ゆるい職場

【概要】

  • 著者:古谷 星斗
  • 発売日:2022年12月
  • ページ数:254ページ

本の目次

第1章 注目すべきは「若者のゆるさ」ではなく「ゆるい職場」
第2章 若者はなぜ会社を辞めるのか
第3章 「ゆるい職場」時代の若者たち
第4章 「ありのままで」、でも「なにものか」になりたい。―入社後の若者に起こること
第5章 若者と職場の新たな関係
第6章 若手育成最大の難問への対処
第7章 助走としての学校生活
第8章 ゆるい職場と新しい日本

【結論(1番の訴求ポイント)】

「ありのままで」でも「何者にか」になりたい若者

パフォーマンスが高い若手ほど辞めていく。

こんな思いをした人はどれくらいいるだろうか。

これは一見すると相反するような2つの気持ちが今の若者の心の中に混在している。

目立つ事はしたくない、でもその他大勢では嫌だ。この2つの気持ちのバランスが日々変化している。

要望を会社が100%満たせてあげれられれば何も問題無い。ただ10人いれば10通りの要望があって、全てに応えるのは不可能だ。

そして、その中には不安を抱えてくる人も出てくる。

不満じゃなく不安だ。

この不安が現代では退職においての大きなポイントだ。

【ポイント】

現代の若者が辞める理由

今の若者の退職理由の中に大きくあるもの、それは不安だ。

今の若者は失われた30年の中で生きてきた。またコロナという疫病も経験している。

つまり日本が良かった時代を知らない。親の年代も就職氷河期だったために、会社からされた事を目の当たりにして生きてきている。当然、不安も出てくるだろう。

今後も仕事していけるのだろうか、今のスキルで将来通用するのだろうか、将来自分が望むような生活が送れるのだろうか。。。

以前とは違い、現代において終身雇用制度は崩壊しつつあり、一つの会社で最初から最後まで働くというのは難しくなってきている。

平均的に一つの会社の寿命は20年程度らしい。という事は、20歳前後から60歳まで働くと仮定して少なくとも3社は経験(転職)する計算になる。

若い人もそれは肌で感じているので、むしろ若さという大きな武器がある内に自ら転職してキャリアを積む人も増えてきた。

一方で会社としてはせっかく採用した若者が、数年で転職されると大きなダメージになる。

なので職場環境の改善が法律改正も含めてこの数年で一気に進んできた背景があるのだが、この改善が間違った方向で進んでしまった感がある。

奇しくも、当時はハラスメントという言葉が流行した時代でもある。

何にでもハラスメントという言葉が付けられた。中には至極真っ当なものもあったが、言葉が独り歩きし、自分の気に入らない事に対してハラスメントと言えば解決するような風潮になってしまった。

一度ハラスメントという言葉が広まると、若い人は入社してこなくなる。なので会社(上司)は、今までのような叱るという事すら様子を伺いながらやっているようなった。

失敗は考慮した上で、多少チャレンジングな目標を与えようと思っても、本人からパワハラと言われると何もできなくなってしまう。パワハラ上司というレッテルを貼られると、自分の査定にも響く。結果として、低負荷で誰にも叱られないような、ゆるい職場が登場するようになった。

だが、ゆるいという事は自分の成長が感じられにくくなったとも言える。

かたやSNSを開けば、自分の同級生が起業したという通知が目に入ってくる。起業じゃなくても、キラキラしたような生活を送っている元同級生の情報が否が応でも入ってくる。

ここで不安が生まれる。

自分もこんな生活が送れるようになるのだろうか。今のままで大丈夫なんだろうか。

これが大きくなり一定の閾値を超えると退職に繋がってしまう。

このように不安が大きくなると若い人は辞めていく。

ゆるい職場

ゆるい職場とは、低負荷、理不尽がない、叱られない、居心地が良い、これらを満たす職場の事だ。

就職氷河期を経てきた世代からは羨ましい限りの職場だろう。

いわゆるブラック企業と呼ばれる会社の労働環境は逆だった。

到底達成できそうもないノルマ、上司のミスの後始末、説教から始まる1日、こんな状態が続いていた。

まさに理不尽の塊のような時代だったのだが、そんな時代を経験した人からすると辞める理由などどこにもないように見える。

難しい業務を振られる事もなく、理不尽さもない。めったな事では上司も怒らないし、居心地が良くて、そして毎月給与も振り込まれる。

コスパの良さで言ったら、かなりの高コスパになるだろう。

ただしこの「コスパが良い」という言葉は色々な意味を含んでいる。ここを見誤ると若者が辞めていく。

コスパ重視の弊害

最近の若い人の間で重要視されている事である。

このコスパとは、かけたコスト(費用/労力)に対してパフォーマンス(満足度)がどれくらいかというものであり、コスパが高いという事は、少ない労力で大きな満足度が得られる事を指す。

サブスクなんかはその代表だろう。月々で定額を払えば音楽が聴き放題になったり、動画が見放題になったりする。

このコスパ重視は、何もプライベートに限った事じゃなく、仕事においても重要視されている。

では仕事に対するコスパの良さとは何か。それは2通りある。

「キャリアに対して」のコスパの良さと、「業務内容」に対してのコスパの良さだ。

前者は自分の目標が決まっており、それに必要な経験や知識を得るために就職企業を選ぶ事を主にしている。一方で後者は、通常の業務内容に対して給与がどれくらいかを主にしている。

働く目的は個々それぞれなので、どれも正解なのだが、こららの目的は根っこのところでは全く反対の動機から来ている。前者は行動推進で、後者は行動抑制だ。

給与とはスキルや実績が無いとすぐに天井に届いてしまう。現実として、会社から必要とされるにはスキルや実績が必要なのだ。若いうちなら将来性を見込んで採用する事もある。ただこれも35歳を超えると難しくなってくる。

確かにコスパは重要だ。ただ表面上の意味に囚われてしまうと、本質を見誤る事にもなりかねない。

若者がいうコスパの良さは、これら2つが混在している事も少なくない。若者がどの意味でのコスパを使っているのか。よく見極めよう。

後者のコスパを優先していくと、自身が抱えている不安が消える事はない。将来に対する不安を解消させるには、前者の方にシフトしていく事が必要だ。

ゆるい職場は不安に直結している。

若い人の為と思ってやっている事が、逆に辞める原因にもなってしまっている。

ポイントは不安を取り除く事。

これが出来ると定着率は上がってくるだろう。

【補足】

2極化する若者

現代の若者は2極化している。

社会人1年目の段階で、色々な経験(各種インターンシップ、企業など)を経験している人と、バイト程度で白紙に近い人だ。

本書では学生時代に色々な経験をしてから入社すると、その会社が好きになる傾向があると記載してある。これはネガティブギャップ(入社前後のイメージの違い)が少ないためだろう。

だが一方で定着とはトレードオフの関係もあるとしている。

入社前に色々な経験をしていると、働く目的も明確になっている場合が多い。

スキルや実績を身に付けるために入社する。言い換えると、目的が達成されると違う場所に移っていく。先述のコスパの概念だ。

意識が高い若者を採用する代わりに定着には目をつぶるか、意識が低い人を採用して定着を優先するか。

企業としては難しい選択になるだろう。

本書ではこの解決方法として横の関係を提案している。

どんな内容なのかは、自身の目で確認してもらえればと思う。

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