他人に厳しく自分自身に寛大なのは凡人の常だ!
先生の事ですね。
アホ、ちゃうわ。本田宗一郎の名言や。染みるで。染みすぎて昨日のしりもちでの尻痛を忘れてまうくらいや。
仙骨折れてるんちゃうかなって思うくらい痛かってん。
せや、今日は仙骨についてレクチャーしてこか。
もくじ
仙骨脆弱性骨折(sacral insufficiency fracture)とは
仙骨脆弱性骨折の概要
さて、っていう事で、今日は仙骨脆弱性骨折についてや。仙骨と限らずに骨盤の脆弱性骨折としてもええかもな。
まず脆弱性骨折とは何かってところから話していくと、脆弱性骨折(insufficiency fracture)は骨粗鬆症などにより強度が低下した骨に対して外圧が加わる事で起きる骨折の事や。簡単に言うと、骨がもろくなってしまってて折れるって事やな。
このデータは厚生労働省から出てるデータで、高齢者の要支援/要介護になった原因の資料や。1位が認知症、2位が脳血管障害、3位が転倒や骨折なんや。
若い人なら骨折しても数ヶ月もすれば治るんやけど、高齢者はそうもいかへんねん。
脆弱性骨折の原因の外圧についてなんやけど、「僅かな外力」と記載されてる事もあんねん。この「僅かな」ってどれくらいかって所やけど、一般的には立った状態からの転倒を基準として、それより弱い外力が該当すんねん。簡単にいうと、躓きレベルの事やな。
脊椎や大腿骨頸部、骨盤なんかが好発部位で、多発する事もままあるで。転倒なんかで見た目は怪我をしてへんのに、疼痛が継続するから検査してみたら判明したなんて事も結構あんねん。
脆弱性骨折は単純写真やと分からんからMRIを撮影して初めて分かるケースも多いねん。
これが仙骨で起きると仙骨脆弱性骨折になんねんで。
これらの理由から自ずと高齢者に多いで。以下のイメージは脆弱性骨折の好発部位や。股関節周囲と仙腸関節付近に多いな。

関連するものとしては以下のようなものがあるで。合わせて確認しておいてくれや。
Rommens分類
骨盤の脆弱性骨折の分類でRommens分類ってのがあるんや。骨折の部位や転位があるかないかで分類してんねんけど、これは覚えておいた方がええから下に載せておくで。
Rommens分類 | 内容 |
---|---|
Type1:前方のみの損傷 | 1a:片側恥骨枝の骨折 1b:両側恥骨枝の骨折 |
Type2:転位のない後方骨盤輪の部分的損傷 | 2a:前方損傷を伴わない仙骨単独骨折 2b:前方損傷を伴う片側仙骨の不全骨折 2c:前方損傷を伴う片側仙骨の完全骨折 |
Type3:転位した片側後方骨盤輪損傷 | 3a:片側腸骨の骨折 3b:片側仙腸関節の破綻 3c:片側仙骨の骨折 |
Type4:転位した両側の後方骨盤輪損傷 | 4a:両側腸骨の骨折 4b:両側仙骨の骨折 4c:両側後方骨盤輪の混合性損傷 |

骨盤の解剖
骨盤付近の骨の解剖や。まぁこの辺りが頭に入っていれば大丈夫やろ。これは国試対策でも覚えたと思うから簡単にしとくで。

仙骨脆弱性骨折の原因と臨床症状
原因
原因は骨粗鬆症や。加齢や食生活、運動不足なんかが原因で骨粗鬆症になるで。骨粗鬆症がベースにあって、僅かな外力で脆弱性骨折が起きんねん。
骨粗鬆症とは?
ちなみに骨粗鬆症ってどんな病態か知ってるか?
通常、骨は骨吸収と骨形成が繰り返されてんねん。骨吸収は古い骨が溶けて吸収される事、骨形成は新しい骨が作られる事やねんけど、普段はこの均衡が取れてんねん。でも、これが何らかの原因で骨吸収の方が多くなる事があるんよ。
つまり吸収の方が多くなって骨がスカスカになるって事や。それが骨密度低下という形で出てきて、骨粗鬆書になるって訳や。
骨吸収の割合が多くなる原因には2つあって、次の通りや。
- 原発性骨粗鬆症:加齢、骨粗鬆症が原因
- 持続性骨粗鬆症:骨軟化症、関節リウマチ、副甲状腺機能亢進症、放射線治療後などが原因
原発性骨粗鬆症は、カルシウム不足や加齢による骨吸収を促進させる副甲状腺ホルモンの増加、骨吸収を押さえるカルシトニン、エストロゲンの減少、運動不足なんかが相まって起きんねん。続発性骨粗鬆症は主に病気による2次的な原因やな。
骨粗鬆症の患者数は高齢化も背景にあって、年々増加してきてんねん。潜在患者も含めておおよそ1300万人の患者数がいるとされてるで。
症状
臨床症状は、腰痛、殿部痛、股関節痛なんかや。ただ腰痛だと、最初に骨盤まで検査する事は少ないかもしれん。患者エピソードを含めた問診を丁寧にやっていく事が重要や。
治療法
治療法は基本的に保存療法や。これは脆弱性骨折は安定型骨折なのが理由やで。まず骨粗鬆症の治療を中心に投薬なんかで疼痛管理をしていくねん。痛みが強い場合はブロック注射なんかも行われる事があるらしいな。
また神経症状が出てるような不安定型骨折の場合は、外科的手術で対応する事もあるとの事や。
画像所見
仙骨脆弱性骨折の画像所見
次に画像所見や。単純写真やと指摘が難しい事が多いで。完全骨折してれば別やけど、挫傷なんかの場合は単純写真やと分からん事が多いわ。
一応、仮骨形成に伴う骨硬化像を認めるちゅー話もあるけど、やっぱ整形領域においてはMRIが一番情報量が多いわ。
ただ検査時間が長いのがネックやけどな。
CTでも同様に骨硬化像を認める事があるんやけど、これも指摘が難しい事が多いで。
一方で骨シンチは骨折部に集積するから有用やと言われとる。有名なのがHONDAサインやな。 これは仙骨の骨折線に沿った集積の事や。上のRommens分類やと4bがHONDAサインになるで。
MRIの画像所見については、骨折部位がT1強調やT2強調で異常信号域として描出されるで。T1強調で低信号、T2強調で等~高信号や。特に脂肪抑制画像やとCTでは指摘できひんかったものまで分かりやすく描出されるで。
骨シンチまではハードルが高いから、やっぱ脆弱骨折が疑われたらMRIがファーストチョイスになるわな。
- 単純Xp / CT:骨硬化像を認めるが単純写真では分からない事も多い
- MRI:T1強調で低信号、T2強調で等~高信号、脂肪抑制で骨髄浮腫を認める
- 骨シンチ:骨折部位に集積を認める HONDAサインが有名
実際の症例
次に実際の症例や。
70代の女性やけど、自宅で転倒してからの殿部痛となって検査となった例や。仙骨全体に骨髄浮腫を認めて脆弱性骨折が疑われたで。

こっちも70代女性の例で、自宅転倒や。仙骨に骨髄浮腫を認めて脆弱性骨折があるのが分かると思うで。

Rommens分類4bの症例やけど、脂肪抑制の画像で分かりやすいのが見れると思うで。


鑑別診断のポイント
他の骨盤骨折
鑑別診断やけど、仮骨形成での骨硬化像が悪性腫瘍と紛らわしい事もあるで。転移性骨腫瘍についてはこっちでレクチャーしてるから確認しておいてくれや。
他には原因精査で検査したら骨盤の剥離骨折でしたなんて例も結構あるな。ただこれは画像診断をすれば鑑別に困る事もそうそうないとは思う。ちなみに骨盤裂剥離骨折の好発部位はこんな箇所や。合わせて覚えておくとええで。

他にも骨盤骨の骨折には寛骨臼骨折と骨盤輪骨折があんねん。寛骨臼骨折は股関節内骨折で関節面に骨折線が及んでるヤツや。Judet&Letournel分類ってのがあるで。
骨盤輪骨折はそのまま骨盤輪が骨折してるケースやな。こっちはAO分類があるわ。興味があったら調べてみるとええで。
まとめ
今日は仙骨脆弱性骨折についてレクチャーしたで。仙骨っていうか、骨盤についてになってもうたけどな。ポイントは2つ。
高齢者に多く、骨粗鬆症が主な原因
骨折診断にはMRI最強
まさにこれや。欧米やとスポーツ外傷はMRIファーストちゅー言葉もあるくらいやからな。MRIが撮影出来れば所見自体はそんなに難しくなく指摘出来ると思うで。
これは個人的な考えやけどスポーツ外傷はMRIが必須やと思うねん。被曝もあらへんしな。
でもまだまだ日本では単純写真を撮って以上が無ければ、対処療法でというケースが多いような気がしてんねん。もちろん簡単にMRIにアクセス出来る環境やあらへんというのもあるとは思うねんけど、検査機器の保有台数は世界でトップレベルなんやから、もっと効率的な運用の仕方があるとは思うねん。
難しい問題やで。
てな訳で今日はこれくらいにするで。
ほな、精進しいやー!