仕掛学 人を動かすアイデアのつくり方

【概要】

  • 著者:松村 真宏
  • 発売日:2016年10月
  • ページ数:173ページ

本の目次

序章 「ついしたくなる」には仕掛けがある
1章 仕掛けの基本
2章 仕掛けのしくみ
3章 仕掛けの発想法

【結論(1番の訴求ポイント)】

「言われてみれば確かに・・・」を目指せ

仕掛学とは、あまり聞きなれない言葉かもしれない。

これは、他人から強要される事なく自ら行動してしまうように仕向ける事だ。

ポイントは強要されていないという点。気が付いたら、言われてみれば確かに、こんな状態の事をいう。

また、強要されていないという事は、自発的な行動であるとも言える。

人は自発的な行動だと、文句は出にくい。

他人に文句を言おうとしても、「決めたのは自分でしょ?」と返されてしまうのがオチだからだ。

この仕掛け学は、実は身の回りに多く存在している。それこそ気が付かづに実践してしまっているのも多くある。

自分の身の回りをよく観察してみよう。最初は分からない事も多いかもしれない。ただ意識して観察し続けていると、色々な発見があるはずだ。

「言われてみれば確かに・・」というのが多くあると思う。

そしてそれが最高の仕掛けなのだ。

あなたも、知らないうちに上手く行動を誘導されているかもしれない。

【ポイント】

人間の行動心理学や習性を利用している

ここで具体的な仕掛けをいくつか紹介してみよう。

例えば漫画の背表紙。

最近は電子書籍で購入するケースも多くなってきたが、ひと昔前までは単行本を購入するのが一般的だった。単行本は、保管スペースの問題もあるので、通常は立てて保管される事が多い。人間がどの漫画なのかを確認するのは背表紙を見て判断するのだが、単行本の厚さはせいぜい2㎝程度しかないので、漫画名を記載するくらいで、単独で利用するにも用途が限られていた。

ただ、これをなん十巻という大きで利用してみようという考えが出てきた。

単行本を1冊程度購入しただけでは、当然ならが何が書かれているのかが分からないが、ある程度揃えると段々と見えてくる。

人間は、中途半端になっているものを嫌う。揃えないと気持ちが悪いのだ。なのでどうしても揃えたくなる。しかも完成させるには、単行本の購入というハードルが低いものだけで可能だ。

このように人間の行動心理や習性を利用して仕掛けを作っている。

他には、男性用の小便器に的や炎を書く事で、それ目掛けて用を足す人が多くなり、便器周りの汚れが少なくなった結果、清掃費用が減少した例もある。

これは男性には狩猟本能が残っている事を利用したものだが、言われてみると確かにそうだ。的があると当てたくなる。

このように、人の行動心理学や習性を利用している仕掛けが、身の回りには以外と溢れている。

継続性のある仕掛け

このように上手くハマれば大きな効果が期待できるが、一度、実行してもらう事に成功しても、それを継続してもらうのは難しい事が多い。継続には行動心理や習性を利用すれば全てOKという訳でもなく、別の問題が出てくる。

具体的には下記の要因が継続をするにあたっての障害となってくる事が多い。

  • 実施者の負担の大小 → 負担が大きいと実行するのに大きな労力が必要になり面倒になって結果やらなくなる
  • 飽きる事 → 人は飽きる、ただ一見のような人がリピートしない(流れが多い)ような場所であれば大丈夫(観光地など)
  • 報酬によって本来持っていた動機が失われてしまう事がある → アンダーマイニング効果、報酬がもらえるかもしれないし、もらえないかもしれないという運の要素を入れる事で回避する

実際にイメージしてみると分かりやすいかもしれない。

例えば、ある場所でハンドルを回した分だけ発電され、スマホに充電されるというシステムがあったとする。

自分でハンドルを回して充電させれば、電気代はタダなので一見するとメリットは大きい。ただこれは大きな労力を伴う。

是非試してみてください!という案内文に誘われて、お試しで1回はやってみる事もあるだろう。5分回して充電が40%→50%になったら得した気分になるかもしれない。

ただこれを継続してやるかと言えば、やる人は少ないだろう。充電するたびに自分がハンドルを回さなければならないからだ。これは大きな負担になるし、飽きてくる。

仕掛けは問題を解決してなんぼだが、小さな労力で大きな効果が出るのがベストなのだ。

子供は仕掛けの天才

次にどうやって仕掛けを作るかだが、これはいくつか方法がある。

主なものとして、他の仕掛けの事例を転用する、行動の類似性を利用する、仕掛けの原理を利用する、オズボーンのチェックリストなどがある。

分野が違う他の仕掛けを、自分のケースにパクれないかどうかを考えてみるのが一番早い。パクるというと人聞きが悪いが、よく言うと参考にさせてもらうのだ。

他分野で成功している仕掛けなら、秀逸なものが多いので、何かと参考になる点も多いはずだ。

他にはオズボーンのチェックリストというものもある。これは、既存のテーマに、転用、応用、変更、拡大、縮小、代用、再配置、逆転、結合をしてみる事である。

このようにいくつかの視点でテーマを見る事で、新たな発見がある事も多い。迷ったらこの9つをチェックしてみると、以外な使い方が見つかるかもしれない。

ある海外の仕掛けの例で面白いのがあった。

その地域はサッカー熱が高かったが、あまり治安が良くはなく、試合当日はタバコのポイ捨てが度々問題になっていた。

そこでスタジアムは一計を投じた。

タバコの吸い殻の数で、チームメンバーの人気投票をしてみようとしたのだ。

吸い殻をその辺に捨てるのではなく、メンバー名と顔写真が記載された所に入れられるようにする。こうする事でファン自身は押し活にもなり、ポイ捨てされる吸い殻も少なくなるという効果が生まれた。

これは、吸い殻の用途をファン投票数に変更した好例だと思う。

また子供の観察も参考になる事が多いとしている。

子供の観察は仕掛けを学ぶのに最適かつ最高の先生だ。子供は知的好奇心の塊で、何もないところからルールを作って勝手に遊んでいたりする。〇〇ごっこなんて、その最たる例だろう。楽しければ、翌日も同じようにして遊んでいる事もある。

ここには、負担が少なく、飽きがこなく、報酬という概念が無い事が多い。

子供は正直なので、面倒な事は継続しない。そもそも実施したりしない。

言い換えると誰しも子供の頃は仕掛けの天才だったのだ。それが成長するに従い、固定観念が生まれ見えなくなってくるのだ。

【まとめ】

多くの事を経験してみる

実施してもらえて、継続してもらえるような仕掛けは簡単には作れない。

時代の流れで、過去は有効だったものも現代では通用しなくなってくる事も多い。

その中でどのように作るか。

それは、人が興味を持つような仕掛けが必要だが、これはセンスが問われる。

子供は直観的なもので作れる事もあるが、大人になるとセンスを磨くためには多くの経験が必要だ。

まずは1つでもいいから何か新しい事にチャレンジしてみよう。

それが秀逸な仕掛けを作る第一歩になると思う。

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