common disease85

【臨床症状】20代 女性 数週間前からの呼吸困難

【問題】画像所見と診断名は?

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    • 右肺中心に小葉中心性のすりガラス陰影、または粒状影を認める
    • 胸水は両肺に少量程度認めるが、リンパ節腫大は認めない
    • また気管支壁肥厚を疑う部分もあり、これらよりまずは気管支肺炎を疑う
    • その上で臨床症状や年齢を考慮すると、マイコプラズマ肺炎が最も疑われる

    【マイコプラズマ肺炎】

    ・マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)に感染し、気管支肺炎を生じた状態の事

    ・線毛上皮に肺炎マイコプラズマが付着、フリーラジカル生成されサイトカインが誘導、免疫反応という流れ

    ・市中肺炎の代表的な疾患

    小児や若年者に多く、夜間の強固な咳が特徴的

    ・飛沫感染と接触感染が主で、発熱や咳嗽、全身倦怠感、呼吸苦などが主な症状

    ・治療はマクロライド系薬剤を使用する

    ・一般的に予後は良好だが、時に重症化する事もある

    ・画像所見としては次のようなものがある

    1. 気管支壁の肥厚
    2. 区域性の小葉中心性のすりガラス陰影、粒状影
    3. 若年者では浸潤影を認める事もある
    4. 多発陰影(skip lesion)も特徴的
    5. 小児では肺胞性肺炎に類似した所見を呈する傾向があり、リンパ節腫大や胸水貯留を認める事がある
    参考書籍:困ったときの胸部の画像診断
         ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版

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