ブラックホールって凄ない?入ってみたくない?
おやおや、話しの行き先が怪しくなりましたね。
もくじ
急性胆嚢炎(acute cholecystitis)とは
急性胆嚢炎の概要
妄想は重要やで。妄想が世界を作ってんねん。インターネットもスマホも元々は誰かの妄想から始まってんねん。
って誰かが言ってたで。
ってどうでもいい事は置いといて、今日は急性胆嚢炎について話そか。
急性胆嚢炎は急性腹症の中でも頻度が高い疾患やな。
放置すると腹膜炎や敗血症に移行する可能性があるから要注意な疾患の1つや。
頻度的には急性腹症の中で5~10%程度と言われてるで。
急性胆嚢炎はほとんが胆石によるものや。胆石が胆汁の流れを阻害して、胆汁うっ滞をベースに感染が起きんねん。
進行すると胆嚢内圧の上昇で胆嚢血流が低下して、壊死や穿孔して周囲に膿瘍形成をしたり、胆汁性腹膜炎になったりするで。
急性胆嚢炎を繰り返すと、他臓器との間に瘻孔を作る事もあんねん。

胆石
胆石はコレステロール、ビリルビン、カルシウムの3つがメインで構成されてるで。分類は次の通りや。
- コレステロール結石(純コレステロール石、混成石、混合石)
- 色素石(黒色石、ビリルビンカルシウム石)
このうち純コレステロール石はCTでは同定できへん事がほとんどや。色素石の中のビリルビンカルシウム石は、カルシウムが含まれてるからCTでも写ってくるで。CTで胆石が無いからといって、胆石無しにはならへん事に注意や。
ちなみに、コレステロール結石と黒色石は胆嚢内が多く、ビリルビンカルシウム石は胆嚢、胆管内に形成される傾向があるで。
胆石の検出にはUSが感度が高いで。CT陰性の胆石でもUSなら十分指摘できるんや。
急性胆嚢炎の診断基準と重症度分類
次に急性胆嚢炎の診断基準と重症後分類を載せておくで。
急性胆嚢炎の診断基準 |
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A 局所の臨床徴候:Murphy’s sign、右上腹部の腫瘤触知・自発痛・圧痛 B 全身の炎症所見:発熱、CRP値の上昇、白血球数(WBC)の上昇 C 急性胆囊炎の特徴的画像検査所見 【超音波検査】 胆囊腫大(長軸径> 8 cm、短軸径> 4 cm)、胆囊壁肥厚(> 4 mm)、嵌頓胆囊結石、デブリエコー、 sonographic Murphy’s sign、胆囊周囲浸出液貯留、胆囊壁のsonolucent layer(hypoechoic layer)、 不整な多層構造を呈する低エコー帯、ドプラシグナル 【CT】 胆囊壁肥厚、胆囊周囲浸出液貯留、胆囊腫大、胆囊周囲脂肪織内の線状高吸収域 【MRI】 胆囊結石、pericholecystic high signal、胆囊腫大、胆囊壁肥厚 |
確診:A のいずれか+B のいずれか+C のいずれかを認めるもの 疑診:A のいずれか+B のいずれかを認めるもの ※ただし、急性肝炎や他の急性腹症、慢性胆囊炎が除外できるものとする。 |
急性胆嚢炎の重症度分類 | |
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Grade1(軽症急性胆嚢炎) | 中等症、重症に該当しないもの |
Grade2(中等症急性胆嚢炎) | 次のいずれかを伴う場合 ・WBC上昇上昇 (>18,000/mm³) ・右季肋部の有痛性腫瘤触知 ・症状出現後72時間以上の症状の持続 ・顕著な炎症所見 (壊死性胆嚢炎、胆嚢周囲膿瘍、肝膿瘍、胆汁性腹膜炎、気腫性胆嚢炎など)) |
Grade3(重症急性胆嚢炎) | 次のいずれかを伴う場合 ・循環障害 ・中枢神経障害 ・呼吸機能障害 ・腎機能障害 ・肝機能障害 ・血液凝固障害 |
他の急性腹症
ちなみに他の急性腹症はこっちで解説してるから確認してみてーな。
急性胆嚢炎の原因
原因はほとんどが胆石や。胆石による胆汁うっ滞から粘膜障害、細菌感染で腹膜炎になるという流れや。
ただ注意せなアカンのが胆石がある=急性胆嚢炎やあらへん事や。急性胆嚢炎のケースはほとんどで胆石があんねんけど、胆石があるから必ず胆嚢炎になるって訳やあらへんで。

無石胆嚢炎
一方で頻度としては少ないんやけど、胆石を伴わない胆嚢炎もあんねん。これを無石胆嚢炎と呼んでるで。
無石胆嚢炎の原因は胆嚢の収縮不全や、外傷等による何らかの原因で胆嚢動脈の血流低下(虚血)と言われとる。
血流低下から虚血になり、進行すると壊死や穿孔を来す事もあるんや。免疫状態が低下している人に起きやすくて、症状がはっきりせんうちに敗血症や腹膜炎、ショック状態になる事もあって、死亡率が高いのも特徴やで。
臨床症状と治療法
臨床症状
急性胆嚢炎の臨床症状は下腹部(右季肋部痛)や。急激に痛みが出る事が多いで。Murphy’s signも認める事も多いな。
ちなみに Murphy’s sign は右季肋部を圧迫しながら深呼吸すると、痛みのせいで吸気が途中で止まってしまうことや。
胆嚢関係の疾患で見られる事が多いで。
治療法
治療法は重症度に応じて選択されるで。基本的に絶食と補液管理で抗菌薬の投与や。
ドレナージ術も行う事もあるで。基本的に胆摘が第1選択になる事が多いな。
投薬によって軽快しても胆摘しない場合、2年以内の再発率が70%だったというデータもあんねん。
無石胆嚢炎の場合は、治療が奏功(ドレナージが上手くいけば)すれば胆摘が不要な事もあるで。
画像所見
急性胆嚢炎の画像所見
US所見
急性胆嚢炎の検査の第1選択はUSや。CTよりUSの方が感度が高いのは胆石の項目で話した通りやで。画像所見については以下の通りや。
- 胆嚢壁内の低エコー帯(sonolucent layer)
- 胆嚢管内に胆泥や胆石を認める
- 胆嚢の緊満感と壁肥厚
- sonographic Murphy’s sign(正確には画像所見ではない)
USで有名なサインがあって、sonographic Murphy’s signってのがあんねん。
これは画像所見やなくて、プローブを右季肋部付近に圧迫して深呼吸してもらうと、痛みで深く息を吸う事が出来ない事を言うねん。Murphy’s sign のUSバージョンや。
もしかしたらUSもやってる技師はんがおるかもしれんな。その人なら知ってるやろけど、経験ない技師はんでも少なくとも言葉だけは知っておくとええで。
ただ鎮痛剤を飲んでもうてる場合は、胆嚢炎が発症しててもこのサインがはっきりしない場合もあるから注意してな。
CT所見
急性胆嚢炎のCTでの画像所見は、なんと言っても胆嚢が腫大しているかどうかや。
大きさには個人差があるから、どこからを腫大と取るかが問題やけど、胆嚢にくびれがあるかどうかで判断するとええで。
他には胆石の有無はもちろんの事、造影する事で、胆嚢壁肥厚の有無や周囲組織への炎症波及の有無なんかも重要な所見や。一応、胆嚢壁肥厚は3(もしくは4)mm以上という基準もあるで。
繰り返しになるけど、CT陰性胆石もあるからな。
MRIやと、これらの所見に加えて胆嚢周囲に液体貯留や浮腫性変化によるT2系での高信号を認めるで。
ポイントは次の通りや。
- 胆嚢腫大の有無
- 周囲脂肪組織への炎症波及の有無
- 胆嚢壁肥厚(4mm以上)
- 胆石の有無(CT陰性胆石もある)
実際の症例
70代 女性 腹痛精査
さて、実際の画像を見ていこか。
胆嚢腫大と壁肥厚、それに伴う造影効果を認めるで。また近くには膿瘍形成も認めるな。


50代 男性 腹痛精査(USで胆石あり)
別症例や。胆嚢壁肥厚を認めるで。

70代 男性 腹痛精査
画像上で胆石が確認できると思う。また胆嚢壁肥厚と周囲の脂肪組織濃度上昇も認めるで。

鑑別診断について
次に急性胆嚢炎の鑑別やけど、これには慢性胆嚢炎、浮腫性胆嚢壁肥厚、腺筋腫症、胆嚢癌などがあるな。
慢性胆嚢炎との違いについては、これは画像所見のところで言うたように、腫大やくびれの有無が重要や。
胆嚢腫大とくびれが無い、かつ壁肥厚などがあれば急性の可能性が高いで。画像所見意外にもMurphy’s signのような特徴的な所見やサインがあるから、総合して診断する事が重要や。
ちなみに胆石が胆嚢頚部にある場合はMirizzi症候群の可能性もあるで。
Mirizzi症候群
Mirizzi症候群は胆石の圧迫や炎症波及で総胆管が狭窄してまう事や。これを機に、ついでに覚えておくとええで。
まとめ
さて、急性胆嚢炎のまとめや。ポイントは3つ。
右季肋部痛やMurphy’s signが特徴的
胆嚢壁の肥厚、胆嚢腫大、胆石の有無、周囲への炎症波及の有無をチェック
胆石が原因の事がほどんどだが、CT陰性胆石もある点に注意
こんな感じやで。CT陰性胆石、つまり純コレステロール結石は写ってこーへんから胆石の有無のファーストチョイスはUSや。
救急の場合はまずはCTを撮影する事が多いと思う。せやからまずはCTでの画像所見を覚えるのが大切や。
最初は違和感だけでもええ。その違和感を感じれる事が重要やねんで。そのレベルまではよ行けるとええな。
ブラックホールのように知識を吸い込んだれや!
頑張ります!
自分が読影医になった妄想しながら検査してみるとええで。
ほな、精進しいやー!