【臨床症状】1週間前からの呼吸苦 SpO2:80% DM、高血圧、高脂血症 70代
【問題】画像所見と診断名は?
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- 左下葉S6において、気管支周囲に区域性のコンソリデーションを認める
- また抹消部において気管支壁の肥厚も疑われる
- リンパ節腫大や胸水は認めない
- 上記より気管支肺炎が疑われ、投薬治療を開始し改善を認めた
【気管支肺炎】
・起炎菌やウィスルなどの原因原体が経気道的に吸引され、終末細気管支や呼吸細気管支の気道粘膜が傷害された状態
・その結果、周囲の肺胞領域に好中球などの炎症細胞が広がり、画像上コンソリデーションとして認めるようになる
・滲出液が少ないため細気管支周囲に病変が限局し、小葉性や区域性の分布を呈する事が多い
・インフルエンザ桿菌、黄色ブドウ球菌、モラクセラ・カタラーリス、マイコプラズマなどが主な原因原体
・主な症状は、咳嗽、喀痰、発熱など
・進行すると肺膿瘍や膿胸を合併する事がある
・画像所見は、CT上で気管支周囲に境界明瞭な小葉中心性粒状影や小葉性陰影を認める
・これらが融合すると区域性の浸潤影になる事もある
・炎症により気管支壁の肥厚、気管支内に分泌物の貯留などを認める事もある
参考書籍:困ったときの胸部の画像診断
参考文献:氏田万寿夫, 佐藤英夫, 山口美沙子, 呼吸器感染症の画像診断, 日本内科学会雑誌第103巻第11号