common disease35

【臨床症状】30代 CA19-9:256

【問題】画像所見と診断名は?

MR_20240824104950_Image002
 
➡ 拡散強調、T2-FS矢状断
MR_20240824104950_Image093
 
➡ 造影MRI
MR_20240824104950_Image171
 

    ▶答えはこちら
    • 各種シーケンスにて弓状子宮を認める
    • これによる泌尿器奇形の合併は認めない
    左からT2WI、T1WI、T2-FS
    • 右卵巣には3.5cm程度のT1WIで高信号の多房性嚢胞を認め、背側にやや濃染される部分を認める
    • 内膜症性嚢胞を疑うが、定期的に病変の増大がないかの確認は必要
    • また子宮体部他に複数の子宮筋腫も認め、いずれも筋層内に存在している
    • 子宮頚部にはナボット嚢胞も認める
    • その他、リンパ節腫大などなし
    • 上記より右卵巣内膜性嚢胞疑い(要フォロー)、複数の子宮筋腫、ナボット嚢胞、弓状子宮となった

    【Müller管奇形】

    ・子宮や膣は胎生10週あたりからMüller管の発達や癒合、尿生殖洞により形成される

    ・この時、Müller管の発達、癒合障害によって様々な子宮奇形を生じる事が知られている

    ・主なものとしては次のようなものがある

    《Müller管の癒合に障害が起きた場合》

    1. 中隔子宮:中隔が消褪せずに残存している状態
    2. 弓状子宮:子宮の上部が弓状の形のもの
    3. 双角子宮(単頚):癒合不全により子宮体部が2つに分かれて存在する状態
    4. 双角子宮(双頚):癒合不全が子宮頚部にまで及んでいる状態
    5. 重複子宮/重複膣:膣まで2つに分かれている状態

    《片方のMüller管の発育不良による場合》

    1. 副角子宮:発育不良の子宮(副角)が付属している状態
    2. 単角子宮:片方の子宮が全く発育しない状態で、角状の子宮や卵管が1つだけ存在する

    ・いずれの場合も正常例と比較して妊孕性や流産率が高い(流産率は32~44%で、正常の場合における30歳の流産率は高くても20%程度)

    ・Müller管の奇形がある場合は、しばしば尿路系の奇形も合併する

    ・これらはMRI画像(T2WI)で容易に診断可能だが、双角子宮と中隔子宮の鑑別は難しい場合がある

    ・その他に子宮低形成や無形性の場合もあり、原発性無月経症の原因にもなったりする

    ・原発性無月経症の原因には次のようなものがある

    1. 子宮や卵巣の奇形:Rokitansky–Küster–Hauser症候群など
    2. 染色体異常に伴う性腺の異常:Turner症候群、Swyer症候群など
    3.  視床下部異常などによるホルモン異常:副腎性器症候群
    4. アンドロゲン不応症:外性器は女性であるにも関わらず、精巣が停留睾丸として存在し、子宮や膣上部が欠損している状態
    参考書籍:婦人科MRIアトラス 改定第2版
         ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版

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