common disease13

【臨床症状】20代 検診にて卵巣腫瘤疑い

【問題】画像所見と診断名は?

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➡ 造影MRI
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    • 両側卵巣にT1WIで高信号(T1-FSでも高信号)、T2WIで低信号の嚢胞状の腫瘤影(右側38mm、左側18mm程度)を認める
    • また一部Shadingとばれる所見(T2WIにて嚢胞内に低信号)も確認できる
    • 嚢胞内に結節や充実成分は認めない
    上段左からT2WI、T1WI、T2-FS、下段左から拡散強調、ADC、T1-FS
    • 造影画像では濃染を認めるも充実成分は認めない事から、内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)と診断できる
    • また癒着等により kissing ovary の状態と考えられる
    • その他、特に異常所見は認めない

    【内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞】

    ・卵巣や骨盤内に異所性子宮内膜が増殖する疾患で、子宮腺筋症との合併も多い

    ・主な症状は、下腹部痛、月経困難、不妊などで、性成熟期に多い

    ・エストロゲン依存性で、月経周期により出血と増殖を繰り返す

    ・卵巣に嚢胞を形成し腫大したものは卵巣内膜症性嚢胞、卵巣表面にあるものを卵巣子宮内膜症と呼ぶ

    ・CA125の上昇が見られる事がある

    ・CTでの質的診断は難しく、MRIが有用

    T1WIで高信号、T2WIで様々な信号強度を示すが、T2WIで低信号を認めるものをShadingと呼び、高信号と低信号が混在するケースもあれば、全体的に低信号になる事もある

    ・低信号は凝固血液や脱落上皮、壊死物質によるものと考えられている

    ・また多発、破裂し癒着する傾向があるため、様々な時期の出血を含む嚢胞が集簇し、不整形腫瘤として認める事がある

    ・癒着により直腸を挟んで向かい合う状態を kissing ovary と呼ぶ

    ・内膜症性嚢胞に発生する癌(明細胞癌や類内膜癌)は近年増加傾向にあり、この場合はやや若年で発症する

    ・破裂によって急性腹症(化学性腹膜炎)を来す事がある

    参考書籍:婦人科MRIアトラス 改定第2版
         ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版

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