ビリー隊長って知ってる?
ビリー隊長?
元アメリカの軍人で、ビリーズブートキャンプってのを日本に広めた人や。
お腹の肉をどうにかしたくて久しぶりにやってみたんやけど、キツすぎてゲロ吐くかと思ったわ。
もくじ
突発性食道破裂(Boerhaave syndrome)とは
突発性食道破裂の概要
さて、今日は突発性食道破裂について話していくで。
突発性食道破裂は、食道内圧が突発的に上昇して食道に破裂や穿孔が生じた状態や。この原因は、飲酒なんかでの嘔吐によるものがほとんどやで。嘔吐によって内圧が上昇して食道が断裂するねん。
よって発生頻度は飲酒する機会が多い30~50代の男性に多いで。
ちなみに嘔吐する時の胃の内圧は850mmHgまで上昇するらしいねん。これがどれくらいなのかは分からんけど、食道は350~700mmHgで裂ける可能性があるらしいから、結構な圧ってのは確かや。
上記の理論やと明らかに圧がオーバーしてんねんけど、通常は上部食道括約筋が緩むから食道内圧は50mmHg程度までしか上昇せーへんらしいな。
ただ嘔吐を我慢してまうとその分、圧がかかるって事やから、ゲロ我慢は実はかなり危険な行為って事やな。
その前に、ムチャな飲み方はせんようにって話しなんやけどな。
ちなみに破裂しても早期で診断して治療出来ればちゃんと治るで。でも発症から診断まで時間がかかると、救命率が下がってしまう事もあんねん。
早期で対応出来れば救命率は90%以上や。せやから救急の時は頭の片隅には入れておくべき疾患やで。
昔(1970年代)は致死率が50%程度あったらしいねんけど、これも段々と下がってきて1990年以降では7%程度まで下がってきているとのデータがあるで。
好発部位
好発部位は下部食道左壁と言われとるな。理由はここの部位の筋層が他の部位と比較して薄いからなんや。
つまり内圧が上昇した時に一番ダメージを受けやすいって事やな。
食道の解剖を知っておくのも重要やで。下記の図で確認しておいてくれや。

臨床症状と治療法
初期症状としては、胸痛、腹痛、呼吸困難などや。嘔吐した後の胸痛、呼吸困難が危険なサインやな。
まぁ嘔吐するって事は、酔ってる状態なのががほとんどやと思うから、自分的にはあまり気がつかへんかもしれん。
比較的稀ではあるんやけど、診断が遅れると膿胸や縦隔炎などの炎症性合併症を来す事もあって、重篤な経過を辿る可能性があるから注意が必要や。
ちなみに症状が軽度な場合は保存的治療を選択する場合もあるで。
画像所見
突発性食道破裂の画像所見
次に画像所見についてや。
だいたい次のような所見があるで。嘔吐後の胸痛や呼吸困難があったら下記の所見があるかどうかをチェックや。
- 縦隔気腫
- 皮下気腫
- 気胸
- 縦隔陰影の拡大
- 胸水貯留
これらはレントゲンで分かる場合もあるんやけど、CTの方がちっさい変化に対しても感度が高いで。特にエアーの存在は圧倒的にCTの方が分かりやすいな。
この症例でMRIを撮影する事は滅多にあらへん。
画像所見的にはソコソコ派手やから一度見ておくと忘れへんと思うで。
実際の症例
実際の画像や。Radiopaediaからのデータやけど、縦隔を中心にエアーの存在を認める事が出来るな。

別のケースや。この2例は比較的分かりやすいんやけど、軽微な破裂の場合はエアーを見つけるのが難しかったりするで。

鑑別診断のポイント
鑑別について
これについては、消化管穿孔との鑑別が必要やな。
胸痛なんかから大動脈解離や心筋梗塞なんかも鑑別としてあがるかもしれんが、画像上はこれらと間違えることはほぼ無いやろ。
他には異物(薬剤のプラ包装)の誤嚥で食道裂孔する場合もあるで。
まとめ
今回のまとめや。突発性食道破裂に関してのポイントは2つ。
原因の多くが飲酒後の嘔吐による食道内圧の上昇
画像所見は縦隔気腫の有無
読影はホンマに見た事があるか無いかが重要やねん。見た事がなければ、そもそも異常所見に気がつけへんねん。
せやから少しずつでもええから、症例の蓄積をして行く事が重要やで。
なんかビリーズブートキャンプ後の吐き気が収まらんわ。オエッ。やばっ。食道内圧が上昇して食道破裂してまうかもしれん。
とりあえずマックのポテト食べて考えよ。
ってな訳で今日は終いにするで!
ほな、精進しいやー!