コミュニケーション

コミュニケーションの重要性

コミュニケーションとは

コミュニケーションと聞いてどんな事を思い浮かべるでしょうか?会話、打ち合わせ、会議、雑談、恋愛、ペットとのふれあい・・・

色んなパターンやケースがありますが、基本的な条件が1つあります。それは何でしょうか?

それは「相手がいて始めて成立する」と言う事です。こう文字で書くと当たり前の事ではありますが、以外とこの事実を忘れてしまっている人が多いように思います。当然ですが、相手にも感情があります。この感情を無視して一方通行なのはコミュニケーションとは言わないのです。

コミュニケーションの対象は人間とは限らない

wikipediaによるとコミュニケーションとは、次のように記載されています。

「コミュニケーションとは、社会生活を営む人間の間で行われる知覚や感情、思考の共有、あるいは単に動物個体間での身振りや音声、匂い等による情報の伝達」

とあります。感情だったり意志のやり取りがあって始めて皆がコミュニケーションと呼ぶものになります。相手が目の前にいて、話しかけても適当に相づち打たれて聞いているのか、聞いていないのかが分からない状態はコミュニケーションが取れているとは言えませんよね。

ちなみに対象は人間や動物だけに限りません。内省している時に自分とコミュニケーションを取る場合もあるかもしれません。また今後はAIで作られたロボットなんかも該当してくる日がくるかもしれません。実際にAIロボットと結婚する例もあるようです。(世界中でAIロボットと結婚する人

ノールックキャッチボールが理想

「アレ持ってきて」と言って、望む通りのものを持ってきてくれる。これがコミュニケーションの最上級のレベルです。

「抽象的な言葉でも相手が背景や過去の経験から想定されるものをイメージして、それが相手と一致している」

これが最高系です。自分の頭の中のイメージと相手の頭の中のイメージが一致している。これが出来ると相手とのスムーズなキャッチボールが出来るようになります。むしろ言葉はいりません。かえって邪魔くらいのレベルにまでなるときがあります。職場でこれが誰とでも出来るようになると業務もかなりスムーズに進むでしょう。頭の中のイメージが一緒なのでコミュニケーションコストも格段に下がります。こんな職場だったら管理する側も超楽ですね。

具体的な言葉の重要性

でも現実はそんなに甘くはありません。この境地に達するのには、長い年月を一緒にいて価値観や相手の考えを理解して始めて出来るようになります。つまり長年連れ添った夫婦で、かつ価値観が一致していて始めて達する境地です。これを仕事上でやろうとするのは基本的に無理です。どうしてもやろうとするなら、合宿などかなり濃密な時間を過ごさなければなりません。なので、通常はこのギャップを埋めるために具体的な言葉などを使ってコミュニケートしています。

仕事上のコミュニケーション

まず最初に覚えておく事があります。それは、

「仕事上のコミュニケーションとは業務を円滑に進めるための手段である」

という事。決して友達を作るための手段ではありません。目的を間違えない事が重要です。仕事上でコミュニケーションを取る場合、何かしら目的があっての事だと思います。相手のモチベーションを上げる、やるべき事を明確にする、情報を共有する、アイデアを出し合う・・・これらが本来のミーティングや話し合いをする意味であり目的です。

しかし現実は中々難しいようです。意図が通じてなかったり、相手の話の意図が分からなかったり、確認してみたら案の定、話しが伝わってなくて補足に余計な時間を使う事になった。指示された内容を勘違いして、間違った方法でやってしまった等々・・・

これらが毎回スムーズにコミュニケート出来るようになったらどれだけのプラス効果があるでしょうか?管理コストが激的に下がるかもしれません。事業やグループの成長速度が大きく上がるかもしれません、新しい事業にチャレンジできたり、グループ内の方向性が一致するなども考えられます。つまりメリットは果てしなく大きいです。ではなぜこのような形にならないのでしょうか?

コミュニケーションがとれないと起きる問題点

ミスコミュニケーションによる損失

コミュニケーションがスムーズじゃ無い時に起こる問題は何でしょうか?それは次のような事じゃないでしょうか?

「人、物、金、時間の有効資源が効率的に使えていない」

創業者でもない限りほとんどの人は決められた労働時間で働いています。そして業務(労働時間)中は人件費が発生しています。つまり働いている時間は何かしらのコストが発生している訳です。これはコミュニケーションも例外ではありません。

物品や備品に関しては厳しくコスト削減をしている会社も多いと思います。必要以上に購入する事は基本的にNGが出ます。なぜならコストパフォーマンスが伴わないからです。つまり無駄という判断なのです。またコミュニケーションが不足していると、物事を伝える時に伝達コストがかかります。またゼロから説明するために時間も必要になります。普段からコミュニケーションが取れていれば、30分の説明でスタート出来る案件が、2時間も3時間もかかったりするのです。この差は大きいのではないでしょうか?

このようにコミュニケーションもコストパフォーマンスが求められるべき項目だと思います。しかし一般的にそういう形にはなっていません。それはなぜでしょうか?

コミュニケーションは定量化が難しい

コミュニケーションとは売り上げのように数値化する事が難しい項目です。これが費用対効果を分析するのを難しくしている理由です。またコミュニケーションとはそれ単体で効果が出る事は少なく、コミュニケーション上昇による副次効果が影響する事も多くあります。このように定量化が難しい項目なのです。

全体会議はコスパが悪い

コミュニケーションの中でも1番の高コストなのが〇〇会議と言われるような全体会議です。これらは上級役職者が出席している事も多くあり非常に高コストなのですが、本当にそのコストに見合った結果が出ているのでしょうか?人件費だけでなく、多くの時間も使っています。上級役職者だけが発言して自己満足して終わりじゃないでしょうか?その会議を行う事で何かしら効果が出ているのでしょうか?

仕事におけるコミュニケーションの目的は、業務を円滑に進めるための手段という事は少し前に記載した通りです。なので会議やミーティングを行う場合は、解決したい問題や課題があってそれが解決に向かっているかが重要なのです。

小学生の頃の校長先生のスピーチを思い出してみると分かりますが、自分の伝えたい事を一方的に伝える形では聞く側にとっては全く頭の中に入ってきません。これではいたずらに時間をお金を使ってしまっている状態です。せっかく現場が苦労して稼いたキャッシュを上手く使えていないのは、非常にもったいない事なのです。

コミュニケーションがスムーズにいかない原因

期待値ギャップ

会話に代表されるコミュニケーションがスムーズにいかない原因は何でしょうか?それは、

「期待値のギャップ」

です。実は会話には期待が裏に隠れています。この期待とは、発言の本当の意味だったり、それに合わせた回答の事だったりします。これは表情や雰囲気など非言語情報を読み取る能力も必要だったりするのですが、このギャップの溝が大きくなる事でお互いの会話がかみ合わなくなります。そして意味不明なやり取りが続き、話しが通じないという状態になります。下記のようなケースでみてみましょう。

上司と部下のよくある日常

上司が部下に仕事の進捗状況を尋ねています。どこの会社でも日常的にある場面ですね。なお本来であれば上司から確認される前に相談し、このような状況にならないがベストなのですが、ここでは置いておきます。

上司:○○案件のプレゼン資料は今週末までだけど終わりそう?進捗状況を教えてくれる?

部下:今、△△の状況を調べている最中でして、それが終わり次第××に取りかかる予定です。

どうでしょうか?一見すると問題無さそうにも見えますが、この時、部下は上司の質問に対して解答していません。上司の知りたいのは資料作成が終わるかどうかで、部下が答えたのは現状を述べただけに過ぎないのです。

この時の双方の行間をを言語化すると下記のようになります。

  • 上司は資料作成が完了出来るかどうかのYesかNoの返事を期待しているが、間に合わない事は薄々分かっていて、ペースアップする事を期待している
  • 部下は忘れていたので現状を説明する事でごまかしたい、もしくは間に合わないのでその事を察して欲しいと期待している

このような例は多くの職場で見られます。このやり取りが何往復も続く事がキャッチボールが出来ていない状態です。これではいたずらに時間だけが過ぎていってしまうのです。

この期待値ギャップを無くす為には?

このように会話の中でしばしば期待値ギャップは発生しています。そして人はそれを逐一確認はしません。なぜなら、それでもある程度意味が通じてしまうからです。主語や目的語を省略しても通じてしまうのは、日本語特有かもしれません。でもそれがゆえに起きている問題でもあります。では、このギャップを無くす為にはどうすればいいのでしょうか?それは、

「確認を入れる」

事です。伝わったかどうか相手に必ず確認しましょう。こういう事なんだろうなと勝手に推察して完了するのではなく、実際に相手へ確認してみて下さい。これを毎回実践すると最初のうちは嫌がられますが、本当に理解しているか伝わっているかの確認が出来ます。後々、期待値ギャップによるトラブルが発覚するよりは全然マシだと思います。また確認される側も本当に理解しているのかが分かります。以外と分かった気になっている人は多いです。

「ここまで大丈夫? 簡単に要約して教えてもらっていい?」

こんな言葉で確認してみると本当に理解しているかどうかが分かります。ぜひやってみて下さい。

なぜ期待値ギャップが生まれてしまうのか?

なぜこのようなギャップが生まれてしまうのでしょうか。このギャップの根本的な原因には、

「自分と相手は同じ理解度である」

という無意識の考えがあります。自分と同じ理解度と考えるために、物事の概要を伝えれば相手も把握出来ると思ってしまうのです。しかし実際はそんな事はありません。社会人歴や役職、経験してきた業務内容によって理解度は違って当たり前なのです。

「ここまで言ったのだから、これは理解しているだろう。」

「これって、多分こういう事を言っているんだろうな。」

これらは全て期待値ギャップの元になります。明日からこの考えは封印しましょう。

また「常識的に考えて」という言葉も同様のケースを招く事が多いです。常識は人や地域、年代によって変わります。自分の価値観の外にも世界がある事を知っておきましょう。

  • 相手がどんな価値観を持っているのか
  • 相手の理解度はどれくらいなのか
  • 相手の行動指針は何か

このあたりを念頭においてコミュニケーションを取りましょう。

特に日本語は主語を省略してもある程度の意味は伝わってしまう言語です。最近はSNSの発達により更に省略される傾向があり、今の若い人達にはそれが当たり前の価値観です。そこを比べても若者と年配者で見ても大きな違いがあるので、各々の感覚で会話をするとギャップが生まれるのは当然なのかもしれません。そのギャップを埋めるのには確認する事しかありません。なので少なくとも業務上においては、小さな事でも確認を徹底しましょう。

コミュニケーションのまとめ

まとめると

これまでの話しをまとめます。

  • コミュニケーションにおけるトラブルは相手との期待値ギャップが原因
  • これは自分と相手が同じ世界を見てるというバイアスに起因する
  • つまり自分にとっては正論でも相手にとっては正論じゃない事もあるし、違った解釈をしている場合も多い
  • なので相手の価値観や理解度を知る事が重要
  • やる事としては確認を必ず入れる

これらを実行する事で期待値ギャップをクリアにして、業務を是非ともスムーズに進めてみて下さい。