【臨床症状】20代 スクリーニング
【問題】画像所見と診断名は?
➡ 冠状断
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- 各種シーケンスで双角子宮を認める
- 頚部は1つのように見え、単頚が疑われる
- その他の所見として、少量の腹水のみ
- 卵巣やリンパ節腫大は認めない
【Müller管奇形】
・子宮や膣は胎生10週あたりからMüller管の発達や癒合、尿生殖洞により形成される
・この時、Müller管の発達、癒合障害によって様々な子宮奇形を生じる事が知られている
・主なものとしては次のようなものがある
《Müller管の癒合に障害が起きた場合》
- 中隔子宮:中隔が消褪せずに残存している状態
- 弓状子宮:子宮の上部が弓状の形のもの
- 双角子宮(単頚):癒合不全により子宮体部が2つに分かれて存在する状態
- 双角子宮(双頚):癒合不全が子宮頚部にまで及んでいる状態
- 重複子宮/重複膣:膣まで2つに分かれている状態
《片方のMüller管の発育不良による場合》
- 副角子宮:発育不良の子宮(副角)が付属している状態
- 単角子宮:片方の子宮が全く発育しない状態で、角状の子宮や卵管が1つだけ存在する
・いずれの場合も正常例と比較して妊孕性や流産率が高い(流産率は32~44%で、正常の場合における30歳の流産率は高くても20%程度)
・Müller管の奇形がある場合は、しばしば尿路系の奇形も合併する
・これらはMRI画像(T2WI)で容易に診断可能だが、双角子宮と中隔子宮の鑑別は難しい場合がある
・その他に子宮低形成や無形性の場合もあり、原発性無月経症の原因にもなったりする
・原発性無月経症の原因には次のようなものがある
参考書籍:婦人科MRIアトラス 改定第2版
- 子宮や卵巣の奇形:Rokitansky–Küster–Hauser症候群など
- 染色体異常に伴う性腺の異常:Turner症候群、Swyer症候群など
- 視床下部異常などによるホルモン異常:副腎性器症候群
- アンドロゲン不応症:外性器は女性であるにも関わらず、精巣が停留睾丸として存在し、子宮や膣上部が欠損している状態
ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版