脳を最適化すれば能力は2倍になる

【概要】

  • 著者:樺沢 紫苑
  • 発売日:2016年12月
  • ページ数:268ページ

本の目次

第1章 ドーパミン仕事術
第2章 ノルアドレナリン仕事術
第3章 アドレナリン仕事術
第4章 セロトニン仕事術
第5章 アセチルコリン仕事術
第6章 メラトニン仕事術
第7章 エンドルフィン仕事術

【結論(1番の訴求ポイント)】

脳内ホルモンをハックせよ!

ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン・・・

このような脳内ホルモンの名前を一度は聞いた事があるだろう。

「競馬で万馬券を当てて、ドーパミンが大量に出た!」なんて話は、今も昔も良く聞く。

ただ本人は実際のところ、ドーパミンがどのような作用をもたらすのかを知っていての発言ではない事が多い。なんとなくで使っている。ただ一方で、人間の感情や精神面では脳内ホルモンが重要な役割を果たしているのも事実なのだ。

本書では、このなんとなくを明確にする事で、能力を上げましょうと伝えている。

実は他にも、セロトニン、メラトニン、アセチルコリン、エンドルフィンなどがある。これらの脳内ホルモンの量によってモチベーションやストレスといった事に関係している。

これらのホルモンの特性を知り、生かせれば、今よりも能力を上げる事も出来るだろう。

【ポイント】

モチベーション

人が何かを学習したり、継続したりする場合には、モチベーションが重要になる。特に継続して何かを行う時は、モチベーションが無いと続かない事も多い。

この時のモチベーションが大きければ大きいほど、継続する確率も上がる。ただ期待した結果が得られなかった時の反動も比例して大きいものになるが。

モチベーションは個人差が大きく、ある人にとってはモチベーションが上がる事でも他の人には全然だったりする。ここが厄介な所でもある。

モチベーションには2パターンがある事が知られている。

ノルアドレナリン系のモチベーションと、ドーパミン系のモチベーションだ。

ノルアドレナリン系では、恐怖や不快、叱られる事を避けるために頑張る時に分泌され、主に脳神経系に作用する。ストレスを受けた時に分泌されると思ってもらっても構わない。脳神経系に作用するので覚醒作用があると言われている。ただマイナスの理由によるモチベーションなので、当然長くは続かない。

一方、ドーパミン系のモチベーションは、楽しさやご褒美、褒められる事などの報酬を求め頑張る時に分泌され、主に筋肉系に作用する。プラス方向なので、継続性がある。ただエンジンがかかるまで時間を要する時がある。

夏休みの宿題を、残り数日で仕上げた経験は無いだろうか?

この時、脳内ではノルアドレナリン系のモチベーションがメインになっている。ノルアドレナリンはストレスを感じると放出されるが、夏休みの溜まった宿題なんてものはストレスそのものだ。嫌々やっているので、長くは続かないが、短期では脳を覚醒させる。結果、ギリギリで間に合う事もあったりする。

このようにノルアドレナリン系では、短期では大きなモチベーションになるが、長期的なモチベーションには向いていない。

それを裏付けるかのように、実は、短期はノルアドレナリン/アドレナリンで、長期的にはドーパミン系がベストとも言われていたりする。

まずはノルアドレナリン系で短期のモチベーションを上げる、そして徐々にドーパミン系に移行していく。こんな形が取れればベストなのだ。

なお、ドーパミンやノルアドレナリンの代謝経路は次のようになっている。

チロシン→L-DOPA→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン。

ノルアドレナリンはドーパミンの代謝産物なのだ。パーキンソン病のようにドーパミンが少なくなると、当然、それ以降のホルモンも少なくなていく。

長期ストレスに注意

ストレスと聞くと、悪いものだと思いがちだが、実はストレスには2つのパターンがある。

短期ストレスと長期ストレスだ。

実は、短期のストレスは悪い事ばかりではない。

ストレスがかかる事でノルアドレナリンが放出され、短期的にノルアドレナリン優位のモチベーションが生まれる。ここで課題をクリアするとドーパミンが放出され、成功体験を得られる。そしてまたこの快感を得るために、自ら実施したいという動機に代わる。こうなると好循環、自ら実践するようになる。

これを上手く利用しているのがドラクエやファイナルファンタジーなどのRPGだ。

適度に強いボスを置き、ノルアドレナリン系で集中させ、苦労の末討伐するとドーパミンがでるような仕組みになっている。基本的にはこれの繰り返しだ。ドーパミンの快感を得たいがために、気が付いたら徹夜していたなんてこともあったりする。

ストレスもものによっては有効だったりもするのだ。

一方で、長期ストレスに対する反応は、偏桃体からコルチゾールが増加(免疫力低下)、ノルアドレナリン増加、セロトニン減少と良い事がない。

セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンのバランスを保つ役割と、睡眠に関係している。代謝経路は、トリプトファン→セロトニン→メラトニンとなり、メラトニンは睡眠に関係しているホルモンとして有名だ。

セロトニンは昼の活動物質、メラトニンは夜の睡眠に関係というイメージが近い。ちなみに、セロトニンは朝、太陽の光を浴びる事で分泌される。

長期のストレスだと、コルチゾール過多に加え、セロトニンが減少によって、免疫力低下、睡眠不足にもなる。またセロトニンの量と鬱の関係性も報告されている。

このように、まずは睡眠に症状が出るので、最近寝れているかどうかを聞くのが、相手のストレスレベルを把握するのに良いだろう。

ホルモンの個々の作用については、ここでは割愛したが、興味がある人は個人で調べてみるか、本書を読んでみると理解が深まるだろう。

脳内麻薬

脳内麻薬という言葉を聞いた事があるかもしれない。それの正体がエンドルフィンだ。

エンドルフィンの主な役目は、精神的ストレスの解決だ。(ちなみに身体的ストレスはACTH。)

エンドルフィンは、過度なストレスがかかった時、リラックスした時、物理的な快楽状態の時に分泌される。別名、脳内モルヒネとも呼ばれ、鎮痛作用や多幸感をもたらす事が分かっている。

マラソンなどの過度なストレス下で、急に楽になるランナーズハイと呼ばれる現象がある。時には楽になるどころか、快感まで得られるケースもあるらしいが、その原因はエンドルフィン放出によるものだ。実際に脳内にはα波とβエンドルフィンに満たされている事が分かっている。

またエンドルフィンは人に感謝する事でも分泌される。そして、ドーパミンとエンドルフィンが同時に分泌されると、エンドルフィンがドーパミンの幸福感を10倍以上にも増強する事も分かっている。

これは、エンドルフィンがドーパミン遊離を促進させ、多くのドーパミンが放出されるためと考えられている。

例えは悪いが、ギャンブルで負けに負けて、最後に大逆転した時は、ドーパミンとエンドルフィンが同時に出ている。この快感が忘れられずにハマってしまったというのは多く聞く。

【まとめ】

合法的に脳内麻薬を出す

最初は嫌々でも人に感謝されるような事をしてみよう。感謝されて握手されるようになってみよう。

最初はノルアドレナリン系でも、感謝されればドーパミンやエンドルフィンが放出される。

それが嬉しさやモチベーションとなり、もう一度やってみようと思えるようになる。

これはドーパミン系のモチベーションなので、そう簡単にはへこたれない。なので繰り返す。繰り返していくうちに、また感謝されるようになる。時には握手される事もあるかもしれない。

ここでエンドルフィン放出される。エンドルフィンはドーパミンのドーピング剤でもあるので、さらにやってみようと思えるようになる。

不良が小さな親切をした事をきっかけに、更生していくのと同じような軌跡をたどっていく。

明日から近くにいる人に小さな親切をやってみよう。

それが脳内ホルモンをハックする第一歩だ。

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