common disease101

【臨床症状】80代 縦隔異常陰影

【問題】画像所見と診断名は?

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    • 食道下部から胃噴門上部にかけて腫瘤影を認める
    • 食道癌が鑑別にあがるが、腫瘤の内部にエアーが多数存在する事から脱出した消化管である事が疑われ、食道裂孔ヘルニアが最も疑われる
    • この部分が異常陰影に一致するため、食道裂孔ヘルニアを見ていたものと思われる
    • その他、リンパ節腫大、胸水などの所見は認めない

    【食道裂孔ヘルニア】

    ・食道裂孔ヘルニアは、食道裂孔から胸腔内や後縦隔に胃や腸管が脱出した状態のこと

    ・成人での横隔膜ヘルニアの中で最も頻度が高く、先天性と後天性に分類される

    ・妊娠、加齢が発生に対して重要な因子と言われている

    ・次の3タイプに分類され、滑脱型が~90%の割合を占める

    • Type1:滑脱型(sliding type)、食道胃接合部が裂孔を通じて後縦隔内に脱出するもの
    • Type2:傍食道型(paraesophageal type)、食道胃接合部が横隔膜下の正常位に留まり、胃穹窿部や大網側が縦隔内に脱出したもの
    • Type3:混合型(mixed type)、滑脱型と傍食道型が混在するもの

    ・画像所見としては、後縦隔内に脱出した胃が壁の厚い管腔臓器として認められる

    ・内部にエアーや液面形成を認める事もある

    参考書籍:わかる!役立つ!消化管の画像診断
         ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版

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