ふむふむ。なるほどな。
ほー。そう来ましたか。
これならイメージしやすいわ。教え方が上手い人ってのはこうも違うんやな。
頭の中に入ってくる感じが全然違うわ。全くと言っていいほど難しい言葉も使うとらへんしな。
オッサンにはコンセンサスとかアジェンダとかオリーブオイルとか言われても分からんねん。合意とか内容とか油とか言えば誰でも分かるのにな。
調子に乗って意味不明な言葉を使うのはアカンで。そもそもそれには、自分と相手が同じレベルかどうかの確認が必要やねん。ここを怠るとただの自己満足になってまうからな。
ワシも気をつけな。医療は特に横文字が多いからな。これは自戒も込めての言葉や。
もくじ
大脳皮質基底核変性症(corticobasal deeneration:CBD)とは
大脳皮質基底核変性症の概要
さて気分一新してレクチャーに入ろか。今日は大脳皮質基底核変性症や。CBDとも呼ばれてるで。
CBDの概要は、非遺伝性で進行性、男女差無し60代が発症のピークや。10万人あたりに3人程度と言われているから、それほど多い疾患っちゅー訳でもないんや。人間の頭髪が10万本くらいらしいから、その中に1本だけある白髪みたいな感じや。
今回は例えが絶妙に下手くそですね。レベルの低下を感じます!
サラッと傷つくような事言いよったな・・・・
臨床所見
臨床所見は非対称性の皮質機能障害とパーキンソニズム、認知症状や。まずは片方の手が使いにくくなって進行するにあたって反対側や下肢へ症状が波及していくで。
麻痺性での使いにくさとは違って、他人の手徴候、失行、ジストニア、固縮なんかが混在してるためと言われてるわ。
他人の手徴候
ちなみに他人の手徴候っていうのは、手が使いにくいためにまるで他人の手みたいな事から付けられてんねん。失行というのは、運動障害が無いのと言われた事も理解しているのにも関わらず、動作が上手く出来ひん事を言うねんで。
原因と治療法
大脳皮質と皮質下神経核(黒質や淡蒼球)の変性脱落が原因なんやけど、これがなぜ起こるのかは原因不明や。
治療法は根治療法はあらへんくて、全て対処療法になるで。投薬治療がメインで症状に会わせて薬剤が選択されるで。
CBDの概要まとめ
まとめてみたで。
特徴 | |
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大脳皮質基底核変性症 | 非遺伝性で進行性、男女差無しで60代が発症のピーク 非対称性の皮質機能障害とパーキンソニズム、認知症状が出現 まずは片側に症状が発生し、進行するにあたって両側や下肢にまで波及していく 失行やジストニア、固縮が起きる 大脳皮質と皮質下神経核の変性脱落が原因だが、なぜ変性脱落するのかは分かっていない 治療は投薬で対処療法 |
画像所見
大脳皮質基底核変性症の画像所見
次に画像所見や。
これは左右非対称性の大脳萎縮やな。前頭葉後部から頭頂葉にかけて萎縮を認めるで。特に高位円蓋部の萎縮が特徴的やと言われとる。
他の所見は中脳被蓋の萎縮やで。これはT1強調の矢状断が分かりやすいで。こう見ると、パーキンソニズムを呈する疾患はT1強調の矢状断はほぼルーチンでと言ってもいいくらいやな。
ちなみに皮質下白質まで病変がある場合はU-fiberも消失する事があるで。後は脳血流シンチが有効なんやけど、所見としては該当の萎縮部分の血流低下を認めるで。また基底核や視床の血流低下も認める事があるわ。
後は脳波検査も有効な事があるらしいで。詳しくは分からんけどな。
これまでをまとめておいたで。
画像所見 | |
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大脳皮質基底核変性症 | 左右非対称の高位円蓋部の萎縮 中脳被蓋の萎縮 脳血流シンチでは萎縮部分や基底核、視床の血流低下 |
実際の症例
実際の画像や。
左に対して右側の大脳が萎縮してるのが分かるかな。ちょっと分かりづらい所見やけどな。脳溝の大きさを被殻してもらえれば分かると思うで。それっぽく言うと、左右非対称の高位円蓋部の萎縮や。
鑑別診断のポイント
パーキンソニズム症状を呈する疾患一覧
鑑別診断や。これは毎回おなじみの表を出すで。
主な種類 |
画像所見 |
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パーキンソニズム |
パーキンソン病(PD) |
MRI上は特異的な所見がない |
進行性核上性麻痺(PSP) |
中脳被蓋の萎縮と第3脳室の拡大 |
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多系統萎縮症(MSA) |
基底核外側にスリット上、橋底部に十字状のT2高信号 |
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大脳皮質基底核変性症(CBD) |
左右対称性の前頭後頭葉~頭頂葉の萎縮 中脳被蓋の萎縮 |
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本態性(薬剤性)振戦(ET) |
DAT-SCANで被殻の集積低下の有無 |
この中でも中脳被蓋の萎縮はPSPでも認める所見やから注意が必要や。左右非対称の大脳萎縮があるかどうかも鑑別の材料になるで。
まとめ
今日は大脳皮質基底核変性症、CBDについてレクチャーしたで。CBDのポイントは2つや。
左右非対称性の皮質機能障害とパーキンソニズム、認知症状
高位円蓋部の萎縮
これらを手がかりに鑑別診断なりをやっていくんやで。
パーキンソニズム神経変性疾患もPD、PSP、MSA、CBDとやってきましたね。他にはありますか?
あるで。ただ最低限覚えておくべき疾患はこれらくらいや。
後は本態性振戦もあんねんけど、これは画像所見がほとんどあらへんからな。個別で取り上げてレクチャーする感じでもないやろ。興味があったら自分で調べてみるとええで。
さて、カンパニーのデッドタイムがクロースしてきたから、そろそろエンドにしようとシンキングしてるで。
ほな、精進しいやー!