救急5

【臨床症状】20代 下腹部痛

【問題】画像所見と診断名は?

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    • 上腹部から下腹部にかけて腹水を認める
    • CT値では30HU以上であるため、血性腹水である事が分かる(膀胱の濃度と比較すると高吸収なのが分かる)
    • 右卵巣周囲に高濃度域を認め、出血元が疑われる
    • 上記より右卵巣黄体嚢胞の破裂による腹腔内出血疑い(確定診断のためには造影検査、もしくはMRI検査が必要)

    【卵巣出血】

    ・卵巣出血は大きく次の3つに分類される

    1. 外因性出血:外傷や採卵時などの外力によるもの
    2. 内因性出血:出血性素因によるもの
    3. 特発性出血:卵胞出血や黄体出血などによるもの

    ・機能性(卵胞や黄体)嚢胞は、内部に出血したり破裂することがあり、急性腹症の原因になる

    ・黄体嚢胞が破裂しやすく、黄体が形成される月経周期後半に性交などが原因で破裂したりする

    ・破裂すると血性腹水により腹膜刺激症状を認めたり、出血量によってはショック状態になる事もある

    ・出血量は卵胞出血の方が少ないと言われている(排卵時の破綻出血によるため)

    ・画像所見は卵雄内に出血を認め、液面形成を認める事がある

    ・破裂すると、血性腹水を認め卵巣は相対的に低吸収域として確認できる

    ・造影CTでは黄体嚢胞の壁に造影効果を認める事もある

    ・またExtravasation(造影剤の血管外漏出)を認め出血源が特定できることもある

    ・異所性妊娠破裂との鑑別は、胎嚢の有無が確認できるかどうか

    参考書籍:婦人科MRIアトラス 改定2版、すぐ役立つ救急のCT・MRI 改定第2版