救急33

【臨床症状】80代 下腹部痛と嘔吐

【問題】画像所見と診断名は?

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    ▶答えはこちら
    • 小腸の拡張と二ボー像を認める
    • 右鼠径部でのcaliber changeを認め、Beak sign、ヘルニア水も認める
    • またClosed loopを形成している可能性あり
    • 下腹壁静脈の内側からヘルニアを認める事から、内鼠経ヘルニアによる絞扼性腸閉塞が疑われる
    • 他の所見は、右肺中心に浸潤影疑い、腎嚢胞疑い
    口側腸管ではBeak signを認め、肛門側腸管では虚脱を認める

    【外ヘルニア】

    ・外ヘルニアは腹腔内臓器が腹腔外に脱出した状態

    ・急性腹症の原因にもなり、腸管が嵌頓して機械性腸閉塞として発症した場合は、腸管の虚血を伴う絞扼性腸閉塞の状態にもなるため、早期の診断と治療が必要

    ・画像所見は小腸の拡張と二ボー像、ヘルニア嵌頓の有無などで、大腸が逸脱することは少ない

    ・ヘルニアを起こす部位別に次のようなヘルニアがある

    <閉鎖孔ヘルニア>

    • 恥骨筋と外閉鎖筋の間の閉鎖孔から腸管が逸脱している状態
    • 逸脱するのは小腸がほとんど
    • 高齢女性に多い

    <大腿ヘルニア>

    • 鼠経靭帯の背側から、大腿静脈と大伏在静脈の内側を沿うように腸管が逸脱している状態
    • 高齢女性に多い
    • 鼠経ヘルニアと比較すると頻度は少ない

    <鼠経ヘルニア>

    • 鼠経靭帯の腹側から腸管が逸脱している状態
    • ヘルニア嚢が下腹壁静脈の外側にあると外(間接)鼠経ヘルニア、下腹壁静脈の内側にヘルニア嚢があると内(直接)鼠経ヘルニアと呼んでいる
    • 外鼠経ヘルニアは男児に多く、内鼠経ヘルニアは高齢男性に多い

    参考所見:すぐ役立つ救急のCT・MRI 改定第2版