脳挫傷(cerebral contusion)

これもいらない、これも不要。ポイね。

ああっ!なんでこれまで捨てんねん。ううっ。姉貴、容赦ないで。

アンタでしょ?
急に「断捨離するわ!ワシ1人やと決断が鈍るさかい、手伝ってな。」って言い出したの。
だから手伝ってるんじゃない。

せやけど・・・程度ってもんが・・・

なんでまた急に断捨離しようと思ったんですか?ポイッ。

ワシな定期的に断捨離したくなんねん。断捨離する事で、いかに無駄なものを買うてしまたかという自分への戒めをしてんねん。
っていうかぶっちゃけワシどMやねん。
いる言うてるのに捨てられるのが何とも言えへんねん。むしろこっちの方がメインやねん。
でもこれはちゃんと捨ててええかギリギリの判断が出来るパートナーが必要やねんな。医師免許まで捨てられたらたまらんからな。
そういった意味やと、質問&ポイはええコンビネーションやったで。たまらんわ。
ちなみに、もう少しギリギリ攻めてもええんやで。

ふーん。ポイッ。

アホ!今のはガチでアカンやつやで!調子に乗んなやボケ!

脳挫傷(cerebral contusion)とは

脳挫傷の概要

ふぅ、マジでアカンとこやったで。なんで医師免許捨てんねん。ワシ、医者じゃなくなるとこやったやんか。あぶなっ。

さて、無事に医者を継続出来るっちゅー事で、本日のレクチャーやっとこか。今日は脳挫傷や。

脳挫傷も外傷で起きる病態の1つや。脳挫傷は、外傷なんかの衝撃で脳実質が頭蓋骨隆起や硬膜と接触してダメージを負う事で発生するで。

実は脳は頭蓋骨の中で豆腐みたいに浮いてる状態やねん。骨と脳の間にくも膜下腔といってすこしスペースがあんねんけど、通常は液体(髄液)で満たされてんねん。

ただ外傷なんかで衝撃が起きた時にこのスペースがあるせいで脳が揺れて頭蓋骨(硬膜等)にぶつかんねん。

その結果、脳がダメージを負って脳挫傷になるって事なんや。

脳挫傷が起きる仕組み

脳挫傷は出血や脳浮腫がメインや。特に出血はかなりの高頻度で、浮腫がある場合にはほとんど出血も伴っている事が多いで。

好発部位は前頭葉や側頭葉で、小児やと小脳にも起きる事があるわ。

注意点としてはCTで見る場合、挫傷が小さいと中々指摘するのが難しい時があんねん。臨床経過と照らし合わせて確認する事が重要やな。

ちなみに、似たような疾患名で脳裂傷ってのがあんねん。これは頭蓋骨が骨折して、その骨片が脳が裂けた状態の事を指すで。

coup-contrecoup injury

あと注意点として、挫傷変化は外傷部位直下にダメージが受けるものをcoup injury、外傷のエネルギーが反対側に伝わって、それでダメージを受けるのがcontrecoup injuryと呼ぶで。

頻度的にはcontrecoup injuryの方が多くて、後頭部の衝撃で前頭葉にcontrecoup injyryが生じる事が多いねんて。交通事故や転落なんかの時では多そうやな。

coup-contrecoup injury
Case courtesy of Frank Gaillard, Radiopaedia.org

臨床症状

臨床症状は程度によって様々や。挫傷が小さければ頭痛やめまいなんかやし、むしろ無症状の事も多いで。

一方で浮腫や脳ヘルニアのような重症例にまでなると意識障害なんかが出てくるわ。

脳のどの部分がダメージを受けているかで障害が違ってくるで。いわゆる高次脳機能障害やな。

治療法

治療法は軽症であれば安静待機と投薬治療なのどの保存的治療になるで。

保存的治療で頭蓋内の圧力コントロールが難しい場合は、外減圧術や血腫除去術などの外科的治療を行うねん。

画像所見

脳挫傷の画像所見

続いて画像所見や。

CTやと出血を示す高吸収域が点状にあって、その周りに浮腫性変化を認めるわ。

ちなみに点状出血が低吸収域に混在している状態をsalt and pepperと呼ぶで。

これは出血における高吸収域と浮腫による低吸収域が混在している状態なんや。初期における小さなsalt and pepperを見逃さないように注意や。時間の経過と共に出血や浮腫が増大してくる事もあるで。

血腫の直径が3cm以上なら手術の対象になるで。あとはくも膜下出血も併発してる事もあるな。

MRIの画像所見については、浮腫の所はT2でhigh、出血の所はT1で時期に応じて様々な信号強度を示すわ。急性期やとT1でhighにならへんからな。Highになるのは早期の亜急性期くらいからや。T2スターを撮影すれば問題なく血腫は同定出来るで。

  • CTでの高吸収域と周囲の浮腫性変化
  • salt and pepper
  • 血腫の大きさ測定
  • MRIでは浮腫部分がT2でhigh、出血部分は時期によってT1で様々な信号強度

実際の症例

70代男性で転倒受傷した例や。右前頭葉に出血を伴う低吸収域を認めるで。同部位に骨折線もありや。この出血はシルビウス裂まで高吸収になってるからくも膜下腔への穿破もしてるな。脳挫傷の診断にて転院になったで。

頭部CT画像 骨折と脳出血

別症例で頭部(眼窩付近)の打撲や。微細な所見やけど右前頭葉中心に高吸収域と低吸収域が混在しているのが分かる思うで。ちょっと分かりにくいかもしれんけど、salt and pepper signやな。

頭部CT画像 脳挫傷

鑑別診断のポイント

他の出血性疾患との鑑別

出血を伴う事から高血圧性脳出血なんかとの出血性疾患と鑑別が問題になることがあるで。

高血圧性脳出血の場合、それぞれ単発での画像診断なら迷う事もそんなにあらへんけど、高血圧性脳出血からの頭部転倒受傷があったりした場合は迷う事もあるかもしれへんから血腫の場所や患者背景から診断する事が大切や。

まとめ

さて今日のまとめや。今日は脳挫傷についてレクチャーしたで。ポイントは2つや。

coup-contrecoup injury

前頭葉や側頭葉に好発

salt and pepper sign

こんな感じやな。初期の場合やとCTでは微小な変化の時もあるから注意やで。

アイスの差し入れ買ってきたよー!

素晴らしいやん!さすが姉貴。アイス食べてクールダウンといこか。あれっワシの分は?

断捨離してみた♪

アホか、なんでやねん!ドSにも程があるで。しかしや!こんな事もあろうかと、いつもマイかき氷を持参してるんや、ワシわな。まだまだ甘いで!HAHAHA!
ほな、精進しいやー!