救急7

【臨床症状】70代 以前胸部異常陰影精査でClassⅢの診断 フォローCT

【問題】画像所見と診断名は?

CT_20240702170508_Image061
 
➡ 冠状断

0163
 

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    • 横断像でははっきりしないが、冠状断で大動脈弓に内膜石灰化の内方偏位を認める
    • 大動脈解離を疑う所見で、解離腔は上行大動脈までは及んでいないように見える
    • 下行大動脈では、血管内にコントラストの差を認め乖離腔が及んでいる可能性がある
    • 上記より、大動脈解離(Stanford B型)疑いと診断された
    • 解離腔が偽腔閉塞型かULP型か、偽腔開存型かは造影検査が必要
    • 他、両側上葉中心に気腫性変化、左副腎に偶発腫瘍あり、胸部に肺癌を疑うような異常陰影は認めない
    大動脈弓部の石灰化の位置から解離している事が分かる
    下行大動脈に乖離腔が疑われる

    【大動脈解離】

    ・大動脈解離とは、「大動脈壁が中膜のレベルで2層に剥離し、動脈走行に沿ってある長さを持ち2腔になった状態」で、大動脈壁内に血流もしくは血種が存在する動的な病態とされている

    ・大動脈解離は真腔と偽腔から成り、両者は剥離したFlapにより隔てられる

    ・主な症状は突然の胸痛や背部痛

    ・高齢者の場合は無症状のこともある

    ・偽腔の血流状態による分類には次の3つがある

    1. 偽腔閉塞型:偽腔内血流がなく、tearやULPも認めない、偽腔は三日月形を示し(crescent sign)時に高吸収域を呈する
    2. ULP型:偽腔の大部分に血流を認めないが、tear近傍に限局した偽腔内血流(ULP)を認めるもの
    3. 偽腔開存型:偽腔に血流があるもの

    ・ULP型は経過中に拡大して瘤化したり、再解離をしたりする場合があるので注意する

    ・真腔から偽腔へ血液が流入するtearをentry、偽腔から真腔へ再流入するtearをre-entryとも呼ぶ

    ・解離範囲での分類には次のようなものがある

    <Stanford分類:上行大動脈への乖離腔の有無>

    1. Stanford A型:上行大動脈に乖離腔が及んでいるもの
    2. Stanford B型:上行大動脈に乖離腔が及んでいないもの

    <DeBakey分類:解離範囲とentry位置による分類>

    1. DeBakeyⅠ型:上行大動脈から下行大動脈まで乖離腔があり、entryが上行大動脈
    2. DeBakeyⅡ型:解離腔が上行大動脈に限局し、entryも同部位にある
    3. DeBakeyⅢa型:解離腔が下行大動脈にあるが腹部大動脈までは及ばなく、entryが下行大動脈
    4. DeBakeyⅢb型:解離腔が下行大動脈から腹部大動脈までで、entryが下行大動脈

    ・病期による分類では次の2つがある

    1. 急性期:発症2週間以内(発症48時間以内は超急性期)
    2. 慢性期:発症後2週間以降

    ・画像診断では、次の項目を確認する

    • 解離の存在診断
    • 解離の形態や進展範囲による分類
    • 合併症の有無(破裂、心タンポナーデ、大動脈の主要分岐閉塞による臓器虚血など)

    参考書籍:すぐ役立つ救急のCT・MRI 改定第2版

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