黄色靱帯骨化症(ossification of yellow ligament:OYL)

この膝側面撮ったの誰?全然ダメ。内外の関節面が全然一致してないし。

すみません。僕です。次から気を付けます。

ちゃんと撮れるように練習しておいて!

・・・・・・・・・

って事があったんですよ。

ほんで?

練習では上手くいくんですけど、本番がどうしてもダメで。

あんな、1つだけアドバイスや。結果に結びつかない練習はやってないって事と一緒やで。

例えばや、サッカーで点取り屋がおりました。でも大切な試合でシュートを外しまくったのが原因で負けてしまったとするやん。

ほんで試合後のでインタビューで「練習では100%決まっていました」とか言ってみぃ。

「なんやコイツ、アホか」ってならへん?

今の自分、全く同じ事やってんで。練習するからにはちゃんと結果に結びつかせなアカン。特に自分らの仕事は放射線を扱うねんから、再撮=被曝が増えるって事を頭に入れておくんや。

よろしく頼むで!

黄色靱帯骨化症(ossification of yellow ligament:OYL)とは

黄色靱帯骨化症の概要

さて、今日は黄色靱帯骨化症について話してくで。

黄色靱帯ってどこにあるか知ってるか?OPLLと合わせて解剖が重要やで。ちゃんと解剖の欄で確認しておいてな。OPLLについてはこっちで確認や。

黄色靱帯が何らかの原因で骨化して脊髄を圧迫してしまう状態が黄色靱帯骨化症、通称OYLなんや。原因は不明で、慢性炎症、局所の機械的なストレスなんかが関係してると言われてるで。50~60代の中年に多いって話しやけど、若者にも見られるで。

胸椎移行部~腰椎に発生する事が多くて、症状は下肢症状(痛み、痺れ)がほとんどや。中には痛みが無い場合もあったり、間欠跛行を来す事もあるで。

簡単な概要は次の通りや。

概要
黄色靱帯骨化症(OYL)黄色靱帯が骨化する事で脊柱管狭窄や脊髄圧迫を引き起こされる状態
50~60代に多く原因は不明
慢性炎症、局所の機械的ストレス、全身的な骨化傾向などが原因の1つと考えられている
胸椎下部から胸腰椎移行部が好発部位
通常は両側性だが片側だけのケースもある
OPLLと同様に難病指定されている

黄色靱帯の解剖

次に黄色靱帯の解剖や。OPLLと同様にOYLも解剖を知ってへんと診断出来ひんからな。これを機によく覚えておいてくれ。

椎体解剖
椎体MRI-黄色靱帯骨化症

黄色靱帯は脊柱管内背側の椎間関節を覆う靱帯や。上記のように実際の腰椎横断像で見るとV字型になってるで。

黄色靱帯骨化症の原因と臨床症状

OYLの原因は不明や。加齢や炎症、遺伝的なものがあるんやないかと言われとる。

臨床症状は下肢の脱力や痺れ、痛みんなんかや。腰椎に発生した場合は間欠跛行を呈する事もあるで。

治療法は保存療法と外科的療法や。まずは投薬やブロック注射なんかで経過を見る事が多いらしいな。それでも改善が見られなかったり、症状が強い場合は外科的治療になるとの事や。骨化部分を切除して神経の圧迫を解除すんねんて。

画像所見

黄色靱帯骨化症の画像所見

次に画像所見や。

単純写真側面像やと椎間孔部の後縁に石灰化像を認める事もあるんやけど、骨が重なってるために指摘が難しい事が多いで。OPLLと同様に骨化ならCTが分かりやすいな。MRIやと脊髄圧迫や脊髄内の信号変化が分かるで。

画像所見
黄色靱帯骨化症単純写真側面像では椎間孔部後面に骨化像を認める事もあるがその他の骨陰影との重なりで指摘が難しい事が多い
CTでは骨化病変の範囲特定に有効
MRIではT1強調、T2強調共に低信号域として描出
脊柱管狭窄の程度はMRIが1番分かりやすい

実際の症例

実際の画像や。60代男性で左上肢の痺れ精査や。Th2にOYLを認めるで。

頚椎MRI-黄色靱帯骨化症

別の症例で50代の男性や。背部痛精査やで。胸椎下部にOYLを認めるで。こう見ると脊髄の圧迫はやっぱりMRIの方が分かりやすいな。

椎体CT-黄色靱帯骨化症

鑑別診断のポイント

鑑別診断の種類

次に鑑別診断についてや。主に次のようなものがあるで。

線維性肥厚、つまり脊柱管狭窄症やアミロイドーシス、嚢胞、血腫なんかやな。この辺りは画像診断でも鑑別可能な場合が多いで。

臨床症状レベルやと背部痛や知覚低下なんかがあるんやけど、これは他の病気でも診られるもんやから中々鑑別は難しいで。そうなるとやはり画像診断は必要になってくるな。

まとめ

今日はOYL、黄色靱帯骨化症についてレクチャーしたで。ポイントは2つ。

臨床症状は非特異的

脊柱管の椎間孔後縁に石灰化を認めたら本症例を疑う

胸椎移行部から腰椎にかけて多い

ただ単純写真では分かりづらい事も多いから注意やで。脊髄の前方には後十字靱帯もあるから、OPLLと合わせると関連付けられて覚えやすいかもしれんな。

単発で覚えていくんやなくて関連付けて覚えていくと忘れにくいってデータもあるらしいしな。

ただ、これも覚えてるだけじゃ意味無いねん。使えるようにならな。最初に言ったように、結果に繋がって始めてプロセスが評価されんねん。

どうやったら自分の中で腹落ち出来るか考えてみるとええで。

ほな、精進しいやー!