悪性腫瘍10

【臨床症状】50代 検診精査

【問題】画像所見と診断名は?

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    • 縦隔内に複数の腫瘤性病変が疑われる
    • 辺縁が不整で分葉状の腫瘤だが、石灰化は認めない
    • またリンパ節腫大も認めない
    • 上記より胸腺癌>浸潤性胸腺腫疑いとなり、造影検査などの更なる精査が必要
    • 治療のため紹介となり、紹介先で生検を実施し胸腺癌と確定
    • その後、FDG-PET検査を実施し、胸腺に高集積を認め、また一部心膜への浸潤が疑われた
    • 切除手術を行い、術後化学療法を実施
    • 3年後に再発、肝転移等を認めた
    左側が初回診断時のPET-CT、右側が3年後のPET-CT(非提示)

    【胸腺腫/胸腺癌】

    胸腺上皮性腫瘍は大きく胸腺腫と胸腺癌に分けられる

    ・その中で胸腺腫は腫瘍上皮細胞の形態やリンパ球の占める程度により、typeA、AB、B1、B2、B3に分類される

    ・紡錘形や卵円形はtypeA、類円形、多角形はtypeBに分類され、更に腫瘍細胞の異型性とリンパ球の多寡によりB1~B3に分類している

    ・typeB1までを低リスク群(5年生存率が90%以上)、B2~B3では高リスク群(5年生存率が70%程度)と呼ばれている

    <胸腺腫>

    ・中年に好発し性差はない

    ・前縦隔腫瘍としては最も頻度が高い

    ・重症筋無力症は胸腺腫の17~54%に合併する

    ・被膜への浸潤がないものを非浸潤性胸腺腫、浸潤があるものを浸潤性胸腺腫と呼ぶ

    ・低リスク群の画像所見は次のような傾向がある

    1. 辺縁平滑、境界明瞭な楕円形(円形)の腫瘤影
    2. 全周性の被膜や内部隔壁を認め、均一な造影効果を認める
    3. DynamicではWash out型を示す場合が多い

    ・高リスク群は次の通り

    1. 辺縁不正の分葉状の腫瘤影
    2. 内部に嚢胞性変化、出血、壊死などがみられる
    3. 不均一な造影効果で、内部の隔壁は不明瞭な事が多い
    4. 胸腺癌も同様の所見を認め、鑑別は難しい事が多い
    5. 胸膜播種を来しやすいが、リンパ節転移や遠隔転移の頻度は少ない

    <胸腺癌>

    ・胸腺腫よりも頻度は少なく、7割が扁平上皮癌

    ・自己免疫性疾患(重症筋無力症)の合併はほとんどない

    ・周囲臓器(大血管)浸潤、リンパ節転移、遠隔転移の頻度が高い

    参考書籍:困ったときの胸部の画像診断

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