ウィルスって目に見えんやろ?
そうですね。
これって結構すごい事やと思うんよ。
肉眼で確認できたら生活していけへんと思わん?そこらじゅうにおるんやで。
もくじ
ウィルス性肺炎の概要
逆に言うと、それだけウィルスは多く存在してるって事や。
さて、今日はウィルス性肺炎についてレクチャーしてくで。
ウィルス性肺炎の原因ウィルスには次のようなものがあるで。
- インフルエンザウィルス
- 麻疹ウィルス
- 水痘ウィルス
- サイトメガロウイルス など
これらのウィルスによって肺炎を来した状態を言うんや。
成人の場合はインフルエンザウィルスが最多やけど、最近はコロナウィルスも該当するな。
乳幼児は他にRSウィルス、アデノウィルスなどが多いで。
種々のウィルスによって引き起こされる炎症が、気管支から肺胞まで進展していくねん。
進行すると、気管支・細気管支炎と種々の程度のびまん性肺胞損傷(diffuse alveolar damage:DAD)やcrazy-paving appearanceを呈する事も多いで。
またインフルエンザ肺炎は3つに分類されてとる。
- 純ウィルス性肺炎:インフルエンザウィルスによって発症した状態
- 2次性細菌性肺炎:インフルエンザウィルス肺炎治療後に損傷した気道上皮から細菌が感染し再度肺炎を発症した状態
- ウィルス/細菌混合性肺炎:インフルエンザウィルス肺炎と細菌性肺炎が混在している状態
飛沫感染がメインで発熱、咳、呼吸困難なんかが主な症状や。
サイトメガロウィルス肺炎
ウィルス性肺炎の中で一番多いのはインフルエンザウィルスによるものやけど、その他にサイトメガロウイルス肺炎も知っておいてもええと思うで。
サイトメガロウイルス肺炎は、その名の通りサイトメガロウイルスにより肺炎なんやけど、このサイトメガロウイルスはヘルペス科に属するDNAウィルスや。
日本人のほとんどはこのウィルスへの抗体を持ってるんやけど、ステロイド使用中やったりで免疫力が低下すると発症する事があんねん。
臓器移植後やAIDS患者さんで起きる事が多いで。
逆にこの所見を見かけたら、HIV感染などを疑う事もあるな。
免疫低下時の肺炎はこの症例も考慮するんやで。
肺の解剖
肺の簡単な解剖も載せておくで。この辺りは別で話したから、そっちを見てもらえるとええな。

画像所見
ウィスル性肺炎の画像所見
ウィルス性肺炎
次にウィルス性肺炎やけど、区域性の広域なすりガラス陰影と内部に網状影が混在している、俗に言うcrazy-paving appearanceを呈する事も多いで。
ただcrazy-paving appearance=ウィルス性肺炎ではあれへんから注意が必要や。
というのも、この所見は他の病態でも認められんねん。
ちなみにcrazy-paving appearanceは、すりガラス陰影の中に小葉間各壁肥厚、小葉内網状影が見られる所見の事や。
当初は肺蛋白症に多いとされていたんやけど、その後多くの症例で認める事が確認された経緯があるで。
サイトメガロウイルス(CMV)肺炎
サイトメガロウイルス肺炎についても話しておこうかな。
境界不明瞭な粒状影や小結節影が混在して見られるで。下肺優位に認めるのが特徴や。
画像所見まとめ
- 広域なすりガラス陰影と網状影
- crazy-paving appearance
実際の症例
40代の男性でウィルス性肺炎疑いの症例やで。両肺にすりガラス陰影を認めるわ。

鑑別診断のポイント
鑑別診断について
ウィルス性肺炎は気管支肺炎やな。これも臨床経過をチェックする事が重要やで。
まとめ
今回はAEPとウィルス性肺炎、誤嚥性肺炎をやったで。ポイントは1つや。
ウィルス性肺炎は広域なすりガラス陰影と網状影、crazy-paving appearance、小結節を認める事が多い
こんな感じやな。ウィルス性肺炎は日常診療でも、目にする機会が多いから覚えておくんやで。
さて、今日はこの辺にしよかな。
ほな、精進しいやー!