部に高集積を認めるな。



このように肺癌でも肺尖部に腫瘍が発生するのをPancoast腫瘍と呼んでんねん。どうしても初期症状が頚部痛や肩痛、痺れなんかの整形領域になるからそっちに受診してしまうねんな。
ただ頚椎正面像で良く見ると写ってる事もあるから、中にはPancoast腫瘍のケースもあるって事を知っておくのが重要やで。
鑑別診断のポイント
胸膜肥厚
鑑別診断についてや。これは何回も言ってるように鑑別というよりは、整形の症状でも肺癌が原因になるパターンを知ってるかどうかやな。
胸部Xpやと胸膜肥厚を認めるんやけど、これはPancoast腫瘍以外でも見られる所見や。左右の非対称性をヒントにするとええと言われとる。
他にApical capが5mmを超える場合はPancoast腫瘍の可能性があるとの話しもあるで。
ちなみにApical capってのは肺尖部胸壁に沿った平滑/波状の辺縁の帯状陰影の事を言うんや。高齢者でも良くみられる所見で、通常は特に病的意義は無いとされとる。Apical capも載せておくで。

他には肩痛の原因として整形領域のものもあるで。代表的なのが下記のようなものや。合わせて確認しておいてもらえるとええな。
まとめ
今日はPancoast腫瘍についてレクチャーしたで。ポイントは3つや。
Pancoast腫瘍は肺尖部原発の肺癌の事を言う
症状は肩痛や痺れなど、整形領域の事が多いために発見が遅れる事がある
Pancoast症候群やHorner症候群も診断の手助けになる
こんなふうに肩痛の原因が肺癌なんて事もあんねん。こういったケースもあるってのを知っておくのは重要やで。
Pancoast腫瘍って名前だけは聞いた事があったんですけど、実際に詳しくは知りませんでした。
今回で学べたやろ。ドクターからPancoast腫瘍疑いですって言われて分かった上で検査するのと、分からずに検査するのだと最終的な画像の質も違ってくるやろしな。ちなみに、まだまだ覚える事は沢山あるからな。
ほな、精進しいやー!