common disease54

【臨床症状】60代 めまい CTで下垂体腫脹

【問題】画像所見と診断名は?

MR_20240808133212_Image001
 
➡ 矢状断(T2WI、T1WI、CEの順)
MR_20240808133212_Image061
 

    ▶答えはこちら
    • 各矢状断画像にてトルコ鞍内に2cm程度の腫瘤を認める
    • T2WIで等~やや高信号、T1WIで高信号を認め、濃染効果も認めず嚢胞内に充実成分なし
    • 腫瘍の位置は前葉と後葉間に存在し、上記画像所見と合わせてラトケ嚢胞と診断できる
    • その他、特に異常所見は認めない

    【ラトケ(Rathke)嚢胞】

    ・ラトケ嚢胞は辺縁が平滑で境界明瞭な嚢胞性病変

    ・下垂体は、前葉がラトケ嚢から、後葉が間脳から発生している

    ・ラトケ嚢の前壁が下垂体前葉を形成し、後壁は後葉との中間部として残存するが、ラトケ嚢は次第に消失していき下垂体が形成される

    ・しかし出生後もラトケ嚢が遺残し嚢胞形成する事があり、これがラトケ嚢胞と呼ばれる

    ・女性に多く、大きさは数mm~2cm程度までが多い

    ・内容物は漿液性や粘液性

    ・無症状でホルモン異常も無ければ経過観察される事が多い

    ・トルコ鞍内、もしくは鞍内と鞍上の組み合わせが70%で、完全に鞍上のケースは稀

    ・MRIが有効で、各シーケンスの信号強度は次の通り

    1. T1WI:2/3で高信号、1/3が低信号
    2. T2WI:半数が高信号
    3. 造影:基本的に造影効果は見られない(圧排された下垂体の辺縁が増強する場合があり、紛らわしいので注意する)

    ・頭蓋咽頭腫との鑑別は、石灰化の有無と造影効果の有無で判断する(石灰化あり、造影効果ありは頭蓋咽頭腫が疑われる)

    参考書籍:よくわかる脳MRI 改定第4版

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