今日は発育性股関節形成不全についてや。
発育性股関節形成不全?
昔は先天性股関節脱臼とも言われてたヤツや。
こっちなら聞いた事があるかもしれんな。
もくじ
発育性股関節形成不全(developmental dysplasia of the hip:DDH)とは
発育性股関節形成不全の概要
今日は発育性股関節形成不全(developmental dysplasia of the hip:DDH)についてレクチャーするで。
DDHは、出生前後に生じる股関節脱臼、亜脱臼、および臼蓋形成不全などの股関節異常を広く包括した病態なんや。
昔は先天性股関節脱臼(congential dislocation of the hip:CDH)とも呼ばれてたのは1番最初に話した通りや。
骨頭が完全に臼蓋から外れてるのが脱臼、はずれかかっているのを亜脱臼や。ちなみに最初から脱臼の状態になってるのは稀らしくて、後天的な要因の方が大きかったから今の名称になったらしいで。
この後天的要因については、股関節に加わる機械的要因が大きいと言われとる。
これは赤ちゃんの時に足を真っ直ぐにした状態が続く事が原因の1つと言われてんねん。足を真っ直ぐにする事で、股関節の開排位や下肢の自然運動を阻害してしまうんやな。
ちなみに昔は抱っこ紐が原因でなってまう事もあったらしいで。今は改良されてちゃんと赤ちゃんの足がM字になるようになってるらしいけどな。
他の危険因子としては、羊水の過少、高出生体重、初産なんかがあるで。
脱臼すると治療が大変やねん。しばらく固定しとかなアカン状態になるからな。
ちなにみ発生率は0.1%程度で女児に多く左側に多いらしいねん。なんで左側に多いのかは分からん。
ちなみに早めに発見して治療をすれば、後遺症もなく良くなる事が期待出来るらしいで。
せやから3~4ヶ月に股関節検診があるんやろな。
- 原因
- 遺伝や奇形などの先天性のものと、生後に股関節への機械的な要因の2つがある
- 内容
- 0.1%程度の発症率
- 女児に多く、左側に多い
- 出生時に脱臼しているケースは少なく、多くは生後1~2週のうちの機械的要因による脱臼がほとんど
- 早期発見、治療すれば予後は良い
股関節の解剖
解剖や。まぁこのへんはサラッとにするで。

発育性股関節形成不全の原因と臨床症状
原因
原因としては、周産期の乳児で下肢を伸ばした状態でオムツや抱っこをする事が多いと言われとる。
いわゆる後天的な要因によるものやな。
股関節は開いた状態が自然な形なんや。乳児はその状態で足を動かす事で筋肉なんかが発育していくんやけど、足が固定されている状態やと変に負荷がかかった状態になるんや。これが続くと、ある日脱臼という形で出てくんねん。
頻度としては、先天的な要因よりも後天的な方が多いと言われとる。
以前は出生数の2%程度もおったらしいで。ワシが生まれた1970年代は150万人以上が毎年生まれてたから3万人はおった計算になるな。
今はかなり減ってきてるらしいけどな。
先天的なものとしては、臼蓋形成不全なんかがあるで。
症状
今は乳児検診で発見される事が多くなってるで。片方だけ動きが悪い、股関節の開きに左右差がある、大腿部のしわの左右差なんかがきっかけで見つかる事が多いな。
歩行開始後でも歩行の左右差で見つかる事があるで。
この病態は痛みがあらへんと言われてるから、周りが気づくしかないんや。
ちなみに両側の股関節が脱臼してると、左右差を認めへんから注意が必要やで。
画像所見
発育性股関節形成不全の画像所見
次に画像所見やけど、大きく脱臼していれば単純検査でも指摘が可能や。
脱臼の有無については、大腿骨骨幹端との位置のTDD(tear drop distance)の左右差や、Shenton線・Calve線の乱れ(不連続性)なんかを確認したり、臼蓋角を測定したりして診断するんやけど、これが中々大変やねん。
まずちゃんと正面像を撮影出来てる事が条件やしな。当たり前やけど、乳児はじっとしててくれへん。
せやから第1選択としては超音波検査が多いわ。

MRIが撮影出来れば色々と情報が得られるんやけど、乳幼児のMRIは難しい事も多いねん。理由は上で述べた通りや。
ちなみにMRIが検査できると関節唇の形態や関節軟骨の状態なんかが分かるで。合併症の骨頭壊死の確認にも有効やな。
臨床所見が重要なのは言うまでもあらへん。
各々の画像所見をまとめておいたから、確認しておいてや。
- 単純XP
- TDD(tear drop distance)の左右差
- Shenton線・Calve線の乱れ
- 臼蓋角を測定など
- 超音波
- 関節液貯留
- 骨膜肥厚
- MRI
- 関節唇の外反あるいは内反と肥大
- 内側関節裂隙の拡大に伴う脂肪組織の増殖
- 関節液貯留や骨膜肥厚
発育性股関節形成不全の臨床画像
実際の画像を見ていこか。
この症例はRadiopediaから参照してるで。左股関節に形成不全を認めて、大腿骨骨頭がずれてるのが分かると思うな。

鑑別診断のポイント
単純性股関節炎 化膿性股関節炎 他
他にTDDが開大するのに単純性股関節炎、化膿性股関節炎があるで。
これらは疼痛や跛行を認めるのと、MRIで関節液貯留があるのが鑑別点や。
やっぱりMRIが有用な事が多いな。
他には奇形性脱臼もあって、これは両側で脱臼が疑われた場合にその可能性も考慮するんや。普通は片側の事が多いねんで。
具体的にはEhlers-Danlos症候群やLarsen症候群、二分脊椎なんかやで。
初めて聞く病名が多いと思うけど、そういうものがあるんだって感じで頭の片隅に入れておくだけでも大丈夫や。
他の股関節関連の疾患はこの辺を覚えておきーや。
まとめ
今日は発育性股関節形成不全をやったで。ポイントは2つや。
原因は後天性の事が多く、股関節開きの左右差など、臨床所見が重要
USが第1選択になるが、単純写真でも診断の参考所見(TDD、Shenton線・Calve線など)があるので覚えておく
こんな感じや。軽微なものは単純写真では分からへんのと、大腿骨骨幹端や臼蓋角を測定したりする為に正確な正面像が求められるで。
MRIが撮影出来れば得られる情報量は多いんやけど撮影に耐えられるかどうかやな。
ただ赤ちゃんは泣くのが仕事みたいなもんやからな。こればっかりは仕方あらへん。
でもたまに見せる笑顔パワーが、その分ハンパないのは確かや。
って訳で今日はここまでや。
ほな、精進しいやー!