悪性腫瘍32

【臨床症状】50代 検診で骨盤内腫瘤疑い CA19-9:40.4

【問題】画像所見と診断名は?

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➡ 造影検査
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    • 子宮体部の頭側に10cm大の腫瘤影を認める
    • T2WIで高信号を低信号が混在し、内部構造が隔壁や不整形腫瘤の存在が示唆される
    • 造影にて同腫瘤内部に濃染される部位を認め、充実性を病変が疑われる
    • 卵管の拡張、腹水やリンパ節腫大は認めない
    • また同腫瘤は子宮体部後壁に接するように存在しているが、浸潤を疑う所見も認めない
    • 上記より、卵巣癌(Stage1期)を強く疑う(右卵巣>左卵巣由来)
    • 他、子宮筋腫(筋層内に少なくとも2個)、頚部にナボット嚢胞、右仙腸関節炎あり
    ※ 左からT2WI、T2-FS、造影画像
    ※ 左から造影後の横断像、矢状断像、冠状断像(非提示)

    【卵巣癌】

    ・卵巣癌(ovarian cancer)は近年、罹患数、死亡数ともに増加している癌

    ・卵巣は表層上皮、杯細胞、性索間質、間質から構成され、各々から多彩な腫瘍が発生するが、多くは上皮性

    ・上皮性では漿液性癌、明細胞性癌、類内膜癌、粘液性癌の順に多い

    ・高悪性度はde novoに発癌すると考えられている

    1. 多段階発癌:低異型度漿液性腫瘍、腸型粘液性腫瘍、明細胞癌、低異型度類内膜癌
    2. de novo発癌:高異型度漿液性腫瘍、高異型度類内膜癌、未分化癌、癌肉腫

    ・初期では特に臨床症状がなく、進行しても非特異的な症状(腹部膨満感、腹痛、月経不順など)のため発見が遅れる傾向がある

    ・発見時のステージ別では、FIGOⅢ期が37%、FIGOⅣ期が25%と半数以上が進行癌の状態で見つかる

    ・閉経後の60代に多く、次いで50代と続き、40代以下の若年層での発症は比較的稀

    ・画像所見は次のようなものがある

    1. 卵巣腫瘤のファーストチョイスはUSでドプラ法により血流評価も可能
    2. 漿液性腫瘍は、単房性で水様の信号強度の事が多く、高悪性度になるにつれて乳頭状増殖部や充実性成分が多くなる
    3. CTで石灰化を認める事もある
    4. 粘液性腫瘍は、多房性(時に単房性)の嚢胞性腫瘤で、房によって粘液度が異なりT2WIにおいて、stained glass appearanceを認める事がある
    5. 小さな嚢胞が多発する場合や、充実部が確認できる場合は悪性の可能性を考慮する
    6. 類内膜癌は、血性嚢胞内に乳頭状の増殖部を認め、多房性で充実部が多発する傾向がある
    7. 明細胞腫瘍では、単房性嚢胞内に充実部を認め、充実部は単発の事が多い
    参考書籍:ジェネラリストを目ざす人のための画像診断パワフルガイド 第2版
         婦人科MRIアトラス 改定第2版

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