救急53

【臨床症状】20代 USで右卵巣に5㎝大の腫瘤精査

【問題】画像所見と診断名は?

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※ T2WI、T1WI、T2-FS、T1-FS、CE、サブトラの順に表示

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    • 各種シーケンスにて右卵巣に4cm大の腫瘤影を認める
    • T1WI、T1-FS共に腫瘤辺縁が高信号である事から右卵巣黄体嚢胞出血と診断できる
    • 造影効果は認めない事、少量の腹水は認めるも血性腹水ではない事から、腹腔内や後腹膜への出血は無い事が分かる
    • 他、特に特記すべき異常所見はなし

    【卵巣出血】

    ・婦人科関係における急性腹症の原因には主に次の2つがある

    • 子宮外妊娠(異所性妊娠)
    • 卵巣出血

    ・子宮外妊娠は、卵管妊娠による卵管破裂での腹腔内出血、卵巣出血は黄体嚢胞の出血によるものが多い

    ・卵巣出血には次のようなものがある

    1. 卵胞出血
    2. 黄体出血
    3. 妊娠黄体出血

    ・機能性(卵胞および黄体)嚢胞は内部に出血する事があり、特に黄体嚢胞は何らかの原因(外傷や性交など)により破裂し腹腔内(後腹膜腔)に出血する事がある

    ・黄体が形成される月経周期後半に多い

    ・時に腹膜刺激症状も認めたり、ショック状態になったりする

    ・子宮外妊娠との鑑別は妊娠反応検査

    ・画像所見は、CTでは卵巣内出血に留まっている場合だと不均一な高吸収域を示す腫瘤を認める事がある

    ・破裂すると血性腹水を認め、相対的に卵巣は低吸収域として認める

    ・黄体嚢胞の出血破裂であれば、造影すると壁の造影効果やextravasation(血管外漏出)を認める事もある

    ・MRIではCTよりも卵巣を同定しやすく、出血部分でT1-FSで高信号を呈する

    参考書籍:すぐ役立つ救急のCT・MRI 改定第2版

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