【臨床症状】40代 下腹部痛 下血
【問題】画像所見と診断名は?
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- 下行結腸からS状結腸にかけて腸管壁の浮腫性変化を認める
- 左半結腸に優位なこと、中年女性、下血を認める事から虚血性大腸炎が最も疑われる
- 壊死を認めるような所見はない
- その後、保存的治療(投薬)にて軽快
- 他に特筆すべき所見なし
【虚血性大腸炎】
・虚血性大腸炎はその名の通り、大腸の虚血状態が原因で炎症が進行している状態
・好発年齢は60代
・直腸を除く左半結腸に発生し、下行結腸、S状結腸に多い(区域性に病変を認める事が多い)
・急性発症が多く、虚血の背景に動脈硬化がある場合が多い
・その他のリスク要因としては、うっ血性心不全、肥満、糖尿病、低血圧、便秘、経口避妊薬の服用など
・臨床重症度により次の3つに分類されている
- 一過性
- 狭窄型
- 壊死型
・壊死型のハイリスクグループには、動脈硬化と便秘を持つ高齢者が該当する
・全身性炎症反応症候群、腹膜刺激症状や画像所見によって、外科的処置が決定をする
・画像所見は浮腫性の腸管壁肥厚で、壊死にまで至ると菲薄化、腸管気腫を認める事もある
参考書籍:わかる!役立つ!消化管の画像診断、すぐ役立つ救急のCT・MRI 改定第2版