【臨床症状】60代 ある疾患で治療中 再燃疑い
【問題】画像所見と診断名は?
➡ 横断像
➡ 造影画像
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- 関節リウマチにて治療中
- プロトン強調画像において、橈骨や尺骨の関節面や手根骨、第2~5指の中手骨の関節面に骨皮質の低信号途絶が散見される
- また脂肪抑制画像では、第4,5指中手骨、有鉤骨に高信号域を認める
- 造影後の画像では、第4,5指中手骨、有鉤骨の周囲を主体に濃染効果を認め骨膜炎の所見
- いずれも関節リウマチによるものとして矛盾はない
【関節リウマチ】
・関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)は、関節骨膜の炎症を主座とする慢性炎症性疾患
・初期は滑膜炎および関節軟骨表面の炎症性肉芽であるパンヌス形成による疼痛や腫脹など
・当初は骨膜炎だが、炎症と憎悪を繰り返し、パンヌスを形成していく
・パンヌスが形成されると活性化した破骨細胞が出現し、骨吸収が起きる
・進行期になると肥厚した骨膜による関節破壊や骨吸収をきたし運動障害や変形が起きる
・40~50代が好発年齢で女性に多い
・両側性、左右対称性に全身の関節を侵していく
・10%は急性発症
・PIP関節、DIP関節に発生する事が多い
・滑膜包炎、腱鞘炎、リウマチ結節、びまん性間質性肺炎などを合併する事がある
・画像所見では、初期では単純X線写真では異常は認めない
・進行すると、関節裂隙の狭小化や変形を認めるようになる
・MRIでは炎症性滑膜は早期から強い造影効果を認める
・滑膜肥厚や関節液貯留、骨髄浮腫などが初期の画像所見
・進行すると、関節裂隙の狭小化や骨破壊を認めるのは単純X線と同様
参考書籍:関節のMRI 第3版
ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版
参考文献:松下功、関節リウマチの疫学・診断・診療ガイドライン、Rehabil Med 2020