救急31

【臨床症状】70代 男性 検診精査 前立腺癌の既往あり

【問題】画像所見と診断名は?

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    • 左上葉に空洞性病変(約3cm)を認め、周囲には浸潤影(すりガラス陰影)も確認できる
    • また左胸膜に石灰化を認めるが、臓器側に存在しているようにも見え、上記所見と合わせてまずは(2次性)肺結核が疑われる
    • その他、左S1+2に約3cmの辺縁不正の腫瘤影も認める
    • スピキュラ、葉間胸膜の引き込みも認め肺癌が強く疑われる
    • 縦隔リンパ節の腫大は認めない
    • 上記より、左上葉肺結核、肺癌疑いとなる
    • 他の所見として、左上葉にブラ、両肺に気腫性変化、両肺上葉に胸膜肥厚など

    【肺結核】

    ・肺結核とは結核菌(Mycobacterium tuberculosis)による感染症のこと

    ・肺結核症は、感染、発病の間にリンパ行性、血行性、管内性といった様々な菌の転移様式をとる

    ・肺結核症の経過は、感染による滲出性反応、特異的免疫による増殖性反応、壊死細胞が排除されてる事による空洞形成、結核菌の封じ込めによる硬化性反応の順に経過する

    ・硬化性反応では、肉芽腫による結核菌の封じ込めが起こり、次第に硬い組織に変化していくが、内部には結核菌が存続しており、数年~数十年後の内因性再燃の原因となり得ると言われている

    ・また結核症は次のように分類される

    <一次結核症>

    • 結核菌に感染後、すぐに発症した状態
    • 免疫が低下した高齢者に多い
    • 結核菌が肺胞に達し感染が成立しても、免疫機能などにより被包化され通常は治癒に至る
    • しかし一部で治癒が成立せずにリンパ行性、血行性の進展が続き、発症に至る事があり、これを一次性(初感染)結核と呼ぶ

    <二次結核症>

    • 初感染時に肺胞が被包化されると大部分はそのままだが、一定期間経過後に何らかの理由で病巣が破綻した結果、結核菌が活動し発症した状態
    • 経気道的に散布され、上肺野に病変を作る

    <気管支結核>

    • 結核菌が気管や中枢気管支の粘膜を侵す病態
    • 肺病変と比較して気管や気管支病変が著しい場合のことを指す
    • 若年女性に多く、左主気管支が侵される事が多い

    <粟粒結核>

    • 結核菌が全身性に血行性に散布され、微小結核結節を形成する病態
    • 宿主が何らかの免疫低下の状態である事が多い

    ・画像所見は、活動性病変の場合はS1、S2、S6中心に粒状影、結節影を認め、空洞を形成することもある

    ・またtree-in-bud appearanceも見られる事がある

    ※tree-in-bud appearance:小葉中心性の境界明瞭な粒状影と連続する樹枝状影

    ・免疫低下状態での結核では、空洞病変など典型的な画像所見を認めない事がある

    参考書籍:困ったときの胸部の画像診断

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