救急55

【臨床症状】20代 男性 腹部膨満感

【問題】画像所見と診断名は?

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    ▶答えはこちら
    • 腸管の拡張を認める
    • 拡張しているのは結腸で、肛門側から追っていくとS状結腸でcaliber changとBeak signを認める事ができる
    • また冠状断像でcoffee bean sign様の所見を認める
    • ここが閉塞機転になっており、腸閉塞の状態だと考えられる
    • 上記よりS状結腸軸捻転による絞扼性腸閉塞の状態と診断された
    • その他、特記すべき所見はなし

    【S状結腸軸捻転】

    ・S状結腸は軸捻転の好発部位

    ・消化管(腸管)が軸捻転を起こすには次の2つの因子が関係していると言われている

    1. 腸管にたるんだ部位(分節)があり、腹腔内をある程度自由に動ける事
    2. その分節を固定している点が接近していること

    ・これらの条件が揃うと軸捻転を起こす事があると言われており、S状結腸は両方ともに該当する

    ・他には盲腸捻転がある

    ・軸捻転の発症誘因としては、中腸回転異常や手術などの器質的なものと、長期臥床や抗コリン作用索剤の投与、低カリウム血症などの機能的な因子がある

    ・上記の理由から、高齢者や精神神経疾患を有する患者に多い

    ・治療法は大腸ファイバーによる整復を選択する事が多いが、穿孔や壊死を認めれば外科的手術を行うこともある

    ・画像所見としては、単純写真で右上腹部を頂点に逆U字型のガス像を認めるcoffee bean signが有名

    ・CTではBeak signやwhirl sign、腸管の拡張などを認める

    参考書籍:すぐ役立つ救急のCT・MRI 改定第2版

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