疾患名に自分の名前載せたいわー。
アルツハイマー病とかパーキンソン病みたいな感じですね。
もくじ
オスグッド・シュラッター病とは
まぁ中々難しいのは知ってんねんけど、ちょっと憧れ的なのはあるな。
さて、今日は人名がついた疾患の1つでもあるオスグッド・シュラッター病について話していくで。
オスグッド・シュラッター病の概要
オスグッド・シュラッター病は、実はオスグッド・シュラッターって人が報告したんやなくて、オスグッド医師とシュラッター医師が別々に症例を発表したのに起因してんねん。
同時期に発表したから、2人の名前を合わせて命名されたという訳や。
- 1903年に整形外科医のオスグッドと外科医のシュラッターが発表した
- オスグッド・シュラッター症候群が正式な名称
- スポーツをやっている10代中盤の若者に多い
- 脛骨粗面付近の痛みや隆起が特徴
- ジャンプなどを伴うスポーツで膝蓋腱に不可がかかり、脛骨粗面付近の成長軟骨剥離や炎症が起きる事が原因
- 膝のスポーツ障害で男性に多く、女性は靱帯損傷の方が高頻度というデータもある
オスグッド・シュラッター病は成長期(発育期)のスポーツをやっている学生に多いで。
成長期では急激な骨成長が起こる事で、軟部組織の成長が追い付かないことがあんねん。それに伴って大腿四頭筋の筋伸長性が低下したりすると、ジャンプなどの動作時に強い牽引力が膝蓋腱に加わんねん。
これが繰り返し実行する事で脛骨粗面付近に炎症が起きるって訳や。
膝靱帯の解剖
オスグッド・シュラッター病の概要が分かった所で、膝の解剖図も載せておくで。骨軟部領域は解剖を知ってへんと画像を読めへんからな。
今回のオスグッド・シュラッター病は大腿四頭筋(腱)と膝蓋骨、膝蓋靱帯(腱)、脛骨結節(粗面)が重要やで。
次の図で確認しといてくれや。
オスグッド・シュラッター病の原因
オスグッド・シュラッター病の原因やけど、これは上で話した通り、脛骨粗面付近の剥離や炎症によるものや。
いわゆる成長期の時期は、急激に骨成長が起きんねん。中学生になると特に男性は一気に伸長が延びる時期があるやろ。アレや。
この時に軟部組織や腱が骨の成長に追いつかへん時があんねん。骨は伸びてるけど、腱や筋肉で引っ張られてしまっている状態やな。
そんな中でスポーツ等で強い力が加わり続けると、腱付着部なんかの箇所に大きな負荷がかかって剥離や炎症が起きてまうねん。
これが脛骨粗面で起きたのがオスグッド・シュラッター病や。
自ずと、走る、ジャンプする、方向転換するようなスポーツ(サッカー、バスケットボール、テニス、陸上競技など)をやっている人に多いで。
これは成長期特有で、成長期を過ぎると症状は無くなっていくで。青年期で同部位の痛みがある場合は、別の疾患の可能性があるで。
オスグッド・シュラッター病の臨床症状
臨床症状は脛骨粗面付近の痛みや隆起や。通常は片側だけの事が多いねんけど、両側に起きる事もあるで。
隆起が起きる原因は以下の流れで説明がつくで。
- 強い力によって脛骨粗面に炎症が起きる
- 安静にすれば治癒するが、再度負荷がかかる事で再燃する事がある
- 治癒と再燃を繰り返す事で血管新生が起きる
- 血管新生が起きると石灰化を来す事が知られている
- この石灰化が隆起として触れる事がある
オスグッド・シュラッター病の治療方法
成長期の一過性の症状やから、基本的に保存療法で対応する事が多いで。
痛みが引くまで運動やスポーツを控えたり、ストレッチやマッサージなどのリハビリをしたりすんねん。テーピングで固定したりして負担を軽減させる事もあるな。
あまりにも炎症症状が強い場合は骨片除去手術をするケースもあるらしいねんけど、それはケースとしては少ないで。
基本的に保存療法で軽快する事が多い疾患や。
画像所見
オスグッド・シュラッター病の画像所見
次にオスグッド・シュラッター病の画像所見について話していくで。
- レントゲンやCTでは脛骨粗面部の骨の不整、隆起、分離像
- MRIでは上記に加えて、膝蓋腱遠位部の肥厚や骨髄浮腫像、Hoffa脂肪体の炎症所見など
おおよそこんな感じや。脛骨粗面部に所見があるかどうかやな。
オスグッド・シュラッター病の病期分類
オスグッド・シュラッター病には病期分類があんねん。次の通りやで。発見が早ければ早いほど治癒までの時間も短くなんねん。
- 初期 脛骨粗面部の骨髄浮腫などの異常像(レントゲンでは分からない事も多い)
- 進行期 脛骨粗面に骨の分離や分節像を認める
- 終末期 骨片(石灰化)の形成
実際の症例
10代 女性 陸上部 膝痛
実際の画像を載せていくで。10代の女の子で部活動でスポーツをやってる子や。膝痛で精査になってん。脛骨粗面の膝蓋腱停止部の前方への突出があるやろ。その付近に骨髄浮腫も認める事からオスグッド・シュラッター病と診断された例や。
10代 男性 サッカー部 以前からの右膝痛
次の症例はサッカー部の子の例や。レントゲンで脛骨粗面部に骨端核の分離を認めて、MRIで同部には骨髄浮腫などの所見はあらへん。終末期と診断されたで。
鑑別診断のポイント
膝蓋骨周囲の疾患
膝痛の鑑別疾患や。主なものに次のようなもんがあるで。
- 膝蓋靱帯損傷
- ジャンパー膝
- Sinding-Larsen-Johansson病
- 半月板損傷
主に膝蓋筋腱周囲の痛みを伴うものやな。これらは膝蓋骨の高位、低位や痛みの場所なんかの臨床所見でも鑑別が可能だったりするで。
ただ各々画像所見が特徴的やから、MRI検査で十分に鑑別する事が可能やで。
まとめ
さて今日は、オスグッド・シュラッター病についてレクチャーしたで。ポイントは3つや。
成長期特有の疾患で脛骨粗面部の痛みと骨隆起が特徴
初期ではレントゲンでは分からない事があり、その場合はMRIが有効
MRIでは脛骨粗面付近の信号変化を確認する(Hoffa脂肪体の炎症所見など)
こんな感じや。特に試合が近かったりすると痛みを我慢してしまう事が多いねん。これはある程度は気持ちが分からんでも無いんやけど、終末期になると症状が長期になる事もあんねん。
せやから早めに診断して治療開始する事が、長い目で見たら有効なんやで。
先生も何か新しい病気を発表して自分の名前を付けて下さいよ。
ムチャ言うなや。言うは易く行うは難しやで。
実際、載ったらカッコええけど、それは他の先生にお任せするわ。「桑病」なんてダサいやん?
さて、バイトに行かなアカン。
ほな、精進しいやー!