【臨床症状】80代 PIVKA-2:789 HCCもあり
【問題】画像所見と診断名は?
➡ 冠状断(造影)
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- 動脈相にてS2、S3、S4、S5に小斑状の早期濃染を認めるが、平衡相では認めない
- 肝内胆管の拡張や壁肥厚、胆道気腫などの所見は認めないが急性胆管炎が疑われる
- またS8には既知のHCCを認める(早期濃染、Wash outを認める)
- 他の所見として、胆石、胆嚢線筋腫症、肝硬変(S1の腫大)、両側腎嚢胞あり
【急性胆管炎】
・急性胆管炎は胆管内に急性炎症が発症した病態で、胆管内の細菌の存在と胆管内圧の上昇が不可欠
・炎症が伸展することで、肝膿瘍や敗血症にまで至る事がある
・起炎菌はグラム陰性菌が多い
・臨床症状は、発熱、右上腹部痛、横断の3つが特徴的で、これらをCharcot3徴と呼んでいる
・Charcot3徴に、意識障害とショック状態を加えたものをReynolds5徴と呼び、これを満たした乗田を急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)としている
・総胆管結石、良性胆道狭窄、胆道の吻合部狭窄、悪性疾患による胆道狭窄などが要因としてある
・急性胆管炎の重症度判定には次のような基準がある
- 重症急性胆管炎:ショック、菌血症、意識障害、急性腎不全のいずれかを伴う場合
- 中等症急性胆管炎:黄疸(>2.0mg/dl)、低アルブミン血症(<3.0g/dl)、腎機能障害(Cr値が1.5mg/dl以下)、血小板減少(<12万/mm³)、39度以上の発熱
- 軽傷急性胆管炎:重症、中等症を満たさないもの
・画像所見としては、CTでは胆管拡張(8mm以上で拡張疑い、10mm以上で拡張)、胆嚢壁肥厚、造影効果、Dynamic早期相での肝実質の不均一濃染などがある
・MRIでは、胆管拡張、胆管粘膜浮腫、胆管周囲の浮腫や液体貯留などで、CTと同様にDynamic動脈相で不均一濃染を認める
参考書籍:すぐ役立つ救急のCT・MRI 改定第2版