黄色靱帯骨化症(ossification of yellow ligament:OYL)

この膝側面撮ったの誰? 全然ダメじゃん。内外の関節面が全然一致してないし。

すみません、僕です。次から気を付けます。

次からとかじゃねーから!!
こっちは多くの患者さんのうちの1人でも、患者さんにとっては1/1なのを忘れんなし!

黄色靱帯骨化症(ossification of yellow ligament:OYL)

黄色靱帯骨化症の概要

黄色靱帯骨化症とは

ってな事があったんですよ。
練習では問題ないと思ってたんですけど・・・

姉貴の言ってる事は何も間違ってへんで。
まぁ、言い方ってもんはあるけどな。

さて、いつまで落ち込んでてもしゃーないから、レクチャーしてくで。

今日は黄色靱帯骨化症についてや。

黄色靱帯ってどこにあるか知ってるか?似たような疾患の後縦靭帯骨化症(OPLL)と合わせて解剖が超重要や。ここが正確やなと、どっちがどっちか混乱するで。ちゃんと解剖の欄で確認しておいてな。

OPLLについてはこっちで確認や。

黄色靭帯骨化症は、その名の通り黄色靱帯が何らかの原因で骨化して脊髄を圧迫してしまう状態や。

原因は不明で、慢性炎症、局所の機械的なストレスなんかが関係してると言われてるな。50~60代の中年に多いって話しやけど、若者にも見られるで。

好発部位は、胸椎移行部~腰椎に多くて、症状は下肢症状(痛み、痺れ)がほとんどや。中には痛みが無い場合もあったり、間欠跛行を来す事もあるで。

OYLとOLFの違い

黄色靭帯骨化症は、ossification of yellow ligament の頭文字をとって、OYLとも言われるんやけど、中にはOLF(ossification of the ligament flavum)と記載してるのもあるで。

これらの違いは黄色靭帯のどの部分が骨化するかなんや。黄色靭帯の腹側が骨化するのをOLF、背側が骨化するのをOYLと言ってんねん。でもあまり使い分けてへんくて、OLFと記載するケースも多いで。

黄色靭帯骨化症の概要まとめ

簡単な概要は次の通りや。

  • OLFは黄色靱帯が骨化する事で、脊柱管狭窄や脊髄圧迫を引き起こされる状態
  • OYLという呼び方もあり、これらの違いは骨化する場所による
  • 50~60代に多く原因は不明
  • 慢性炎症、局所の機械的ストレス、全身的な骨化傾向などが原因の1つと考えられている
  • 胸椎下部から胸腰椎移行部が好発部位
  • 通常は両側性だが片側だけのケースもある
  • OPLLと同様に難病指定されている

黄色靱帯の解剖

次に黄色靱帯の解剖や。OPLLと同様にOYLも解剖を知ってへんと診断出来ひんからな。これを機によく覚えておいてくれ。

椎体解剖
椎体MRI-黄色靱帯骨化症

黄色靱帯は脊柱管内背側の椎間関節を覆う靱帯や。上記のように実際の腰椎横断像で見るとV字型になってるで。

黄色靱帯骨化症の原因と臨床症状

原因

OYLの原因は不明や。加齢や炎症、遺伝的なものが関係してるんやないかと言われてるで。

後は、姿勢が悪かったり、脊柱に繰り返し加わる機械的なストレス、糖尿病なんかの代謝性疾患の有無も要因としては考えられてるで。

臨床症状

臨床症状は下肢の脱力や痺れ、痛みんなんかや。腰椎に発生した場合は間欠跛行を呈する事もあるで。

筋力低下がきっかけで発見される事が多いな。

治療法

治療法は保存療法と外科的療法や。

まずは投薬やブロック注射なんかで経過を見る事が多いらしいな。それでも改善が見られなかったり、症状が強い場合は外科的治療になるとの事や。骨化部分を切除して神経の圧迫を解除すんねんて。

画像所見

黄色靱帯骨化症の画像所見

次に画像所見や。

単純写真側面像やと椎間孔部の後縁に石灰化像を認める事もあるんやけど、骨が重なってるために指摘が難しい事が多いで。

OPLLと同様にCTが分かりやすいな。MRIやと脊髄圧迫や脊髄内の信号変化が分かるで。

  • 単純写真側面像では椎間孔部後面に骨化像を認める事もあるが、その他の骨陰影との重なりで指摘が難しい事が多い
  • CTでは骨化病変の範囲特定に有効
  • MRIでは骨化した部分がT1強調、T2強調共に低信号域として描出される
  • 脊柱管狭窄の程度はMRIが1番分かりやすい

実際の症例

実際の画像や。60代男性で左上肢の痺れ精査や。Th2にOYLを認めるで。

頚椎MRI-黄色靱帯骨化症

別の症例で50代の男性や。背部痛精査やで。胸椎下部にOYLを認めるで。こう見ると脊髄の圧迫はやっぱりMRIの方が分かりやすいな。

椎体CT-黄色靱帯骨化症

鑑別診断のポイント

鑑別診断の種類

次に鑑別診断についてや。主に次のようなものがあるで。

脊柱管狭窄症やアミロイドーシス、嚢胞、血腫なんかや。この辺りは画像診断でも鑑別可能な場合が多いで。

臨床症状レベルやと背部痛や知覚低下なんかがあるんやけど、これは非特異的な症状やから、これだけで鑑別は難しいで。そうなるとやはり画像診断は必要になってくるな。

まとめ

今日はOYL、黄色靱帯骨化症についてレクチャーしたで。ポイントは2つ。

臨床症状は非特異的

脊柱管の椎間孔後縁に石灰化を認めたら本症例を疑う

胸椎移行部から腰椎にかけて多い

ただ単純写真では分かりづらい事も多いから注意やで。脊髄の前方には後十字靱帯もあるから、OPLLと合わせると関連付けられて覚えやすいかもしれんな。

色々と関連付けて覚えていくと忘れにくいやろし。

ただ、これも覚えてるだけじゃ意味無いねん。使えるようにならな。結果に繋がって始めてプロセスが評価されんねん。

結果に結びつかない練習はやってないって事と一緒やで。

例えば、サッカーで点取り屋がおりました。でも重要な試合でシュートを外しまくって負けてしまったとするやん。

ほんで試合後のでインタビューで「練習では100%決まっていました」とか言ってみぃや。

「なんやコイツ、アホか」ってならへん?

今の自分、全く同じ事やってんで。練習するからにはちゃんと結果に結びつかせなアカン。

特に自分らの仕事は放射線を扱うねんから、再撮=被曝が増えるって事を頭に入れておくんや。

よろしく頼むで!

ほな、精進しいやー!

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