クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)

ヤコブ病ってCJDなんやな。CDJって言ってたわ。

CDJ www 年末の音楽フェスですやん。

そんな笑わんでもええやん。昨日、後輩にも茶化されたわ。
「先生、そういえばIPMNをIPNMって言ってましたよね? ププッw」
って。ぶち〇したろかと思ったで。ワシ自身をな。

なんかテンション上がらんけど、気分を変えてレクチャー始めよか。

クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)とは

クロイツフェルト・ヤコブ病の概要

今日はクロイツフェルト・ヤコブ病や。Creutzfeldt-Jakob diseaseの頭文字をとって、CJDと言ったりもするで。

病名の由来は、1920年代に2人のドイツ人神経学者(ハンス・ゲルハルト・クロイツフェルトと、アルフォンス・マリア・ヤコブ)が症例報告を行った事からつけられてんねん。

とまぁ経緯はこれくらいにして、クロイツフェルト・ヤコブ病とはどんな病気かを話していくで。

まず概要からや。

発病には異常プリオン蛋白が関係してて、致死性家族性不眠症なんかの異常プリオンが原因の病気と総称して、プリオン病とも呼ばれてんねん。

  • 100万人に1人の割合で発症する
  • 原因は、異常プリオン蛋白が中枢神経に沈着し障害を来す事によると考えられている
  • 脳内のプリオン蛋白が異常プリオン蛋白に変化する
  • 別名、プリオン病とも言われる
  • プリオンとは「感染性を持つタンパク粒子」
  • そもそもプリオン蛋白が異常プリオン蛋白に変化する原因は分かっていない
  • 感染源によって3パターンの種類がある

こんな感じやな。罹患すると、脳組織や中枢神経系に蓄積して変性(海綿状変化)を来したりすんねん。

その結果、様々な臨床症状が起きてくるで。

感染源による3つの分類

上で話した通り、CJDには3パターンの感染源があんねん。

  1. 原因不明の孤発性
  2. プリオン蛋白遺伝子の変異による遺伝性
  3. 人や動物からの感染による獲得性

割合的には孤発性が圧倒的に多いで。以下が各々の詳細や。

  • 孤発性CJD
    • 原因不明
    • 原因としては最も多く1/100万人程度
    • 認知症、ミオクローヌス、脳波のPSD(Periodic synchronous discharge)を3徴とする
    • 第1期でめまいやふらつき、第2期で認知症状やミオクローヌス、第3期で無動無言になる
    • 発症から死亡まで2年程度
  • 遺伝性CJD
    • プリオン蛋白遺伝子変異
    • 高齢発症で症状の進行も緩慢なためADとの鑑別が難しい事がある
  • 獲得性CJD
    • 医原性CJDと変異型CJDがある
    • 変異型CJDはBSE(bovine spongiform encephalopathy)のヒトへの感染と考えられている

割合的には孤発性が85%前後くらいや。遺伝性が15%前後で、日本国内においては獲得性(感染性)はほとんどあらへん。

ちなみに、知ってる人が少ないかもしれんけど、2000年くらいに狂牛病騒動があってん。これは牛海綿状脳症(BSE)の感染牛が国内で初めて確認された事から発するんやけど、これはBSEプリオンが原因やったんや。

この感染牛を食すと人も感染してしまうっていう噂が流れて、一時期牛丼が発売停止になるまでやってんで。

詳しくはネットで調べてみてや。すぐ出てくるで。

孤発性CJDの診断基準

孤発性CJDの孤発性の診断基準があって、Definite、Probable、Possibleの3つがあるで。

  • Definite:CJDに特徴的な病理結果、または異常プリオン蛋白が検出された場合
  • Probable:急速進行の認知症と、脳波で周期性同期放電(PSD)を認め、ミオクローヌス、視覚または小脳症状、錐体路症状、無動性無言の内から2項目以上該当する場合
  • Possible:Probableと同様だが、周期性同期放電を認めない場合

他にも遺伝性プリオン病の診断基準や、獲得性プリオン病の診断基準もあんねんけど、孤発性の診断基準も含めて、正直そこまでは覚える必要はあらへんで。

脳神経の画像診断を専門にしたいというなら別やけどな。

臨床症状と治療法

臨床症状

臨床症状は、進行性の精神・高次脳機能障害、運動失調、歩行障害、ミオクローヌスなどや。

進行が早くて、発症から1年程度で無動性無言状態になって、2年程度で衰弱、肺炎、呼吸麻痺などで亡くなってまうねん。

もう少し詳しく書くと、下記のような流れやで。

  • 第1期 めまい、ふらつき
  • 第2期 認知症状の進行やミオクローヌス、錐体路症状の出現
  • 第3期 無動無言になる

孤発性の場合は2年程度やけど、遺伝性はもうちょっと長い事もあるで。かなり予後が悪い病気やな。

ちなにみ認知症状が出るんやけど、海馬の萎縮などは認めへんのが特徴や。

ミオクローヌス

ちなみにミオクローヌスってどんな症状なのか分かるか?

筋肉が瞬間的に収縮する事や。不随意運動とか言ったりもするな。

居眠りする時にビクってなるのはミオクローヌスなんやで。知らんかったら覚えとき。

治療法

治療法は現時点であらへん。難治性の疾患や。なかなかキッツイ病気やで。

画像所見

クロイツフェルト・ヤコブ病の画像所見

次に画像所見についてやな。

  • 拡散強調、T2強調、FLAIRで基底核や大脳皮質の高信号
  • 拡散強調の異常信号は基底核(視床、尾状核)、大脳皮質、視床
  • 拡散強調における高信号域は経時的に拡大していく
  • ミオクローヌスがあるときは、拡散強調が特に有効と言われている
  • 変異型CJDではpulvinar sign、hockey stick signと呼ばれる特徴的なサインがある

こんな感じや。

拡散強調やT2強調、FLAIRで基底核や大脳皮質に高信号とADCの低下を認めるで。脳梗塞における拡散強調の高信号の違いは、血管支配領域と一致せーへん事や。

この高信号は経時的に拡大していって、後期には著明なびまん性脳萎縮が起きて広範な白質にT2延長病変を認めるようになるで。

拡散強調での異常信号には基底核、大脳皮質、視床に多いな。特に前者2部位やな。

他には、変異型CJDでは視床枕や視床背内側核に対称性異常信号を認めて、これをpulvinar signとかhockey stick signとか呼んでて特徴的なサインやと言われてるわ。

ただ日本やと獲得性CJDはほとんど医原性やから、臨床症状や画像所見は孤発性と区別が難しいと言われてるで。

実際の症例

実際の症例や。

認知症場や幻想があって、その精査でMRIを実施したんやけど、左優位、後頭頭頂葉皮質優位で両側大脳半球皮質に拡散強調像での高信号とADC低下を認めるで。

画像所見と臨床症状から孤発性CJDと診断された例や。

頭部MRI-ヤコブ病
左上から拡散強調、T2強調、ADC、下段左からFLAIR、T1強調、CE

鑑別診断のポイント

皮質や基底核に拡散強調画像で高信号を示す疾患

鑑別診断に上がるのは、低酸素脳症やったり低血糖脳症、Wilson病なんかや。

これは皮質や基底核に拡散強調で高信号がある病変やな。

急性期脳梗塞、高血圧性脳症、多発性硬化症あたりは皮質に高信号を認めるパターンが多いのが鑑別ポイントやで。

認知症関連との鑑別やと海馬の萎縮があるかどうかがポイントや。臨床経過が参考になる事が多いで。

まとめ

今日はCJDについてレクチャーしたで。ポイントは3つや。

異常プリオン蛋白の蓄積が原因で予後不良

ほとんどが原因不明の孤発性

基底核から大脳皮質の拡散強調画像での(血管支配領域に沿わない)高信号

この信号パターンを見たら、CJDを鑑別疾患に挙げておかなアカン。

ほとんどは孤発性CJDやけど、獲得性CJDにはpulvinar sign、hockey stick signといった所見があるのは話した通りや。

合わせて覚えておくんや。

今後はタスクシフトで読影も技師はんがやる時代が来るかもしれんと思うてる。

AIが先か技師はんが先かという話はあるけど、そんな話が出てもう数年経っとるし、補助的に使う事はあっても、完全に入れ替わるのはまだまだ先やろしな。

その時に向けて今のうちから経験を積んでおくんやで。

少なくともワシみたいに、病名を間違えて覚えて恥かかんようにするんやで!

ほな、精進しいやー!

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